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連敗から学ぶこと。島根スサノオマジック戦

今シーズン初の連敗。

島根は勝負強かったです。

タフショットをこじ入れるほんの少しの差。だけどそれが勝敗を分けた。そんな風に感じます。


立見席までパンパンに入った超満員の松江市総合体育館で鳴る島根ブースターのメガホンの音は、殊更に響きました。

昨年のCSからさらに大きくなった島根の熱量にアルバルクエンド、ベンチ裏の応援席も今節から島根では出せる声で抵抗しましたが、その轟音に掻き消されてしまったようでした。

それでも、何事も敗戦からの学びは大きいものです。

この連戦で見た島根のアルバルクへの対策を拾っておきたいと思います。

インサイドを止められた。

まずはじめに、アルバルクのストロングポイントと言えばサイズ、ロシター、カークのインサイド陣のオフェンスリバウンドとインザペイントの得点力です。

これを剥がされてしまいました。

さて、どうやって?

単にペイントの中に入れなかったのです。

アルバルクがポストフィードしてインサイドアタックする時によく使うのがウィング(周人や小酒部)にボールを出してからPG(藤永)が逆サイドのコーナーに向かうと見せてホーンズに立つサイズやカークのマーカーにスクリーンをかけてズレを作って逆サイドのローポストのポジションをサイズやカークに取らせるプレーです。

この島根戦では藤永がクロススクリーンに行った際はPGのマーカー誓哉や津山がスクリーンユーザーのサイズに体を当てて簡単にポストポジションに行かせず、サイズのマーカーのケイの遅れを解消していました。

ケイは遅れずにサイズに付きます。さらにサイズに対して誓哉(津山)とダブルチームを組んでポストアタックさせませんでした。

サイズはローポストでパスを受けてもアタックできずに空きを探してボールをウィングに返すだけでした。決して流れるような動きではありません。

こうしてアルバルクはパスの受け手を探す間、ボールが回りませんでした。

安藤周人も抑えられた。

第2ゲームでは第2クォーターの得点が伸びなかったことがこの日のゲームの敗因だとアドHCのコメントにありました。

特にインサイドにボールが入らずオフェンス停滞したのは第2ゲーム第2クォーター(このクォーターの点数は島根22-7アルバルク)残り8分から6分の約2分間です。

この時間帯、アルバルクのオフェンスはインサイドを対策されてもパスの受け手を探して最後にオープンを作りますが、そこでボールを受けるのはシューターの安藤周人ではなく吉井でした。
それも、3回連続です。

(仕向けられた?)

吉井にマッチアップしていたのはビュフォードでした。

そのビュフォードは吉井に対してペイントラインにポジショニングして3Pラインより外へは追わずに吉井の動きを見ながら彼のペイントへの侵入に注意して実は安藤周人をケアしてヘルプをしているようでした。

周人はなんとか自分がフリーになろうと走り回りサイズやカークのダウンスクリーンを使います。しかし、阿部(白濱)には常に後ろから追われています。さらにスクリーンから上がって阿部とズレを作ってもフリースローラインあたりでビュフォードが蓋をするように寄せてきます。

プレッシャーをかけられた周人はウィングでボールを受けてもトップやポストに返すのみとなります。

一方で吉井は外のコーナーやトップではビュフォードが追って来ないので、フリーになります。

したがって、この時間帯アルバルクは最後にボールが回って来るのは吉井でした。

しかし、最終的に吉井の放ったオープンの3Pシュート2本とペリメーターショット1本は全てリングを捉えられませんでした。

これが1本でも決まっていたら吉井の外を放置できなくなりインサイドにも入り込めたはずですし、周人のシュートチャンスも広がって第2クォーターの展開も違ったはずです。だから吉井くん!オフェンスも頑張ってほしい!

吉井はディフェンスではビュフォードを抑えられる不可欠な存在だけに、このあと下げられてしばらくプレータイムがなかった事にジレンマを感じました。

ニカのポジショニング

島根の攻撃で目を引くのは1ゲーム目第2クォーター終わりのトラビスのブザービーター3Pポイントや勝負どころで外さない誓哉の3Pシュートです。気持ちが全面に出ているので見ているものにも強く印象に残ります。

しかし、残りのゲームで注意しなければいけない!と思ったのがニカ・ウィリアムスのピックアンドロールを行う時のポジショニングの良さです。

今シーズンのアルバルクはショウディフェンスを多用しています。シーズン初めはショウに出たビッグマンの戻りの遅れを突かれてスクリーナーにダイブされたり、ポップされましたが、最近はショウディフェンスの精度が上がりダイブやポップにもヘルプ(タグ)に入ることで解消されつつありました。

ところが、今節島根がしてきたのはピックをスリップしてダイブするゴーストってやつです。


第1ゲーム第2クォーター残り5分45秒
トップのケイから右ウィングのビュフォードにボールが渡ります。逆サイドスロットにポジショニングしていたニカがピックに行きます。カークはこれを追ってさらにビュフォードにショウにでました。ビュフォードのマーカーのロシターもビュフォードに行きます。
ニカはスクリーンにせず折返して(スリップ)ゴールへダイブ。ビュフォードはスリップでタイミングが速かったニカへ素早くパスを出してゴールメイクしました。

さらに第2ゲーム第3クォーター残り5分
誓哉とケイがトップでピック&ロール
藤永がケイのピックで遅れて誓哉を追います。ロシターはショウに出て誓哉を前で止めようとします。
誓哉は右に回り込んでペイントに向かいます。ケイもピックからゴールへダイブします。
この時ニカは左ローポストの位置から誓哉の侵入に備えてペイント中央にタグに出たカークの背後を取って右ダンカースポットに移動します。
誓哉はニカにノールックでパスを出しニカの得点を演出しました。

アルバルクのピックをスリップされた時に留まる判断やショウに対するヘルプローテーションは今回を学びにまだまだ改善できることでしょう。

第2ゲーム4クォーターの追い上げ

第2ゲームアルバルクは一時は20点離された中、最終的には7点差までカンバックしました。

後半からはドライブからペイントアタックを積極的に仕掛けることで徐々に局面を打開できていたように思います。

島根からは応援のホームアドバンテージもあり勝利への圧をひしひしと感じましたが、アルバルクがもう少し早く立ち直ることができていれば違う結果もあったかと思います。

そこはロシターや周人、ザックのルーズボールに飛び込む姿勢や勝負どころでの負けん気が発揮されていたからこそ見れた挽回だと思います。

島根に連敗を喫しました。それでも30勝8敗です。現状ではリーグ2位の対戦成績です。残り22ゲームもプライドを持って戦って欲しいと思います。

今節がアルバルク最後の出場となったウクライナからの救世主ボヤルキム選手に感謝してバイウィーク明けのアルバルクに期待します。

photos by kii

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