たこの記者

日記を書きます。 もち🐹のゲーム作りました。 https://apps.apple.c…

たこの記者

日記を書きます。 もち🐹のゲーム作りました。 https://apps.apple.com/jp/developer/megumu-morisaki/id1638858400

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嘘の日記:秘密

会社最寄の地下鉄ホーム。改札を出るときいつも気になる。膝くらいの高さにあって、壁に埋まっている、小さな銀色の扉。何の目的で、何に使うか知らないけれど、スベスベしていて可愛いサイズの、その扉が好きだった。 あるとき上司の送別会で、帰りが遅くなった。お世話になった田中さん。居なくなるのが寂しくて、沢山話して、沢山飲んで、沢山泣いて、すっかり酔っ払ってしまった。宴もたけなわ、田中さんともこれでお別れ。田中さんと別れ、みんなと別れ、1人寂しく駅に向かう。駅の階段は無駄に60°。今の私

    • 夢のマナフィー捕獲大作戦

      波の音。目が覚めると船の上にいた。小さな漁船。ほとんど操舵室。私の他には誰もいない。周りは黒い海だけ。陸も島も星も見えない。ぼんやりと月明かり。寒くも暑くもない。でも手が冷たい。ベタベタしている。インクのような血のような、何かが付いて半乾き。覚えがない。手のベタベタも、ここが何処かも、なぜ船の上かも。ぼんやり波の、揺れを感じていると、衝撃があった。甲板側面の糸巻きから、勢いよく糸が伸びている。糸はどんどん伸びる。糸巻きがガラガラ回る。糸の色が赤青白と忙しく変わっていく。そのう

      • もち🐹可愛すぎてゲームになる

        こんにちは。たこの記者です。 こっちは1年くらい前から一緒に住んでいるもちです。 かわいいですね。凄く。 なのでゲームになりました。 世界のために。 こんなに可愛いもちは絶対世界に見てもらった方がいいと思ったので、半年くらいunityの勉強をしてもちのゲームを作りました。 『moci is running』というゲームです。 敵を避けて、斬って、撃って、とにかく生き延びるアクションゲームです。 どうせ作るなら面白い方がいいと思って 色々頑張りました。 キャラクターも

        • もちの日記

          ほに。頭の中をからにして、ほに。突然箱が空いて今までと違う場所に出た。様子を見ようと奥でぷるぷるしていると箱が傾けられ外に滑り落ちた。違う匂いがする。二足で立って辺りを見回す。床はしゃわしゃわしている。向こうのほうから人の匂いがする。進んでみると透明な壁があって行き止まり。ぺろぺろかりかりしてみたけどびくともしない。しゃわしゃわを掘って潜ってみるとそこにも壁があった。石とも違う。つるつるしたゆか。とてもあったかい。なんだか眠くなったので小さく丸まって寝た。起きると外からご飯の

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          ちびねずみ "開いて見てね"

          ちびねずみ "開いて見てね"

          ふわふわの日記

          スーパーの野菜売り場。赤いトマト。緑のピーマン。黄色いバナナ。黒いアボカド。色とりどりの野菜が並んでいる。よく見ると1つ1つに違いがある。それを眺めながら献立を考える。今日気に入ったのはやわらかそうなブロッコリーと熟れたふにょふにょアボカド。ゆで卵とチリソースを合わせてパンに乗せたら美味しそう。カゴに入れてレジに並ぶ。週末だから混んでる。道いっぱいにレジ待ちがいると、いつも皆は私を通り抜けていく。私がふわふわだからっていい気はしない。心の中ではムッとしているけど、顔がないから

          ふわふわの日記

          スプーン曲げの日記

          昼過ぎ。畑の様子を見に行く。よく晴れた日を浴びて大根の葉がきらきらしている。もうすぐ収穫日だ。スプリンクラーの蛇口をひねり水をあげる。大根達はさわさわしている。 ひと通り畑を見たらベンチで昼食にする。このベンチは近所のバス停が廃停になるとき市役所の人から貰った。緑の横長椅子。大きくて色々と荷物も置けてお気に入りだ。今日のご飯はジャンバラヤ。うちで作ったケッチャップを使っている。甘みの強いケチャップご飯にチリソースの辛味が合わさって食が進む。ジャンバラヤはフライパンひとつで作

          スプーン曲げの日記

          嘘の日記:あたり

          会社帰り、電車に乗っていたら急にトイレに行きたくなった。残りの二駅が長く感じる。やっと東陽町、あと一駅。5分くらいかな。ループする冷麺の広告を無心で眺める。窓の外にブルガリアヨーグルトの屋上看板が見えた。そろそろだ。ドアの前にそろりと移動する。やっと浦安のアナウンス。ドアが開くのと同時にエスカレーターへ向かう。急がず慎重に。でも早めに。 トイレに入ると丁度1箇所空いていた。心の中で思わず何かにお礼を言った。多分そう言うのをまとめて管理している神様。中に座って一息ついて拭こう

          嘘の日記:あたり

          車掌さんの日記

          00:40。今日最後の運転が終わった。運転を終えた電車はそのまま車庫へ運ぶ。途中、大手町で電車を止めホーム下から蟹を拾う。車庫に着いたら車内を一周し、異常がないのを確認。電車を降りて宿舎へ向かう。自室のドアを開けると同期の中田さんと飯田が鍋を囲んでいた。ずいぶん気が早い。2人は私の持つカゴいっぱいの蟹を見ると踊りながらやって来て、カゴを受け取り下拵えを始めた。私は上着と靴下を脱いで鍋のあるコタツに入る。蟹を捌く飯田の小気味良い音が部屋に響く。さすが元寿司屋の息子だ。しばらく中

          車掌さんの日記

          幼稚園生の日記

          朝起きたら布団が全部ベットの下に落ちていた。一緒に寝ていたはずのプーさんが見当たらない。赤ちゃんのプーさん。哺乳瓶を持っている。おしりのポケットに十円玉を入れていたら何故かお母さんにすごく怒られた。それが悔しくて立ったまま泣いた。そんな思い出もある大事なベビープーが居なくなってしまった。お父さんの足の下にも、お母さんの布団の中にも、ベットの下にも見当たらない。寝室を出てリビングに向かう。廊下の隅にもトイレにも居ない。猫太郎の家を覗く。暗くてよく見えない。寝ている猫太郎を引っ張

          幼稚園生の日記

          嘘の日記:履歴

          土曜日の5時。海へ向かう準備をする。お湯を沸かし、魔法瓶に紅茶を淹れ、冷蔵庫から昨晩作ったチョコバナナを取り出しタッパーに入れる。縦17cm横4cm。バナナ一本に丁度いい大きさ。軍手、桶樽、折りたたみ椅子をアウトドアワゴンに入れ、車に積み込む。海までは15分くらい。早朝の駐車場にはほとんど車がない。エンジンを切り鍵を締め、ワゴンを引いて浜辺へ歩く。波打ち際から6mくらい、椅子を広げて朝ごはんを食べる。あったかい紅茶と甘くて少しひんやりしたチョコバナナがお腹に優しく入る。お腹が

          嘘の日記:履歴

          もちはご飯を隠し持っているので気をつけてください。気をつけないとおやつをたくさんあげることになります。

          もちはご飯を隠し持っているので気をつけてください。気をつけないとおやつをたくさんあげることになります。

          真夜中のクレープ

          深夜02:34。テレビは昼間の特番ばっかり。外さずにいたコンタクトのせいで目がしばしばする。明日は休み。夜更かしできる。お風呂はまだ入っていない。眠気と目の乾きが行動を鈍らせる。全部の行動が面倒で携帯やテレビを横目で見る。お腹が減った。でも料理も面倒だ。何か手早く簡単なものがないかキッチンを探す。クレープの粉があった。キャベツや豚肉を見ても手は動かなかったけど、これは少しわくわくする。クレープ作ろ。 箱の裏の分量を見る。ボウルに粉と牛乳と卵を入れて混ぜる。それを焼くだけ。簡

          真夜中のクレープ

          紅茶を飲みながらギンビスの『チョコがしみこんだアスパラガスビスケット』のパッケージ裏に書いてある●ギンビス独自の含浸製法で、チョコレートを中までしみ込ませたミニアスパラガスビスケットです。って説明に感心できる状態のことを幸せと呼ぶことにします。

          紅茶を飲みながらギンビスの『チョコがしみこんだアスパラガスビスケット』のパッケージ裏に書いてある●ギンビス独自の含浸製法で、チョコレートを中までしみ込ませたミニアスパラガスビスケットです。って説明に感心できる状態のことを幸せと呼ぶことにします。

          嘘の日記:散歩

          最近散歩にはまっている。在宅が増えて腰が痛くなったから、散歩で運動不足を解消しようという魂胆だ。私の家の周りは団地が沢山ある。どれも11階建てくらいの大きな団地。私はそこに勝手に入って手すりから下を眺めたり周りの建物を見るのが好きだ。 広告撮影のお弁当を手配した仕事終わり、いつものように団地へ向かった。今日はチューリップ棟を登る。近所の団地は壁に花の絵が描いてある。それで棟を分類しているのだ。かわいいね。ノスタルジーで怖くもあるけど。登るときエレベーターは3階くらいまでしか

          嘘の日記:散歩

          嘘の日記:ケーキ

          朝10時、水槽のブクブクの音で目が覚めた。昨日寝室の扉を閉め忘れてうるさかった。寝たのは3時頃でまだ少し眠いけど、二度寝するのもおっくうだからそのまま起きる事にした。キッチンでミキサーの器を取り出して牛乳を注ぐ。そこにバナナをもぎって入れて氷と蜂蜜も入れる。30秒くらいガーッとやるとバナナジュースの完成。冷えてて甘いのが寝起きの喉をこしこし通り過ぎていく。底の方はバナナの種があってあんまり美味しくないから少し残す。もったいないお化けに見つからないうちに水で流してシンクに置いて

          嘘の日記:ケーキ