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【検証】宅建試験でエッチが絶妙のタイミングで出題される件

とくに宅建業法(問26〜問45)ですかね。
問題での状況設定によりますけど、やたらと登場人物が多くなることがあります。
最新の令和5年の宅建試験だと【問28】ですね。
Aからはじまって総勢10人。
最後はJ。
途中でHも登場ですが、このHのタイミングがまさに絶妙。
ではみなさんと、令和5年の【問28】はどんなエッチだったか、検証してみましょう。
そして後半は甦るエッチ。
昭和62年の【問3】でのエッチです。


1.令和5年の【問28】はどんなエッチだったか

では問題を再現してみましょう。

【問28】宅地建物取引業者Aの業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に違反するものはいくつあるか。

ア Aの従業員Bが、Cが所有する戸建住宅の買取りを目的とした訪問勧誘をCに対して行ったところ、Cから「契約の意思がないので今後勧誘に来ないでほしい」と言われたことから、後日、Aは、別の従業員Dに同じ目的で訪問勧誘を行わせて、当該勧誘を継続した。

イ Aの従業員Eは、Fが所有する戸建住宅の買取りを目的とした電話勧誘をFに対して行った際に、不実のことと認識しながら「今後5年以内にこの一帯は再開発されるので、急いで売却した方がよい。」と説明した。

ウ Aの従業員Gは、が所有する戸建住宅の買取りを目的とした電話勧誘をHに対して行おうと考え、23時頃にHの自宅に電話をかけ、勧誘を行い、Hの私生活の平穏を害し、を困惑させた。

エ Aは、Jとの間でJが所有する戸建住宅を買い取る売買契約を締結し、法第37条の規定に基づく書面をJに交付したが、Aの宅地建物取引士に、当該書面に記名のみさせ、押印させることを省略した。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

正解:3
〈総論〉人口減で経済全体が縮小する時代なのに「ボケこらノルマだ。前年比10%アップだ。できなきゃクビだ死刑だ」なんてことをやってる会社だったら、ア〜ウみたいなこともやるわな。

ア:違反する
笑える。「戸建住宅の買取り」の波状攻撃。安く買い叩いて高値転売を目論む輩か。「契約の意思がないので今後勧誘に来ないでほしい」っていうんだから、別の従業員を仕向けたとしても、当該勧誘を継続しちゃダメでしょ。(47 条の2、施行規則16 条の11)

イ:違反する
買取業者の違反行為が続く。「不実のことと認識しながら」というリアリティがあってよい。断定的判断を提供したり不実のことを告げる行為は禁止。でもさ、所有者のFさん。「再開発されるので急いで売却」というEの話、変だと思いませんでしたか。再開発が決まってからの流れで売却したほうが立ち退き料もプラスみたいな感じで高く売れるんじゃねーか?(47 条の2、施行規則16 条の11)

ウ:違反する
買取業者に勤務しているG も必死だ。23 時頃に自宅に電話をかけて喜ばれること(例:あ、わたし、H。ちょうど寂しかったの♥)もあるかもしれんが、その夜H は困惑したのだ。「深夜又は長時間の勧誘その他の私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者(H)を困惑させること」は禁止だ。(47 条の2、施行規則16 条の11)

エ:違反しない
ここで出したか押印不要。37 条書面には宅地建物取引士の記名で足りる。押印は必要ない。でも違反業者の流れの中で出すから、さも違反っぽい。(37 条、P.170)

違反するものはア、イ、ウの「三つ」。選択肢3が正解となる。

2.「解説」の解説

まず総論で「ボケこらノルマだ。前年比10%アップだ。できなきゃクビだ死刑だ」を入れたのは、例のあの会社をおちょくってみようかと。
世間を騒がしたのが令和5年(2023年)の夏だから、来年はまだ皆さんこの騒動を覚えているかなと。
再来年の令和7年だと、ちょっと微妙だね。
なので、12月14日発売の2024年度「合格しようぜ!宅建士★過去15年問題集」の解説にだけ、この「クビだ死刑だ」のフレーズが入っているかも。

2024年版 合格しようぜ!宅建士 過去15年問題集 音声解説付き

この【問28】のおもしろいところは、宅地建物取引業者Aが買取業者だというところ。
アからエまで、全編そうだもんね。
通常の出題だと「悪質な売主業者が一般消費者を血みどろのカモにする」というパターンなんだけどな。
なので新鮮。
でも、記述のイが変だ。
このあたりは音声解説でもふれておきました、というか、思いっきりふざけておきましたのでおもしろいです。

そしておまたせしました。
エッチの登場です。
記述のウです。
23時頃に電話だ。
ぐふふ。
いい時間帯だー。
お風呂あがりかなー。

じつはですね、当初の解説文は『(例:あ、わたしH。ちょうど寂しかったの♥)』と「わたしH」とつなげていました。
初校→再校のゲラチェックまではこのまま。
でもね。
最後の最後、印刷会社に出稿して戻ってきた“色校”という段階で、あ、えーと、版元のみなさんすみません、この“色校”の段階で直しをいれるって、けっこうなヒンシュク行為なんですが、えーえーわかってますよ長年やっておりますからね、でもね、わかっていたのだが、強調しようと思って「、」を入れた。
なので、問題集(印刷物)には『(例:あ、わたし、H。ちょうど寂しかったの♥)』と「わたし」と「H」の間に、「、」が入ってます。
どうぞ「、」を味わってください。

3.よみがえるエッチ。昭和62年の【問3】

そんでね、平成元年に宅建講師稼業に足を踏み入れたワタクシがいちばん最初に出会ったエッチは昭和62年の【問3】だった。
昭和62年が「過去10年問題集」に収録されているころまでだから、平成10年くらいまでだったかな。
当時は某大手専門学校で『自称:宅建人気講師』を演じてましたので、もちろん授業中ワーキャー。
みんなも爆笑してくれて楽しかったです。
思い出の1問。
めちゃくちゃ鮮明に覚えてます。
なので、「宅建受験新報」で連載しているエッセイ『宅建探偵の心に残るあの過去問』でも書いてます。
2021年春号です。
『19歳のMちゃんのおかげで、暗黙の了解があっけなく崩壊した話』

2021年春号「宅建受験新報」『宅建探偵の心に残るあの過去問』

昭和62年での出題ですからまだ相続が改正される前です。
「非嫡出子」が平気で出題されていたころ。

どんな話かというと。
改正前の内容のままにしてあります。

【問3】Aが死亡し、相続が開始した。Aには、両親B、C、配偶者Dがおり、AとDとの間に子E、Fがいる。また、AとGとの間に非嫡出子Hがいる。廃除される者や欠格事由を有する者がいない場合、民法の規定によれば、以下の組合せのうち、すべての相続人を挙げているものはどれか。

1 D・E・F
2 D・E・F・H
3 D・E・F・G・H
4 B・C・D・E・F 

解答・解説
配偶者Dと子(E、F、H)が相続人となる。被相続人に子がいる場合、被相続人の直系尊属(両親B、C)は相続人とはならず、また、配偶者ではないGもおなじく相続人とはならない。

お気づきか。
配偶者ではないGとエッチしてHが生まれた。
あは〜\(^o^)/

で、受講生だった19歳(当時)のMちゃんがなにを質問してきたかというと・・・

「Aさんって男性ですか女性ですか?」
・・・は?

「Aさんが女性だったら配偶者のDさんって男性ですよね」
・・・あ、そうだけど、あれ?

お気づきか?

Aさんが産んだ、としたら嫡出推定。

なるほどですね。
この民法で規定していた古臭い「非嫡出子制度」は、つまり婚外子という感覚は、この問題でいえば「A」は男性だ、ということを暗黙の前提としているんですね。
っていうか、民法が施行されてから、つまり明治から、いやもっと前からかな、それが世の中の了解事項だった。

・・・というような話を書いてみました。

以上、今回は最新のエッチと、思い出のエッチでした。

銀座の日産。スカイラインGT。なつかしい〜\(^o^)/

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