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苦味の単位に思うこと

(2018年9月11日加筆)
(2018年9月26日加筆)

IBUとEBU。
ビールを好んで飲む者にとっては非常に馴染みの深い、ビールの苦味(成分の多寡)を定量的に表す指標である。

ステージ2~3くらいの段階にあるビール廃人ならおそらく、IPAスゲーな頃であり、IBU/EBUを追いながらより苦いビールを求めている時期であり、体感からIBU/EBUが単純にビールの苦さを表していないことに薄々感づいている頃であろう。

より進んだ者は、IBUは論理値ゆえに、EBUはサンプル値ゆえに、そして感覚的な苦みは甘みによって相殺されたりするので、数値化された苦みが参考程度にしかならないことを理解しているであろう。

ビールの苦みはざっくり言って、
(1)ホップ
(2)一部の苦い酵母*1
(3)苦みを持つ副原料*2
のいずれかによって付与される。ほとんどは(1)ホップ由来だ。
論理値であるIBUは(1)ホップ由来のイソアルファ酸の量を計算して求める。
サンプル値であるEBUは、同じくイソアルファ酸を計るのだが、もし(2)(3)からイソアルファ酸がもたらされればそれもカウントされることになる。そんなケースがどれほどあるのかは調べてない。
*1 例えば、シメイなどベルギーのトラピストビールに使われているウェストマール酵母は苦い(渋い)
*2 例えば、ヘリオスのゴーヤードライにはゴーヤーが使われている

なおホップに含まれるアルファ酸は揮発成分だとかで、ホップを長く乾燥させると苦み成分が飛ぶらしい。ランビックにはわざと長期乾燥貯蔵したホップを使って、苦みを付けずに抗菌作用だけ利用するのだとか。

まあ何が言いたいかというと、ビール醸造は科学/化学でありロジカルなものだが、それを飲む人間の感じ方や楽しみ方はエモーショナルなものなので、数値ばっかり気にするのも程々に、ということなのだった。
(唐突にたたむ。)

さて、ビール飲むか。

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