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【5年目以下療法士さん向け】療法士としてのキャリア構築に対する一考察(随時更新)

 こんにちは。吉備国際大学という地方私立大学で准教授(平成30年11月24日現在)をしている竹林です。39歳で一応最終学位は博士(医学)です。職歴は13年間、特定機能病院である大学病院にて勤務し、多種多様な患者さん方に対し、試行錯誤をしながら、一歩一歩、現在の立場になるまで、日々一生懸命進んできました。

 さて、今回は「私が歩んできたキャリア、そして、今後歩むであろうキャリア」について、こちらの方に記載して行こうと思います。「ん?今後??」というところで引っかかられた方もいらっしゃるかもしれません。noteという媒体は非常に面白い媒体でして、有料noteを購入していただいた後も「継続的に更新される」という特徴を持っています。ですので、一度購入いただくと、今後の僕のキャリアが進むに連れ、その時々に考えていることが継続的に追記させて行くというシステムです。面白いですよね。だから、僕の気が向いたときに、追記されて行くという読み物です。

 では、こちらのnoteですが厚かましくも有料です。有料にする理由は、僕個人のこれまでのキャリアとそれに対する考え方をつらつらと書き連ねて行きますので、「ある程度僕個人の情報が含まれる」という点と、「本当に興味がある方」だけに提供する媒体だからです。

 そして、あくまでも僕の経験やその時々の思考について書きますので、確実なノウハウ本ではありませんので、僕が歩んできた通りに物事を進めたところで、僕と同じキャリアを描けるなんて、全くもってあり得ません。声を大きくして言いたいことは、「僕の生き方にエビデンスなんぞない」ということです(あれほど、エビデンス、エビデンスというてる人間が...(笑 )。それは御承知くださいね(言うまでもないないと思いますが...)。しかも、僕のキャリアの重ね方は「かなりの労力」を伴いますので、「楽して目立ちたい・偉くなりたい(現状の僕が偉い訳ではないですよ)」、「楽して講演会を開きたい、講師になりたい」などと思っている方は、絶対に買わないでください。買ったところで何の参考にもなりませんし、それでクレームを言われるのも辛いので。

 そして、前置きが長くなりましたが最後に、僕なら絶対にこういう他人の思考や経験や想い、武勇伝を書き連ねた「自己啓発本」的な書物は絶対に買いません。これは間違いなく本音です。それは、僕が他人の思考によって「動かされること」を極端に嫌うからだと思います。ただ、それは僕個人の話なので、もし、ご興味がある一部の方がこれを読み、「日々のモチベーション」に変えてくださったり、「今後の自分自身のキャリア」の参考になるのであれば、とても嬉しいことです。ご自身のこれからの生き方の中で、参考になる部分は参考にしていただければ、これ幸いです。あ、個人的に僕の生き方に興味があるなんてのも全然OKですよ。

ここからが本文です。

目次

1. 学生時代に考えていたこと                        2. 大学病院に就職                                                                                                   3. 与えられた仕事は断らない                       4. 大学院に行くべきなのか?                       5. 形に残るものを創造する意味                                                                              6. 残すものの形態を選択する                        7. 英語論文が導く世界への道筋                       8. 変わりゆく自分自身                          9. 教育者への転身と今後の目標(今後執筆予定)              以下、継続的に増える予定

1. 学生時代に考えていたこと

 自分の大学生時代を知っている人ならば、今の僕の活動は想像できない方が多いと思います(一部の方は、こうなるだろうと予測していたとおっしゃられますが...)。それはなぜかというと、僕は典型的な不登校学生だったからです。主要都市から地方都市に移ってきた僕は、街の規模の大きさに馴染めず頻繁に自身の実家のある街に帰っていました。当時の大学は今の大学に比べると色々とルールが甘かったので(今の大学生は本当に毎日大学に密に通っています。「今の若者は...」とか、年配の先生方言えないぐらい、今の学生は真面目に勉学に励んできますよ)、本当に必要出席日数ギリギリ、ほとんどの授業の成績は「可」という燦々たるものでした(本当に、資料を与えてくれたり、一緒に勉強を教えてくれた同級生には感謝の念しか今はありません)

 さて、そんな僕がどの時点で、大きな転機を迎えたのかというと、作業療法学科の学生さんなら誰もが通過する「3年次の評価実習」でした。グループ学習では、各学生が担当評価を勉強し、それぞれの評価について体験して行くと言ったスタイルだったのですが、準備の段階では「できるだけ楽な評価を担当したい」と言った思惑がちらついていました。そして、評価実習が始まりました。複数回に別れている第1回目は友人が患者さんに評価を実施する形だったのですが、ここで僕自身に衝撃が走りました。当然学生ですから、初めての評価もうまく行くはずがありません、ですので、おどおどとしてしまいます。このような現象については側で見学していた学生の僕も「患者さんに負担はかけてはいけないな」と常識の範囲で感じ、しっかりしないといけないなと強く感じ、今までの行動を改める必要性を感じました。

 それよりも、もう一つの思いが僕の中で大きく弾けました。それは、「運動障害を治して、患者さんに喜んでもらいたい」と言う想いでした。そこから、僕の学生生活は大きく変わったと記憶しています(僕は変わったと思っています...(苦笑))。そこからは色々と勉強を始め、大学にも比較的毎日通うようになったと記憶しています。ただし、その後、総合臨床実習で大きな壁にぶつかることになります。それは当時のスーパーバイザーより話された「麻痺は治らないから、竹林くん、むやみやたらに麻痺手を触らないで」という言葉でした。ただし、これはこの当時(2002年当時)では当然のお話でした。Nakayamaらは、Copenhagen studyにおいて1年後に到達する麻痺のレベルの95%に発症から11-16週のうちに到達する(1 といった当時のエビデンス(前向きコホート研究)があり、これらを参考に「麻痺手に触ると障害受容が遅れるから(障害受容という言葉自体があまり好きではないですが...)」と言うもちろんエビデンスがない思考の元、刊行されていたと言うわけです。

 ただし、学生の僕にこの事実が与えた衝撃は小さくはなかったです。不勉強な学生だったからこそ、「療法士は疾患によって生じた障害を根治できる」と思い込んでいたため(この頃は、完治する病気の方が世の中には多いと思い込んでいた学生...)、「この仕事を選んだことは間違いだったのではないだろうか...」と真剣に悩むことになります。ただし、臨床実習は3年次までの成績の悪さとは相反し、3箇所で、A-A-Bというありがたい評価をいただき、実習をクリアできた上に、卒業試験および国家試験も見事合格をいただくことができました。ただし、一度失ったモチベーションはすぐに回復することはなく、就職先も「関西圏」、「勉強ができるところ(オラオラ系の学生にありがちな、なんの目的も根拠もなく、ビッグになりたい、お金を稼ぎたい的な、今となっては恥ずかしい残念なモチベーションですわ...)」と言った理由で、某大学病院を選ぶということになりました。

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