【第57話】キャンサーギフト

がんサバイバーの先輩から後輩へ向けたメッセージの中に、このような一文がありました。

「『病気になってよかった』と言うのはきれいごとかもしれません。でも、『病気になっても悪いことばかりではない』というのは、先輩がんサバイバーのみんなに共通しています」

僕も「病気になってよかった」とは1mmも思えないし、口が避けても言えません。長期間、家族に心配と負担をかけ、治療では自分が心身ともに苦しむこんな病気なんか、ならない方が絶対によいのです。

でも、たしかに、病気になったからこそ感じたことがあるのも事実です。元々、そこにあったであろう幸せを改めて感じたし、自分が何もできないからこそ、大きな有難みも感じました。

このような「がん経験からの気付き」をキャンサーギフトと呼ぶのだそうです。まだまだ始まったばかりの僕の闘病生活ですが、すでにいくつかのギフトをいただいた気がします。

メッセージの最後には「あなたなりのキャンサーギフトを見つけてください」という先輩の言葉が綴られています。

僕なりのギフト、バカでかいヤツを掴んだら、「たしかに、病気になっても悪いことばかりではなかった」と思えるはずです。

(へへへ…おれはタダじゃ転ばんぞ😏)

2024.1.18

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