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2022年、ヴィッキーズの革新。
オールコートのディフェンスをかいくぐり、軸丸がドリブルしながらデンソー陣内のフリースローラインを回り込んだとき試合終了のブザーが鳴りました。
ボールを持つ軸丸は目頭を押さえながら笑顔でチームメイトの円陣に加わったのです。
2022年1月2日Wリーグ9週目、デンソーアイリス対東京羽田ヴィッキーズ第2ゲームは、79-74で最下位の羽田が15勝無敗のデンソーを敗る金星を挙げることになりました。
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シュート確率に課題を残したリーグ戦前半
1月1日元旦から代々木第二体育館で Wリーグの後半戦が開始されました。デンソーはそれまで14/24試合消化、羽田は12/24試合消化したところです。
昨年まで(12/26日)の羽田は1勝11敗、試合消化の関係で勝点が少なかったとはいえ、最下位という順位は羽田には屈辱的だったのではないでしょうか。
平均得点58.4点(13チーム中10位)平均失点76.2点(9位)、FG%は34.2%(10位)と不振に喘いでいました。
また、リバウンドも平均34.2本(8位)となっています。C秋元178センチ、PF尾崎177センチ、小笠原178センチとサイズで苦労していることは否めません。
しかしながら、スリーポイントは平均7.8本(4位)と健闘しています。小さいながら軸丸、本橋のアジリティと津村のドライブ、鷹のはしのスリーポイントなど戦えるところは見せていました。
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課題は75点から80点取られてしまうディフェンスの強化と2ポイントシュートの確率のアップであるように感じました。
リーグ戦初戦の富士通戦では2ポイントシュートは6/33で18.2%の確率でした。。スペーシングとボールムーブが噛み合っていなくて無理にドリブルでペイントアタックしては潰されていたという印象が残っています。
リーグ後半開始と共に羽田が軌道修正。
シーズン途中だというのに、どれだけ彼女たちは話し合って練習を重ねたのだろう。
萩原HCとスタッフはどれだけのデータ解析と検討をしてきたのだろう。
年明け1戦目のデンソー戦から羽田は大きな変化を見せてくれました。
1月1日元旦のデンソー戦第1ゲーム、71-80と負けはしましたが、羽田はしっかりとしたマンマークのディフェンスをしていたと見受けられます。
また、課題である2ポイントシュートの確率は22/34(64.7%)と大きく改善されたのです。FG確率もデンソーの48.6%に対し53.1%と上回りました。
しかし、デンソーは2戦ともキャプテン高田真希を欠いてはいる状況でしたが、赤穂さくら、ひまわり姉妹(共に184センチ)とアーリーエントリーのディアサン(187センチ)を擁してサイズでは羽田を圧倒しています。初戦のリバウンドはデンソー32本に対して羽田は21本と大きな差をつけています。
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また、ターンオーバーに至っては羽田から27本も奪っています。これが羽田の敗因の一つにはなりました。
ただし羽田は「これがなかったら」という可能性を感じさせるゲームを見せてくれました。
無敗のデンソーからサプライズを起こした。
1月2日第2ゲーム。この日大番狂わせが起こりました。
第1クォーターはデンソーはさくらのローポスト、ディアサンを使ったピックプレーなど高さを生かしたプレーと稲井、高橋のスリーポイントで強さを見せます。
デンソーは高さに加えて、オフボールでダウンスクリーンやフレアスクリーンでコーナーからウィングプレーヤーをトップやウィングの位置に上げてフリーで持たせ、そこからスリーポイントやピックプレーを展開していました。
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これに対して羽田ディフェンスは徐々にアジャストします。ボールマンにはさらに一歩詰めてタイトに守り、ローテーションを素早くします。
課題のリバウンドは全員で飛び込み、タップして繋ぐイメージを持つようにしているように感じました。
この日のリバウンドはデンソー39本に対して36本取っています。
一方羽田のオフェンスにも進化が見られました。
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「連動性のあるスペーシング」というべきなのでしょうか、オフボールで先ずヒトがムーブしてスクリーンをかけるなどしてドリブルやパスが始まります。ヒトが時計回りに右へ右へと空いているスペースに動いて埋めて行くと左にパスを出し、そこからカットしてペイントに入ったり、ドリブルでペイントタッチしてからキックアウトします。
キックアウトのスリーポイントは鷹のはし、小笠原、津村が確率良く狙います。
一方、昨年から改善された点は秋元、尾崎、星澤のペイントエリアの得点確率が高くなったことです。また、ドライブでは本橋、津村のアタックは効果的です。
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羽田はランアンドパスで次々とスペースを埋めてヒトとボールが良く動く魅力的なバスケットを展開していたのです。
後半は29-35と6点ビハインドから。
羽田の攻勢は小笠原の連続スリーポイントから始まりました。 35-35で追いつきます。
ひまわりにスリーポイントを入れ返されてもさらに3連続目の小笠原のミドルでペースを掴み、鷹のはしのスリーで逆転しました。40-38 。
ここから差を広げて第3クォーターは56-48と8点リードで終えました。
勝つために必要なことはこういう泥臭いところではないかという羽田の選手の気持ちが伝わったシーンがあります。
第3クォーター残り4分27秒
デンソーひまわりがトップからスリーポイントを打ちます。これにさくらがリバウンドを掴み取りました。
着地したところに秋元、鷹のはし、津村が寄せてヘルドボールにしてセカンドチャンスを許しませんでした。
さらにもうひとつ。
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第4クォーター残り9分35秒
尾崎がドライブからレイアップをしますが外れます。これを自らリバウンド。こぼれたところをキープしたところはまるでラグビーのモールのようです。
ここから本橋に出してトップでフリーの津村に展開してスリーポイントが決まりました。59-48
最後はデンソーが意地を見せてオールコートでプレスをかけます。羽田はエンドインバウンズから連続でターンオーバーを犯してしまいましたが、リーグ戦首位、皇后杯準優勝チームのデンソーに勝利しました。
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課題のターンオーバー数はこの日13本です。できればもう少し減らしたいところではありますが、前日の27本から修正したことで及第点でしょう。
シーズン前半に勝てずに苦しい思いをしていた羽田は強豪のデンソーから勝利を得たという結果を出して立ち直りました。今後残り10試合、リーグ戦での躍進が期待できます。
photos by ちとからぁ
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