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交響曲第4番「不滅」(ニールセン)

いらっしゃいませ。

ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。


さて、"本日のオススメ"は、ニールセン作曲の『交響曲第4番「不滅」』です。(数字は2-273。名曲解説全集第2巻P272)


カール・ニールセン先生。1865年-1931年(66歳)の、デンマークの作曲家ですね。


シベリウス先生と同じ年の生まれです。


父は歩兵連隊のトランペット奏者で、14人兄妹の1人として生まれ、ピアノやヴァイオリン、トランペットを学び、14歳でビューグルとアルトトロンボーン奏者として、軍楽隊へ入隊しました。


19歳ころには、デンマーク音楽アカデミーに入学し、ヴァイオリンと作曲を学びます。卒業後の23歳の時には、作品番号1となる『弦楽合奏のための小組曲』を発表。

ヴァイオリニストとして充分な技術を身に付けていたため、24歳のころにはデンマーク王立楽団のヴァイオリン奏者となります。当時指揮者を務めていたスヴェンセン先生が引退すると、40歳ころから49歳ころには、副指揮者として公式に任命され活動をします。

49歳ころから61歳ころまでは、音楽協会管弦楽団で指揮を振り、その間の51歳ころにはデンマーク音楽アカデミーの教授に就任し、晩年は学長にもなります。

同じ51歳ころには、本日の曲『交響曲第4番「不滅」』を作曲しました。


29歳ころに発表した交響曲第1番は、のちに成功を収め、ニールセン先生の地歩を固めることになります。


ニールセン先生は、国内では国民の象徴的存在で、貨幣の肖像にもなりました。すごい方です。


そんな先生は、交響曲第3番までと、本日の曲である交響曲第4番以降は、大きく変わり、先生独自の作曲法で作られるようになりました。


本日の曲は、『交響曲第4番「不滅」』です。

第3番までは、何調との表記がありますが、4番以降は表記がなくなります。和声は基本的には調性的ですが、複数の調を対立させ、最終的には勝利を収めた調で曲が終わります。無調とか複調ということではなく、基本的には長調・短調で構成されていますが、教会旋法なども応用したりするなど、先生独自の音楽が形成されていきました。

ちなみに、単楽章の構成です。

が、完全に融合したものではなく、4つの楽章の要素が、順次ブリッジの役割を果たすフレーズによって、切れ目なく移行していきます。


ニールセン先生の音楽は、なんとも不思議な感じなんです。

それまでの古典音楽とは違いますが、新しい音楽ほどでもない。

調性感があるのに、ちょっと型にはまっていない感じ、でしょうか。


そのため、大変聞きやすい。

わかりやすいフィナーレ感。

いいじゃないですか。


サブタイトルになっている「不滅」については、先生自身が指定したものです。先生曰く、表題ではなく曲の内容の暗示とのこと。


ほぅ。


確かに、不滅かもしれません。

そんな前向きな感じがします。


本日の音源は、加納 剛さんのチャンネルを視聴しながら書き進めてきました。ありがとうございます。


本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。

またのお越しをお待ちしております。

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