路地裏英語塾(93)腕
【設問93】
次の文章を英訳しなさい("the"の使い方に注意する)。
(1) 医者は脈を取るために、わたしの腕をとりました。
(2) 佐藤さんは彼女の腕をとって、行かないでと頼みました。
おっちゃん「腕をとる・・の問題やな」
チャーリー「ぜんぜんちゃうで」
おっちゃん「え?」
【おっちゃんの解答】
(1) A doctor took an arm to take (check) her pulse.
(2) Sato-san took her arm and asked her not to leave.
【チャーリーの解答】
(1) The doctor took the arm to take (check) her pulse.
(2) Sato-san took her by the arm and begged (asked) her not to leave.
おっちゃん「何ですのんこれ?」
チャーリー「それはワイのセリフやわ」
【チャーリーの解説】
設問の(1)の「医者」は"the doctor"と"the"をつける。自分が診察を受けている特定の"doctor"だから。
次に設問(1)と(2)の「腕」は"the arm"とする。"an arm"ではダメ。もしも"an arm"としてしまうと「誰の腕でも良かったが、何でもいいからとにかく手近にあった腕一本」という意味。「誰のものでもない自分の2本の腕のうち脈を取る腕」と特定するために"the arm"という。
さて、(1)と(2)との違いは、"the arm"の使い方である。同じく「腕を取る」なのに英文の表現が違うのはなぜだろうか。特に設問(2)は日本人が苦手とする表現なのでここで整理しておこう。
論点を整理する。まず、設問(1)の目的は「腕をとること」であり、設問(2)の目的は「彼女を行かせないこと」であって「彼女の腕をとること」ではない。
従って、(2)の場合の"took"という動詞の「目的語」は「彼女の腕」ではなく「彼女そのもの」である。そのような場合、「身体のある部分」を示すときには、"by the 〜(身体の部分)"という表現を使う。これは定型句として覚えましょう。もちろん、"the"をつけるのは、身体の他の部分、たとえば、頭や脚や胸などと区別するからである。
なお、解答では、"ask" でもいいけれど、"beg"を使ってみた。「懇願する」という意味を込めたかったからである。「ひとに何かを頼む」というときに使う単語をまとめておいた。使い方の違いを必ず、辞書で確認しておくこと。
・ask
・beg
・invite
・beseech
・press
・solicit
・supplicate
・woo
例文が、もし次のようなものであったときの情景を想像してほしい。
Sato-san took her by the leg and begged her not to leave.
「脚にすがりついて」という感じがよく出ている。
おっちゃん「深いのう」
チャーリー「あんた、最近そればっかりゆうてるな」
おっちゃん「あのさ。腕って2本あるやん?1本の腕ともう1本の腕やん。それは何て表現するん?指もそうやん?一本の指とそれ以外の指・・」
チャーリー「お!ごっつうええことに気づいたやん?」
おっちゃん「ワイもやるときはやるんやで」
チャーリー「わはは。ほんならそれを宿題にしたろ」
おっちゃん「え?」
【設問94】
次の文章を英訳しなさい。ヒントとして、other(s)やthe other(s)やanotherの使い方に注意すること。
(1) わたしは2本のペンを持っています。1本は赤色で残りは青色です。
(2) わたしは3本のペンを持っています。1本は赤色で残りは青色です。
(3) わたしは3本のペンを持っています。1本は赤色で1本は青色で残りは緑色です。
(4) わたしは4本のペンを持っています。1本は赤色で1本は青色で残りは緑色です。
(5) わたしは10本のペンを持っています。1本は赤色で1本は青色で残りの中に緑色のペンが何本かあります。
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