AKQgame導入

はじめに

こんにちは

今回はAKQgameの導入について書いていこうと思います。

ポーカーの簡略化の例として扱われるゲームで
XとYのプレイヤーがA,K,Qのうちどれかを持っていてA>K>Qという強さでポットを取れるゲームです。
他のルールはホールデムなどと一緒です。

A,K,Qは全て1枚ずつ存在しているのでXがAを持っている時は、相手のYはKかQをそれぞれ1/2の確率で持っているという状況です。

今potがPでbet sizeが1の時の

X(OOP)が強制checkの時
X(OOP)もbetできる時

について順番に書いていきます。


Xが強制checkの時

この場合は一番単純に考えることができます。

Yは全てのAはbetし、XがKでcallしてもfoldしても同じEVになるようにQでもブラフします。
またXは、YがQでブラフしてもチェックバックしても同じEVになるようにdefenceします。
YはKでbetしてもAにcallされ、QにfoldされるのでKでbetはしません。

Yはvalue:bluff = P+1:1になるようにbetレンジを構築し、XはYがQを持っている時のcall:foldがP:1になるようにcallレンジを構築します。

従って、
Yは全てのAと1/(P+1)のQをbetし、
Xはそれに対して、全てのAと(P-1)/(P+1)のKでcallします。

Yはバリューbetが成功した分得をするので、このゲームのYの利得は
⅓ * ½ * (P-1)/(P+1) = (P-1)/6(P+1)
と計算できます。

piosolverでも確認できます。
RiverでAAKKQrでお互いのレンジをAA,KK,QQの1種類にすればAKQgameを再現できます。

例としてP=4の時の計算結果を見てみると

スクリーンショット (31)

スクリーンショット (32)


YがQの1/5をbetし、XがKの3/5をcallしていることがわかります。
また、Yの利得は0.1であり、(4-1)/6(4+1)=0.1と合致することがわかります。

スクリーンショット (33)

リミットゲームではPotが大きくなるほど、ブラフキャッチャーでもしっかりcallし、ブラフは少なくしていくという構造が見えると思います。

またYの利得(P-1)/6(P+1)から、このゲームでの最適なbetサイズも知ることができます。


微分することで(P-1)/6(P+1)はPが1+2^(1/2)の時に最大になることがわかるので、potの2^(1/2)-1で約41.4%pot betが最適であることがわかります。

Nuts/Airのモデルとは違い、相手がNutsを持っている可能性があるのでベットサイズが大きい方がいいわけではありません。


X(OOP)もbetできる時

X,Y共にbetに対してraiseはできない時を考えます。

XがAを持っている時にbetした方がいいのか、checkしてブラフをインデュースした方がいいのか考えます。

Xのbetに対してYはXがQで正のEVを得られないように(P-1)/(P+1)のKでcallします。
YはXのcheckに対して1/(P+1)のQでブラフをします。

よってXがA持っているときに得られるさらなる利得は、
betした時(P-1)/(P+1)で、checkした時1/(P+1)になります。

これが等しくなるのはP-1 = 1でP = 2の時です。

従ってXは、
P<2の時はAはcheckした方がよく、
P>2の時はAはbetした方がいい
ということがわかります。

以上より、

(1) P<2の時

Xが強制checkの1の場合と同様
Yは全てのAと1/(P+1)のQをbetし、
Xはそれに対して、全てのAと(P-1)/(P+1)のKでcallします。

(2) P>2の時

Xは全てのAと1/(P+1)のQでbet
YはXのbetに対して全てのAとP/(P+1)のKでcallし、
Xのcheckに対して全てのAと1/(P+1)のQでbetします。

P>2の時のYの利得は、
⅓ * ½ * ((P-1)/(P+1) - 1/(P+1)) = 1/6(P+1)
となりXがbet可能になったことによりYの利得が減少したことがわかります。

ちなみにP=2の時はAはどのくらいの割合bet or checkしてもGTOです。


珍しいシチュエーションだと思うのですが、XのEVはどのくらいのAでbetしても同じですが、どのくらいの割合AをベットするかによってそれぞれのハンドのEVが変化します。

スクリーンショット (34)

GTOが一意に定まらず自由度がある時は、piosolverでの結果も振動することがあるのですが、P=2の時をpiosolverで計算させても計算結果は振動しませんでした。

以上です。
コメントなどもお待ちしてます。

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