除霊
この話は３年前にあった話。
私は夏季休暇をもらい、地元の友人である”信也”と遊ぶために連絡をした。
「ひさしぶり！この日、遊べる？」
「結婚したばっかだし、今嫁さんが大変なんだよね。」
と断られた。
奥さんの”彩”は私も知り合いだったから
「なにかあったの？？」
と聞くと
「実は、一週間前除霊したんだよ。そこから少し疲れ気味なんだよね。」
「除霊！？なんで！？」
と驚いたことを今でも覚えている。
なぜ、そんなことが起きたのか詳しく聞いた。
ことが起きた前日の夜、信也は麻雀に行っていた。
その時、彩は家にいたそうだ。
彩はものすごく寂しがりやで、少しでも連絡が遅かったり、家に帰ってくるのが遅くなると心配になってしまう女の子だ。
信也はこの日も帰りが遅かったそうだ。深夜の2時過ぎに家に到着。部屋は真っ暗。さすがに寝てるかと寝室に行くと彩の姿がない。部屋中探してもいない。
そして、電話をしても繋がらない。
「終わった。振られた…。」ものすごく落ち込んだそうだ。
そして夜が明け朝になり玄関のほうから
ガチャ
”彩だ！”
玄関に走っていくと、彩はいるがなぜか友達夫婦までいる。
「なんでお前たちがいるの？」
「彩から寂しいから遊ぼって連絡があったのよ！しんちゃんの帰りが遅いから！」
とお叱りを受けた。
謝っていると、友人夫婦の隆がこういった。
「彩ちゃんに生霊がついてる。」
隆には霊が見える力がある。しかも、見えるだけではなく除霊まで。
隆曰く、彩についていた生霊は厄介なやつだったそうだ。
すぐに除霊をするために、広い部屋に運んだ。
ちなみにこの時、彩はお酒も飲んでいないのにまるで酔っている状態だった。
そして、除霊開始。隆が付けていた数珠を彩に付ける。そしてお経を唱えると彩の身体はびくびく動いている。まるでお経を聞くのを嫌がっているかのように。
そして驚くべきは、ぶつぶつと小さな声で
「ぃやだ…いやだ…」と言っていたそうだ。
そして除霊が終わった途端、彩はぐっすり眠ってしまった。
信「これって、大丈夫なのか？」
隆「とりあえずは、大丈夫だよ。ただ、あの生霊は根が強いからまた来るよ。」
信「一体、どこの誰だよ、生霊は！」
隆「俺が見えたのは、左の腕全体に刺青が入っていたよ。」
信也はそれを聞いて思い出したそうだ。
彩の前の彼氏は半グレをしていた男。その、男は彩に対してDVをしていたそうだ。さらに、噂によれば薬もしていたそうで、少し頭もおかしかったそうだ。
さらに隆からは
「この生霊の怨念は強いからちゃんと除霊したほうがいい。あと引っ越しも早くしな。」
といわれたそうだ。
「なんで引っ越し？」
と聞くと
「あんまり言いたくはないけど、8月いっぱいまでに引っ越ししないと二人の命危ないかも。そいつがここにまだ住んでいることを知っているから、最悪の場合来るかもしれない。」
と恐ろしいことを言われたそうだ。
それもそのはず。
男はいまだに、元カノである彩のことが大好きだ。
インスタのストーリーで、思い出を振り返ったエピソードをめちゃくちゃ投稿しているらしい。
時には、今付き合っている男を懲らしめるなど、脅迫のような文章もあったそうだ。
そんなことを受け二人は引っ越し決断。
隆にも協力をしてもらい、いい場所をみつけたそうだ。
引っ越し後は、生霊が寄ってくる気配もなく、家の間取り場所どれも快適らしい。
本当によかった。
ただ、隆から信也に一言ささやいたそうだ。
隆「お前さ、最近なんかあった？」
信「え？何が？」
隆「いや、彩ちゃん以外の女の子と遊んだんじゃないのかな？と思って！」
信也は焦りを隠せなかった。
隆に、正直に遊んでしまったことを話したらしい。
信「絶対にゆうなよ？そんなの冗談でも言われたら終わりだからな？でもなんでわかった？」
隆「だってお前にその女の生霊がついてるのに。」
信也についていた、生霊の女性は除霊をしてもなかなか取れない強い生霊だったそうです。
二人は現在結婚をして、子供もできて幸せに暮らしています。
しかし、信也はたまに別の女の子と遊びたくなるそうです。
まだ、背中についている女の生霊のせいなのかもしれませんね。
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