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滝音「揚げ足キャッチアンドリリース」

滝音のNGK初単独ライブ
に舞台監督としてご指名頂き
身に余る光栄でした。

オープニング漫才は臨場感もあり、中々斬新で良かったと思います。ネタ中心のライブで我々に出来ることはとにかくデティールを整えてあげること。

彼らのやることが変わらなくても、裏方が細かいポイントに気付いて、この劇場で出来る最大限の状態で彼らの考える世界観を創ってあげれば、ウケの量や感動量など絶対変わってくると思います。

オープニング漫才に関しては徹底的に暗転の暗さに拘りました。普段舞台袖は暗いといっても、かなりの光源で手元や足元をライトアップしております。

従来の袖明かり
今回の袖明かり

モニターの照り返しはどうしようもないですが、それ以外消せるものは全て消灯して、舞台に光子一粒も漏らさんぞ!という意気込みでした。

サスが入った時、客席から悲鳴が聞こえて滝音の二人や我々が拘り抜いた暗転のキツさがちゃんとお客さんにインパクトを与えられていて安心しました。

ぜひご視聴頂けると嬉しいです!

暗転だけではなく、照明のサスにもかなり二人は拘っていました。最初はピンスポで動く人を捉えて欲しいというオーダーでしたが、台本の流れでいうとピンスポではなく、ムービング照明の打ち込みの方がいいだろうと、照明さんにムービングを稼働してもらいました。

なんのこっちゃ!?
って感じですよね(笑)

今回の演出でなぜピンスポがダメかというと、ピンは前から照射する為に、いきなり表情が見えてしまいます。このオープニング漫才は最初から表情が見えたその時点で、世界観が少し崩れると思い、後ろから照明を当て、表情が中々見えないようにしてもらいました。(見ていない方にはネタバレになるのでかなり抽象的な書き方をしてる手前、読んで下さってる皆様に伝わっているか微妙なのですが)

ピンスポとサスの最大の違いはピンスポは手動で動かせるので、人や動くモノを追うことが出来ますが、サスは固定された場所にしか照射出来ません。

昨秋、B'z✕ミスチルのライブの配信があり、桜井さんが両手を広げたすんごくカッコいいシーンで別の所にサスが当たってました(笑)

これはたまたまでミスでは無いとは思いますが、サスは立ち位置を間違えるとこんな風に別の所に明かりが入ることになります。

しかも今回は照射対象が動き出す。

普通に考えたらピンスポで追うのが妥当です。漫劇やルミネ、その他吉本常設劇場で同じネタ内容なら、恐らく世界観を多少犠牲にしてもピンスポを前から当てて、動きを追うことになるでしょう。

しかしこちとら

天下のなんばグランド花月!!

ムービングという照明機材は、指定の場所から場所まで何秒かけて動かす、と入力すれば、まるで人を追尾するかの様にオートマチックに照明が動きます。

人の動きと同期させたムービングの活用は正直僕は9年振りです。その位繊細で難易度が高いのです(後は作家や演出サイドがこういうことを出来ると知らない)

へんな話し、今日滝音がやった何本かの漫才やコントはNGKだけではなく、他の劇場でやってもそんなにクオリティーは変わらないと思います。

しかしオープニング漫才だけはNGKでしか出せないクオリティーなのです。

このオープニング漫才の照明チェックやリハにはかなりの時間を費やし、本人達は長い時間すみません!と謝ってくれていましたが、僕はNGKまで来て、変な気を遣い妥協するのが一番最悪だと思ってるので、この劇場で何が出来るのか、全員が同じ方向を向きながら様々な事を考え、最善を目指せたので素敵な公演になったと思います。

実は滝音だけではなく、映像担当したスタッフも今日が初めて単独ライブを担当するというこで、とても緊張していました。

開演前も「初めてで緊張します」ってソワソワしてましたが「初めてはみんなそんなもんやで~」とリラックスを促しはしましたが「でも裏方が緊張してるかどうかは、お客さんには一切関係ないしなぁ」とプレッシャーも与えながら、成長を促しておきました(笑)

完璧だったとは思いませんが、一つ一つ経験して信頼の厚い素晴らしいスタッフになってもらいたいもんです。

ご来場、ご視聴下さったみなさまありがとうございました。

因みになんばグランド花月のYouTubeで暗転について僕がどの様に考えているのかを動画にしております!機会があればご視聴下さいませ!

また劇場で!

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