Nuts過多のNuts/Airについて
こんにちは
今回は「The Mathematics of Poker」の14章の内容に関してです。
よくあるNuts/Air modelでNutsの割合が多い時にどのようなことが起こるのか書いていきます。
ポジションは関係ないのでX,Yで考えます。
X: nuts 0.6, air 0.4
Y: bluff catcher 1
pot:1, eff stack:5の時のGTOについて考えていきます。
Xが5potのALL-INをした時、Yは5/11の勝率があればコールすることができます。
しかし、Xが全てのairをブラフしていたとしてもYは4/10の勝率しかありません。
よってXがnuts,air全てのハンドでALL-INしてYが常にfoldするというプレイはGTOです。
これ以上お互い戦略を変更してもそれ以上の期待値を得ることはできません。
今eff stackが5で考えましたが、実際eff stackが2以上であればYはXのALL-INに必要な勝率が4割以上になり、全てのハンドでfoldするより大きなEVを得ることができなくなります。
ではこの状況でXが小さなベットをしてきた時は、Yはどのように対応すれば良いでしょうか。
例えば、Xがpotbetをしてきた時のYのGTOに関して考えます。
よくあるNuts/Airと同様の考え方通り、YはXのairのEVを0にする必要があるとして1/2のハンドをコールするのがGTO、というのは間違いです。
もしYがALL-INに対してはfoldし、ポットベットに対して1/2の確率でコールするならばXは全てのnutsでポットベットし、全てのairでALL-INすればさらなるEVを得ることができます。
YがALL-INには全てfoldする一方小さなベットにコールすることがあるならば、Xはさらなるバリューを得ることができるのです。
したがって、YはXのどのようなサイズのベットに対しても常にfoldするのがGTOです。
実際Xのベットサイズに1%,50%,100%,200%,ALL-INを含めた設定でpiosolverで計算させてみても、YはXのどのようなサイズのベットに対してもfoldの純粋戦略になります。(Nuts/Airを再現するために、22223rでOOPがAA0.6,QQ0.4、IPがKKを持っているシチュエーションで計算しています。)
もしYが1%potbetに対しては必ずコールするならば、XはどのようにYを搾取できるかをnodelockを利用して計算すると、以下のようになります。
Xは出来るだけAAで1%ベットしたいですが、全てのQQでYが降りてもEVを失わずにおろせるようにAAもALL-IN必要最低限します。
5potsize betなので nuts:air = 6:5にすればいいので、nuts 0.6のうち0.48をALL-IN、0.12を1%betすればいいです。
実際のpokerでこのような場面はないと思いますが、リバーでのベットサイズによって搾取可能なシーンは多々あると思います。
以上です。
何か間違っているなどあれば反応もらえると助かります。
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