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馬小屋香るビール

サワーエールは臭い。
そして臭いほど旨い。(個人の感想)

特にベルギーのランビックの匂いは、馬小屋や山羊の匂いに例えられる、一般的には不快な匂いに分類されるものである。

ワインにおいて馬小屋臭は、ボトルの汚染による二次発酵のオフフレーバとして忌避される。

しかし! ビール、特にエクストリームなビールの世界には、この馬小屋臭を喜ぶ変態が多数存在する! (観測範囲内で)

馬小屋臭をもたらすもの

馬小屋臭は、ベルギーはブラッセルに自生するブレタノマイセス(Brettanomyces lambicus / Brettanomyces bruxellensis)によってもたらされる。
この匂いが強ければ強いほど、サワーエールは旨いのだ! (あくまでも個人の感想)

ブレタノマイセス由来なのでブレット臭とも呼ばれる。

一部のサワーエールには乳酸発酵も用いられており、これはヨーグルトやカビの匂いをもたらす。
これはこれで良い。
ブレット臭と両方あるとなお良い。

もっとも臭いビール

知りうる限りでもっとも臭かったビールをひとつ紹介して終わろうと思う。

⚫️ドゥ・トロフ 2014 アウドゥ・クリーク De Troch 2014 Oude Kriek
伝統的な、スカルベーク種のさくらんぼを使ったクリークランビック。アメリカ向けに2014年にリバイバルした限定品。
馬小屋と山羊とすえた汗、濡れた段ボール、サワーチェリー、樽香、奥ゆかしいフルーティさ。複雑な臭さ。スワリングすると恐るべきブレット臭が弾ける。
超臭くて超旨い。

臭いビールなら、圧倒的にベルギーである。

あああー、臭いビールのストックがないー。

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