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【本のレビュー】アサーション入門

  • 人のミスや不手際を厳しく注意してしまう

  • 急に遊びに誘われ、家でのんびりしたいのに断れずに仕方なく出かけることに

言いたいことをストレートに言って相手を傷つける。あるいは言いたいことをいつも我慢してしまう。コミュニケーションの問題は誰にでもある。
自分も相手も大切にする自己表現、それがアサーション。
アサーションによって爽やかな人間関係を作ることを目指す。本書はアサーションの入門書。

アサーションとは

1.自分よりも相手を優先する自己表現
2.自分のことだけを考える自己表現
3.自分と相手両方とも大事にする自己表現

1と2では充実した人間関係を築けない。3がアサーション。
自分の考えや気持ちを捉え、正直に伝える。
伝えたら相手の反応を受け止める。
自分の気持ちを伝えることだけでなく、相手の反応も受け入れることも含めてアサーション。

意見が一致しないこともあるコミュニケーション

当然ながらお互いの意見や気持ちが一致してるとは限らない。すぐに合意が得られなくても歩み寄り話し合う。

アサーションを身につけるには

1:自分の気持ちを確かめる
他者を優先する人はこの作業ができていない。自分の気持ちや考えに気づくことから始める。
2つの矛盾した気持ちがあっても、それを素直に認める。

2:正直に言語化する
確かめた気持ちを率直に言葉にする。
明確に言えなくてもそれを伝える。「迷ってる」「困っている」と伝える。

自分の気持ちを伝えたら、相手の表現も大切にすることも必要。相手の反応を見ることで初めてアサーティブなやり取りが成立する

アサーションの使い分け

コミュニケーションを2種類の会話に分ける。タスクとメンテナンス。どちらも必要。
一つは会議での議論、もう一つは食事やパーティーでの会話。前者がタスク、後者がメンテナンス

タスク

特定の目的を達成するためのやりとり。論理的な思考や抽象的な言語表現が使われる。

メンテナンス

安定した人間関係を作るのが目的。論理的な表現よりも曖昧さや白黒つけがたい表現を使う。人の感情は0と1のようにはっきりと区別されるものではない。説明できない微妙な気持ちをもっている。それを理解してもらうにはメンテナンスが必要。ただお茶を飲んで雑談するだけで心のつながりができる。

この2つは完全に切り離されているわけではない。状況に応じて使い分ける必要がある。仕事ではタスクの会話が必要だが、それだけでは良い人間関係を作れない。メンテナンスの会話も必要になる。

現代の課題

現代ではタスクが重視されすぎている。何かを成し遂げなければ受け入れてもらえない。排除されてしまう。そんな社会だと学校や職場で感じてしまう。
間違えたり、失敗したり、要求に応えられないことは承認されないことであり、自分の居場所はないという意味になる。

メンテナンスのアサーションが求められる

能力や実績の有無に関わらず、「自分は自分であってよい」という思いは誰でも持っていい。自分のありのままを伝え、相手のありのままを受け入れる。

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