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Voices from Takram

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Takramメンバーのnoteへの投稿をマガジンとして集めました。
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#小説

読書リスト 2『宇宙と踊る』の料理と語源、科学と恋愛。

#読書バトン のテーマに合わせて先に「『波打ち際』の読書リスト ― 年末に読むおすすめ」で10冊を簡単に紹介したけれど、それぞれの本にまだ尾ひれがつきそうなので、続けていく。 冒頭に「物理学と文学の波打ち際」として紹介したのはアラン・ライトマン 『宇宙と踊る』だった。 先の記事で紹介した、空っぽのオーディトリウムのステージで練習するバレリーナの動きを物理学的に観察し、その跳躍が地球の軌道にどのような影響を与えるかを書いた冒頭の短編。 計算結果や内容はぜひ本をお読みいただく

「波打ち際」の読書リスト ― 年末に読むおすすめ

深津貴之(fladdict)さんから突然渡された #読書バトン 。僕も書きます。Takramという会社で仕事をしていることもあり、本能的に「分類できないもの」に惹きつけられます。 Takramはもともとデザインとエンジニアリングのあいだで揺れる振り子のような存在として始まりました。創業期に参加した当時の僕は、デザインとエンジニアリングそのものに強い関心があったというよりも「二つの価値観のあいだを揺れる」ことに広く関心がありました。 だから乾燥と湿潤が寄せては返す波打ち際の