路地裏英語塾(1)

皆さま、長らくお待たせいたしました。皆さま待望の「路地裏英語塾」いよいよ本格始動です。

英語講師の「チャーリー羽目」と英語オタクの「おっちゃん」とが、チャーリーが先生役でおっちゃんが生徒役という役回りで掛け合いをしながら、TOEIC点数を上げるための英語の勉強をしていきます。

チャーリー羽目 「何から始めようか?」

おっちゃん 「何から始めようか?ってTOEICの点数上げるんならそりゃ文法とちゃうん?」

チャーリー羽目 「・・あのね、それじゃ範囲が広すぎるでしょ・・おっちゃんは文法の中で何がいちばん自信ないの?」

おっちゃん 「ぜんぶ自信ある!(キリッ)」

チャーリー羽目 「・・・(-_-)」

おっちゃん 「あ。マジでそんなに機嫌悪くならなくても・・。では基本中の基本である名詞からお願いします」

チャーリー羽目 「素直でよろしい。では可算名詞に不可算名詞に抽象名詞に、可算名詞は単数と複数、そうだ、それにくっつく定冠詞と冠詞と・・」

おっちゃん 「・・ちょっと待たんかい。そんなもんはおっちゃんかて中学高校で習っとるんやわ。成績も5をもらったもんねー。チャーリーさん、おっちゃんを舐めたらあきまへんのやで」

チャーリー羽目 「ほほう。言ったな。ではおっちゃんの飲食店での経験をベースに次の英文を訳してみてよ」

【設問1】

あの店の店員はみんなフレンドリーです。

【おっちゃんの解答1】

All staffs in that shop are friendly.

チャーリー羽目 「ふ・・」

おっちゃん 「なにがおかしい!」

チャーリー羽目 「・・おっちゃん文法を勉強したっていうけど名詞の基本もできてないみたい」

おっちゃん 「どこが?」

チャーリー羽目 「全部!じゃあ、まず解答を見せるね」

【チャーリーの解答1】

The staff in that shop are all friendly.

おっちゃん 「え?”staffs”でsをつけて複数にするんとちゃうの?」

チャーリー羽目 「は!これは集合名詞ってやつなの!以下に説明するからちゃんと聞いて」

【チャーリーの説明1-1】

ひとの集団を表すstaffという語は「集合名詞」である。集合名詞はあるときは単数として扱ったり、またあるときは複数として取り扱うなど、日本人にとってはわかりづらい分野のひとつである。TOEICで好んで出題される。

見極めのポイントは、集合名詞で表される集団の「ひとりひとりの個性に言及」する場合は、それぞれの集団メンバーが集まったものとして「複数扱い」になることである。そのいっぽうで、集合名詞で表される集団を「ひとつの塊」としてみる場合は「単数扱い」。たとえば「あの店ではたくさんの店員が働いている」という場合は、「ひとりひとりの個性に言及」するのではないから「単数扱い」。つまり、that shop has a large staffとなる。ところが、本設問の中での「あの店の店員がフレンドリー」というのは「ひとりひとりの個性に言及」する場合だから、the staff in that shop are…と複数扱いとする。

おっちゃん 「ううむ。奥が深いのぅ。個性に着目するのか。単数扱いにしたり複数扱いにしたりするんや。意味はわかったで。で、なんで”the” staffというふうに頭に”the”が付いてんねやろ。学校では『一回出てきた名詞には”the”をつける』と習ったんやけど設問の場合はちゃうやんか」

チャーリー羽目 「いいところに気づいたね。実はそれが冠詞の世界の入口に立ったということ。おっちゃん、次の説明を読んでみてよ」

【チャーリーの説明1-2】

本文でthe staffとtheをつけているのは、「あの店の店員」というように話者がその店員を限定して了解してくれることを前提としている(あるいは既知のものとして相手がそのことをあらかじめ了解している)からである(そうでないと会話が成り立たない)。もしもただのStaff in the shopとなっていると、聞き手や読み手は、店員について情報不足のため「?」となってしまうだろう。設問の文章では使ってはいけない。

文中のallはあってもなくてもよいが、allを動詞の前に使った方が英語らしい表現になると思う。なお、a staffとかstaffsというと「杖」という意味で使われることが多い。これもついでに憶えておこう。なお例外として大組織の中のいくつかの集団のスタッフをさす場合にはstaffsとなることもあるようだ。

おっちゃん 「”the”は学校で習ったようにそんなに簡単なものとちゃうんや。ここはもうちょっと勉強する必要がありそう」

チャーリー羽目 「じゃあこういう感じで続けてみる?」

おっちゃん 「ぜひぜひ」

チャーリー羽目 「それでは早速、次回の宿題ね」

おっちゃん 「え?宿題あるん?」

チャーリー羽目 「ある!では、次回は宿題の解説からスタートします」

【設問2】

(1)このレストランにはたくさんのスタッフがいます。

(2)このレストランのスタッフは業績優秀として表彰されました。

  *たくさんのスタッフ=large staff

  *業績優秀で表彰される=be rewarded for good performance

おっちゃん 「しかも2問も」

チャーリー羽目 「2問あるってことは当然それなりの意図があるの。黙ってやりなさい!」

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