歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』(グルック)

いらっしゃいませ。

ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。


さて、"本日のオススメ"は、グルック作曲の歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』です。(数字は18-66。名曲解説全集第18巻P66)


クリストフ・ヴィリバルト・グルック先生。1714年-1787年(73歳)の、ドイツ生まれの作曲家ですね。

なんと、C.P.E.バッハ先生(前回の登場はコチラ)と同い年生まれです。


貴族に仕える家に生まれボヘミア各地を転々としたのち、18歳、プラハで音楽と哲学を学びに。23歳頃にはミラノに行き、オペラの作曲を学び、27歳頃には最初のオペラ『アルタセルセ』を上演。以後5年間で少なくとも8本のオペラを上演したらしい。

31歳頃にはロンドンを訪れ、各地をまわりましたが、ウィーンに落ち着き、作曲家としての地位を固めていきました。

40歳頃には宮廷音楽監督に就任。47歳頃に、本日のオペラ『オルフェオとエウリディーチェ』の台本作家に出会い、翌年にはそれまでとの様式とは違う、画期的なオペラが発表されました。

この時代に、オペラの改革が、グルック先生により行われていたんですね。グルック先生は、作品で有名というより(本日の曲を除いて)、この改革を行った人として重要な人物なのだそうです。


より劇を重視する。


チェンバロによるレシタティーヴォを管弦楽伴奏に変え、二つの明確に相違する音色をもつ歌劇の流れを同質の音色で一貫するようにする。


流れとしてはワーグナー先生に通ずる先駆者なのだそうで。

様々な国を渡り歩いていたグルック先生、どの国でも受け入れられる作品を作りたかった。

良いじゃないですか!


《あらすじ》

登場人物は、基本的には3人です。

エウリディーチェ
オルフェオ
愛の神アモーレ
その他=合唱


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オルフェオの妻、エウリディーチェの墓の前。

なんと、結婚式の日に、妻は毒蛇に噛まれて、亡くなっています。

オルフェオはあまりにも嘆き、ゼウスらは、黄泉の国へ妻を取り戻す事を許し、いざ黄泉の国へ。

愛の神アモーレは、戻ってくるまで妻の顔を見てはならない、そしてその理由を伝えてもいかねい、という条件を出します。

無事に迎えに行ったオルフェオは、エウリディーチェを無事に迎え、戻り始めます。ただ、自分のほうを見ようとしないオルフェオに不審を抱き、ついて行くことをやめてしまう。

絶望したオルフェオは、とうとう振り返って妻の顔を見てしまいます。するとエウリディーチェは倒れて息途絶えてしまいます。

いよいよ絶望したオルフェオは自殺を決意しますが、愛の神アモーレが現れ、真実の愛が確かめられたことに対し、許しを得、エウリディーチェは生き返ります。

愛の神に皆が感謝し称え、幕を閉じます。

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版がいくつかあるようです。

今回聞いているのが、カラヤン/ウィーン・フィルの録音ですが、かなりオーケストレーションがしっかりしていて、ある程度の重みを感じます。どの版なのかはわかりません。。


オペラといえば確かにオペラですが、アリア・合唱が多めな劇付随音楽っぽくも感じます。

音だけでも、大変、劇を感じます。

今回は音のみでしたが、舞台の映像も見られたらもう少し違う印象かもしれません。


モーツァルト先生は、この作品が生まれた翌年に生まれている、そんな前後関係です。

いやー、グルック先生、スゴいです。


グルック先生の改革は、間違いなく偉大であった、と、心から言えますね。



本日の音源は、上述の通り、カラヤン/ウィーン・フィル(1959年)の演奏を聞きながら書き進めてきました。



本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。

またのお越しをお待ちしております。

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