休業中に見つめ直した和酒bar Taeコンセプト

和酒bar Taeは、先日2021年4月10日で12年めに入りました。
この休業期間に、今後の店のことを考え、そもそも私は何がしたくて店を営んでいるのか、という原点を見つめ直しました。
興味ある講習会に参加したり、気になるお店に行ったり、尊敬する方のお話を聞いたり、インプットして気持ちは徐々に固まっていきました。その間つらつら考えたことなど、noteに書いてみました。
お恥ずかしいですが、よろしかったら読んでみてください🙇‍♀️

揺らがず常に根底にある想いは、本当に微力ながら店を通して日本の伝統飲食文化を守っていきたいという気持ちです。
全国各地の豊かな風土に根づいた独特の風味と旨みあるお酒を、日本人が受け継いできた季節を愛でる旬菜と共に味わい、お楽しみ頂きたい❣️やはり、それが変わらぬ和酒bar Taeのコンセプトです。

その上で、お家飲みが推奨される今、お店で飲食して頂く価値とは何なのかを考えました。
店で美味しく楽しんで頂くのは当然ですが、貴重な時間を店でなければ味わえない意味あるものにして頂くことが大切だと思います。

先ず、和酒bar Taeは酒蔵の代弁者になるべく努力し、お客様が蔵の想いを知りながら飲んで頂けるようにしたいと思っています。また、私が勉強を続けているお酒の知識が少しでも楽しむお役に立てばと思います。
そして更に
社会的な意味も大切なことです。
私はslow food三浦半島のメンバーで、生産者さん達と関わる機会があります。そこから食について感じることが多々あります。
いま最前線で活躍しているトップシェフたちが取り組んでいることのひとつに、フードロスやサスティナビリティといった“食の未来”を守ろうとする活動があります。
レベルは違えど飲食業界の末席にいる当店も、是非お客様と共に貢献したいと考えています。

海外でも高く評価される日本酒・焼酎の酒造り、その技術は日本の財産です。
そして、日本人の伝統的食文化として「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことは民族の誇りです。
日本酒、焼酎、和食、これらの伝統を守るとは持続可能にしていくことです。つまりサスティナビリティです。
今やっと世の中がSDGs(エス・ディー・ジーズ持続可能な開発目標)と言い出しましたが、大げさなことではなく、身近な食の選択から貢献できます。
早い安い食べ物を否定するわけではありません。それも便利で必要だと思います。
でも、脈々と受け継がれた各酒蔵のお酒を飲んで頂き、伝統的製法で懸命に造られた調味料を使って真面目に頑張っている無農薬農家さんなどの生産者さん達からの食材によるお料理を、召し上がって頂くことによって、お客様にも「日本飲食の未来」のサスティナビリティを応援して頂けると考えています。
もちろん、お家で取り寄せて楽しんで頂くこともそうですが、店では、酒蔵や生産者さんのSTORYをお伝えすることができます。家で揃えるのは大変でも、店で酒蔵や生産者さんの想いを知り感じながら、味わい楽しんで頂くことで、日本伝統飲食文化のサスティナビリティに貢献して頂けるなんて、素晴らしいことだと思うのです。

また、もうひとつ大事なテーマはエネルギーです。

和酒bar Taeは電気をCO2ゼロの自然エネルギー100%のハチドリ電力に変えることにしました。
コロナ禍で私達が思い知ったのは、日本のことだけでなく、地球のことを考えなければ暮らしは持続出来ないということです。
当店を利用して頂くことでお客様は、ハチドリ電力が取り組む地球温暖化の解決へ貢献し、自然エネルギー発電所建設、更に社会貢献活動への寄付の一翼を担って頂くことが出来るのです。
それって、素敵なことだと思いました。

振り返って思い返せば12年前、以前は当店の場所にあった美濃松のママが閉店すると言うので、茶懐石や会席をかじっていた私は、無謀にも開店しました😆

いろいろお料理を出したくてメニューを増やすもオペレーションが回らない❗️美味しいと言ってもらえるけど遅い、遅すぎる❗️😭
日本語教師をしていて飲食の経験が無かった私は日々パニックでした。
自分が忙しいのは構わないのですが、お客様をお待たせするのが辛くて💦それでも頑張って沢山のお客様にいらして頂きました。
そして私は日本酒を本格的に勉強し始め種類がどんどん増えて〜〜
遂に6年前に改装して和酒barスタイルになりました。
しかし、やはりお酒は楽しむ料理あってこそです。
再度お料理に力を入れて参ります❗️
でも今度は、お待たせしない形にしたいと思います。

実は開業以前から食への関心は高く、子供達が小さい頃から無農薬無添加の食材が欲しくて生活クラブ生協等々ご近所さんと共同購入したりしていました。
しかし当時は、有機食は今ほどメジャーでなく、夫の両親と4人の子供達、そして新聞記者現役時代は健啖家だった夫と私の8人家族には高過ぎました。そこで私はオゾン殺菌の装置を買い、安い食材を自分でブクブクして農薬や添加物を除去していました😆
長い月日を経て、娘が今は日本代表をしているイタリアslow food協会の食科学大学大学院を卒業した頃から私もslow food Nipponに参加し、日本の様々な生産者さんと触れ合う機会が増え、食への想いが更に増してきました。

日本酒は究極のslow foodと言えます。世界で最も手間をかけて醸造するお酒です。焼酎も次に続きます。全国各地で生産されるようになった和クラフトビールも日本人らしく細やかな心遣いで造られています。
そのお酒たちと味わって頂くお料理は、共に美味しさを高め合う存在でありたいものです。
その意味から、再開にあたり食材と調味料に極力こだわります。

まずお出汁は、築地の節高さんに選んでもらった昆布と鰹節で。
お醤油は、津久井在来大豆100%木樽熟成「いづみ橋の丸大豆醤油」(梶田商店)
お酢は、国内産の有機栽培米のみから静置醗酵で醸造する「老梅 有機純米酢」
味醂は、原料米100%国産で麹づくりは手作業、加熱処理をしない生詰めのみりん「一子相傳 小笠原味淋」
塩は、いろいろ試して完全天日塩の「土佐あまみ塩」です。
それぞれの調味料は、決して安くはありません。でも本当に真面目に伝統的な製法を守り懸命に造っている珠玉の調味料で、日本酒の酒蔵と同じです。
そして無農薬野菜は、三浦のSHO FARMさん、ブロ雅さん等から。
魚介類は豊洲の目利き魚屋さんに新鮮な魚介類を送ってもらったり、ともかく新鮮なものを探します。
鶏肉は、富士山・南アルプス連峰の大自然の中でストレスを与えることなく飼育されている「信玄鶏」そして時には「湘南シャモ」も。
その他にも信頼できるお肉屋さんに豚肉、牛肉も最善のものを選んで頂きます。
生産者さんが丹精込めて作った大切な食材を、皆様に楽しんで頂けるように真心込めて料理させて頂きます。
毎日ちゃんと出汁をひく。
毎日ちゃんと糠漬けを漬ける。
食材の旨みを引き出し無駄なく使い切る努力をする。
自分自身が四季の移り変わりを楽しみながら、当たり前の原点に立って頑張ります。

再開後の新しい具体的なメニューは、追ってまたfacebookでお知らせをさせて頂きます。

進化する和酒bar Tae、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。🙇‍♀️

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