Spin所感
こんにちは
今回はpokerstarsのspin&goをやったのでその感想を書いていこうと思います。
1. 概要
まずspinをやるまでの流れですが、pcを修理してpokerstarsを立ち上げたらrakeback40%のプロモもきていたので久しぶりにpokerやりたいなと思っていたところで、glassさんの記事などでspinが短期で成績がわかりやすく勝ちやすいというのをみて少額ですがやってみようと思いました。
合計で1800gameくらい回してこんな感じの結果でした。
大体4面から6面くらいでやっていました。
4面だと1時間で30game、6面だと45gameできるかどうかくらいの感じだったと思います。
4面でもたまにソリューションを確認しながらできるくらいの忙しさでした。
アクション数が多く、すぐ気付くようなミスもたくさんしました。
少し作業感があり、楽しめない人も多いかもしれないです。
piosolverを持っている人はしたのページから無料でpiocloudのspin用のpreflop solutionをダウンロードできます。
これを参考にするだけでも結構エッジを出せるのではないかと感じました。
このソリューションをみてGTOがなぜこのようなハンドでこのアクションをとるのか考えると見えてくるものもあるかなと思います。
2. 戦略に関して
ここからは自分が感じた$5spinでの多くのプレイヤーのリークをHUDで調べてみて、そのように搾取すればいいのかを書いていきます。
今回はプリフロップに関してです。
自分が体感で感じていたのは以下の5つです。
1. 10bb以下でALL-INされると異常に降りる
2. 10bb以下でのpushレンジが明らかに狭い
3. 10bb以下でlimpした後にALL-INされると降りやすい
4. 10-25bbでのvpipが低い
5. 3bet ALL-INにはあまり降りない
順番に書いていきます。
1. 10bb以下でlimpしてALL-INされると異常に降りる
HUDでのデータは以下のような感じです
binom.test(46, 67 ,0.92)
p-value = 3.148e-08
binom.test(75,161 ,0.62)
p-value = 8.616e-05
この場合のp値の意味は「相手がGTO通りにcallしているときにHUDで得られた値より極端なデータが得られる確率」です。
以上より、effが低いときにはローステークスのプレイヤーはallinに対して異常なほど降りることがみて取れます。
そしてpush or foldのGTOに関してはpiosolverのproでも一瞬で計算することができます。
preflopのtabでtreeを作成してBuild pure preflop treeをクリックすることでpostflopにアクションのないゲーム木が作成できます。
もちろんnode lockで搾取戦略も調べてみることができるので3bbの時と5bbの時で調べてみようと思います。
ちなみにGTOは5bbくらいまではlimpはほとんど使わないです。
3bbのときに68%程度しかallinをcallしないプレイヤーに対しては全てのハンドでallinした方がEVが高くなります。
23oですら少しallinの方が得です。
5bbのときも同様の結果が得られました
8bbの時もpush or foldならば95%のハンドをallinした方がいいという結果になりました。
もちろんこれらはlimpの選択肢はいれていないので、limpを利用することでさらなるEVを得ることは可能だと思います。
また、実際にanyでALL-INしていると相手も対応して広めにcallしてくることも考えられるので工夫が必要かもしれません。
2. 10bb以下でのpushレンジが明らかに狭い
binom.test(51, 185 ,0.7)
p-value < 2.2e-16
binom.test(92, 401 ,0.45)
p-value < 2.2e-16
5bbでもlimpを25%くらいしてくるので他のハンドを全てfoldしているわけではないのですが、GTOからかなり逸脱してpush率が低いことがわかりました。
仮にeff stack 5bbで相手が上位27%でallinしているとしたらそれに対するcallレンジは以下のように33%程度とかなり狭くなります。
3. 10bb以下でlimpした後にALL-INされると降りる
BTNはGTOでは強いハンドとプレイアビリティが高いハンドをlimpしています。
一枚目が7bb、二枚目が10bbのときのALL-INとlimpのEVの差を表したものです。
以下のようにGTOよりlimpfoldしています。
相手のアクションレンジを観測するツールを持っていないので調べられないのですが、これらのlimpcallするハンドを先にALL-INしてしまっているのではないかと思います。
binom.test(33, 116 ,0.34)
p-value = 0.2395
binom.test(42, 208 ,0.29)
p-value = 0.004601
特に10bbあたりでは相手のlimpにはこちらのEQRの低いハンドをGTOより広目にALL-INすることで搾取できるのではないかと思います。
4. 10-25bbでのvpipが低い
HUのIPはeffが13bb以上になると5%程度しかopen foldしないのですが、多くのプレイヤーが明らかにfoldしすぎている気がしました。
13bb-30bbでのHUで1163/4778、約24%もSBがfoldしていました。
これに関してはfoldしてくれる時点で搾取できていると思います。
ポストフロップでもこのことを考慮するともっと搾取できるのかもしれませんがわかりません。
5. 3bet ALL-INにはあまり降りない
15-30bbで相手のプレイヤーはこちらの3bet allinに171sample中78回、約45%程度callしていました。
GTOは15bbで39%ほど、25bbになると25%程度になります。
相手の2bet率も36.7%程度とGTOと同様くらいだったので3betにはcallする確率がGTOより高いことがわかりました。
すごいざっくりとしていますが、3betallinブラフは全くなくても問題ないと思います。
Spin&Goはstackが浅いので真似できないようなポストフロップでのセンスあるプレイが必要な余地が少ないと思います。
その分少し作業間はありますが、しっかりやるべきアクションをこなしていけばEVを積んでいくことができるゲームなのだと感じました。
もしこれからspinをやってみようと思う人に少しでも参考になればよかったです。
以上です。
次回以降は「The Mathematics of Poker」の内容に関するnoteを書こうと思っています。
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