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【観劇note#2】京都芸術大学 舞台芸術学科 ダンス公演『Change』

今回の作品はこちら

京都芸術大学 舞台芸術学科 2021年度3回生
総合演習・パフォーマンスⅢ
ダンス公演『Change』
@京都芸術劇場Studio21
振付・指導・監修:NAO/Naoki(STUDIO DANCE ALIVE)
総合演出:池田結愛
7月25日(日) 13:30回


私の卒業制作に出演してくれた子や、びわこホール舞台技術研修で一緒になった子が、出演していました。
この代の子たちとはたくさんご縁があります。

この作品は実は去年から10ヶ月ほど経てようやく日の目を見ることが出来た作品だそうです。
去年の春はまだ授業がオンラインだった為、対面授業が後期に再開されて半年遅れての発表になったとのことでした。

私は2020年3月に大学を卒業したため、コロナ禍中での大学生活をギリギリ経験しなかった者です。卒業式がコロナ対策であれこれあったくらい?
本当に今の大学生たちは、つらい日々を送っている事だと思います。
こうやって上演できることの喜びを1番感じている世代だと思います。
本当に良かったね。

さて、コロナ禍中で創作された作品だったということもあってか、やはりかなり「コロナ」を感じる演出が要所要所に散りばめられていました。

季節をモチーフにしたコロス(季節の精?のようなキャラクター)と、作品を通して鍵になる人物が何人か出てきます。
鍵になる人物たちだけはマスクを手にしている、もしくは着ける演出がありました。

彼らがそうする理由は、演出やストーリーを感じて気づいたのですが、伝えたい思いや心に抱えたモヤモヤがあるのに言葉にできないことを表しているのかなと思いました。
彼らが抱える苦しさはマスクをつけている息苦しさに繋がってだんだん息が詰まっていく。
とてもコロナ禍らしい演出だなぁと感じました。

季節のコロスたちもとても素敵なキャラクターだったなぁと思います。
春夏秋冬それぞれを表した衣装、振り付け、演出。
どのシーズンもとても魅力的で恐ろしくて、人間が制御出来ない「自然」を感じました。
また、2020年のコロナ禍の状況もそれぞれの季節に現れていた気がします。
夏頃に感染が急拡大し、冬頃から医療崩壊の話が出てくる。
そういう意味でも、とても“変化”があった1年なんだなと思いました。

ダンス公演としてとてもクオリティが高かったなと感じました。
制作期間が長かったことで生まれたものかもしれませんが、みんなしっかりヒップホップの体を作れていると感じました。

たまにあーと思ってしまうあるあるなのが、バレエ経験者は踊りを見ると(バレエやってる子だなー)と分かってしまうことがあります。別にそれはいいと思うのですが、ヒップホップの作品でその体の習慣が見えてしまうと若干違和感を感じなくもないです。
でも今回は、みんなそれがなかったなと思いました。単純に経験者が居なかったのかもしれないけど、、。ヒップホップを踊れてるという印象。

私がダンスの授業を取った時に習ったこと(そうじゃないかもしれない)で覚えているのが、ヒップホップは「腰」で踊るということ。肩とか足とか使うけど中心になるのはいつも腰。ということに感心した記憶があります。
今回の作品では、みんなそれが出来ていたように思いました。
最後のユニゾンとかめちゃめちゃかっこよかった。

コロナ禍前と渦中どちらも経験している代の子達だからこそ、この1,2年の変化にとても影響を受けている事だと思います。
その変化を普遍的な変化とそれぞれの気持ちや思いの変化どちらも捉えて、季節の移り変わりに乗せていく。ありそうで、今を生きている彼らしかできない事だなぁと思いました。

とにかく無事に公演が終わったこと、本当に嬉しいだろうなと思いました。私も後輩たちの勇姿を観られて嬉しかったです。
彼らのことはまたこれからも応援していきたい。

素敵な作品をありがとう!

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