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はるちゃん

6才の時に出会って、もう20年近く一緒にいるけど、いまだによくわかんない女。

人にはデリカシーないことばっか言うくせに、自分がちょっと言われたら引く程落ち込む、扱いにくい女。

でも、結局許せてしまう女。


なんではるちゃんって許しちゃうんだろう。


中学の時に私は体育の先生に恋をしていた。

もちろんはるちゃんには、それを打ち明けた。

はるちゃんに打ち明けるだけで、まるで告白してるくらい緊張した。

「へぇーそうなんだーー頑張れー」

今思えば、はるちゃんの相槌すげぇ棒読みだったと思う。

でも、私は自分の恋にいっぱいいっぱいで気付かない。


はるちゃんに恋を打ち明けた次の日。

朝、学校に行くと、職員室の前に私の大好きな体育の先生がいた。

先生は、はるちゃんと話していた。

私も一緒に話そうと二人に駆け寄ろうとしたとき、


「あんりが先生のこと好きだってーー」


私は立ち止まった。

そして、先生と目が合ってしまった。

私はその場から走って逃げ出した。

その日は教室で机に顔伏せて、ずっと寝たふりしてた。

先生に好きってバレちゃった。

先生ともう話せない。

どうしようどうしよう。

私の頭はそればっかりで、事の原因であるはるちゃんのことなんてすっかり忘れていた。

また知らないうちに許される女、はるちゃん。

自分のことしか考えない女、あんり。

どっちもどっち。


結局そのあと体育の先生は結婚したから、どのみち失恋だった。


大人になってから、あれはやっぱりはるちゃんが悪いじゃねぇか!って気付いて問い詰めたら

「あんりが好きって言うの大変そうだから私が言ってあげようと思って」


馬鹿らしくて結局許しちゃう。

幸せな女だよ、まったく。



はるちゃんは最近、

いつもグミをくれる田辺さんのことを

グミおばさん

と呼んでます。


田辺さんも最初は怒ってたけど、今は許してる。








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