今更はじめるPUBG(PC版)第5回「報告・連絡・相談」

 当たり前のことを言語化&知識ではなく考え方に近いので欠番にしてもいいかも?押し付ける意図はないことをあらかじめ付言しておきます。

▼前回


<大前提>

・タスクを分担すること自体は悪くない。大事なのは「常に味方の動きを意識し,自分の動きは伝えるように努めること。」
・伝えた側が「伝わったかどうかわからない」と困るので,了解する場合でも相槌はする。
・エイムやフィジカル同様に練度がある。自分個人の伝達能力もそうだし,チームとしての伝達面でもそれはある。
・伝える情報の取捨選択は必要。共有する必要のない情報や自分だけが把握してればいい情報もある。

Ⅰ.敵の位置の伝え方

①特徴的なオブジェクトやポジションの名前で伝える。

 「岩の裏」,「廃車の裏」,「赤色の建物の2階」,「トイレの中」,「スクールにいる」,「ポチ山にいる」,「この稜線にいる」のように具体的に示せるのが理想。しかし,これが適わない場合は次の②・③を駆使して伝えることになります。

②東西南北で伝える

 まず方角を判別する方法としては主に二つ。画面上部のコンパスとマップ画面です。まず画面上部に表示されるコンパスは自分を基準にして360度を示すものです。


【図1】
【図2】

 これで伝えられるのは(1)自分と味方の位置が近い,(2)自分と敵の位置が遠いの2つを満たせてる時のみです。
 というのも。(1)´自分と味方の距離が遠ければ遠いほど,そして(2)´自分と敵との距離が近ければ近いほど,次の図のようにコンパスでの度数は異なって見えます。

【図3】

 頭のなかで【図2】を想像できる人なら,「発言者から見て315の方角」のようにマップから予想できますが,それでも余計な処理をひとつ挟むうえに,角度(方角)しかわからないため,あまりスマートではない気がします。


【図4】

 極端な例ですが,味方との距離が近く,敵との距離が遠い上図では誤差が10度になっているため,コンパスによる伝達がスムーズに行われている例と言えます。
 ※「『自分と味方の距離』と『自分と敵との距離』との比率が〇:〇以上の場合,コンパスでのブレが△度以内になる」ようなことを数式で示せそうですが,私には無理です。示す意義も感じませんが…。

 以上を踏まえると,個人的にはコンパスで敵の方向を伝えるのは微妙だと思います。ピンを刺したいです(デフォルトだとマウスホイール押し込み。距離感はわかりづらいので注意)。
 理屈的には方角も同じですが,方角の場合はコンパスではなくマップを利用して伝えることが多く,コンパスと違って「その人から見て北」というのが直感的に伝わりやすいという点で少し違うでしょうか。また,例外として「集落全体の北側」や「家屋の南側(南側の塀)」のような使い方は敵と近い場合でも使うことがあります。

 一応付け加えておくと,マップに対する理解度が足りない場合(=ポジションの位置や名前を知らない・共有できていない,あるいは画面上に見えてる敵の位置がマップ上でどこかわからない場合)は,コンパスで伝えるしかありません。ただ,そういう状況下においてはおそらくスプリットも難しい=味方との距離が近いでしょうから,逆説的にコンパスでの伝達がスムーズになりますね。。。

 この遠近感に対する考え方は「自分がスモークの中に入ることが弱い」の説明でも用いられます。「スモークから飛び出す側は全方位警戒しなければいけないのに対し,スモークの外側にいる人はスモークだけを見ていればいい。だから自分の足元にスモークを焚くのは弱い」という話で,もちろんそうしなければいけない状況もありますが,そういう状況を作らないようにしたいところです。ダウンをとられるときは確定キルの入らないところで。

③前後左右

 よく「前後左右で伝えるのはよくない」という話を聞きますが,目標との距離が近い場合はコンパスより優先されます。ただ東西南北と異なり,前後左右は自分の向いているほうによって異なってくるため,難しいのも確かです。いくつか見てみます。
※僕だけの感覚かもしれないのであまり鵜呑みにしないでください。

・東西南北(NESW)と比較すると敵との距離が近い場合に使われることが多い
 先に①でも述べたように,コンパスによる伝達は距離が遠い場合に機能することが多いため,近い敵には使われないことが多いです。そのうえで「前後左右」は以下のような使われ方をされることがあります。
ー安全地帯の内側(中心)を正面として左右【図5】
ー接敵した方向を正面として左右【図6】

【図5】安置中央=チームの進行方向を正面
【図6】接敵した方向=チームの向いてる方向を正面

 チーム全体の進行方向>向いてる方向というのを意識すると良いかもしれません。

・「あなたから見て右」・「遮蔽物の右から顔を出す」
 自分との距離が,味方より敵のほうが近い場合は,これを意識しないといけないことがあります。具体的には自分が気絶させられて自分のいたポジションが敵に奪われてしまった場合や,気絶した自分が情報をとりにいく場合はよく使われる気がします。ただこれを伝えるときは「あなたから見て」と伝えたほうが良いと思います。

・死後の視点からの場合
 死んだあとは味方の視点に入りますが,そのときの左右の使い方としては次のような感覚があります。
-視覚情報:「右にいたね」「左の岩の裏」→画面内に見えてる部分での左右

-聴覚情報:「右から足音」「左で銃声」→画面外に見切れてる部分での左右
 これに,前述のチーム全体の進行方向・見てる方向が加わります。

 全体を通してケースバイケースで紛らわしい・統一したほうがいいという気持ちもわかるのですが,よく言えばニュアンスが豊富で柔軟=ハマればより正確に伝えられるということでもありますので,チームでの練度を高めましょうという話になるのではないでしょうか(日本語という言語がそういう性質が強い?)。いずれにしても自分と味方との距離を把握しておくのは大事だと思います。

Ⅱ.ロールについて

 ロールに関しては競技シーンでもなければそこまで意識する必要もないと思いますが。

 索敵に関しては斥候とポジション取りの2つを意識して場合によっては分担。ファイトに関しては正面,裏取り(横を刺す),タレット,漁夫や広がりを意識した後方ないし回り込みの警戒・牽制あたりでしょうか。このあたりはロール関係なく,全員がその時々に応じて熟せる必要があります(タイプ=得手不得手や好き嫌いはあれど)。

①コール(IGL・オーダー)
 IGL(インゲームリーダー)は,味方が集めてくれた情報と自分の集めた情報を総合的に判断して,次なにをするかチームの動きを決定する役割です。詳しくは前の記事を見てもらいたいと思います。おそらくコツは自分の判断を信じて,躊躇ってはいけないというところかなと。IGLは最終的な意思決定機関なだけで,アイディア出し自体はチームメイト全員で行うべきでしょう。
 いずれにしてもIGLは頭をかなり使いますので,IGL以外が次の②・③を行うようにしたいところ。

②キルログ管理
 どこのチームが人数が欠けているかの把握です。キルログの読み方ですが,基本は以下です。

【読み方】 ※orz=四つん這いの人。
(1)「A 武器のマーク orz B」・・・Aが武器でBを気絶させた
(2)「A 武器のマーク B」・・・Aが武器でBに確定キルを入れた
(3)「A orz B」・・・Aが気絶させたBがリバイブされずに自然死した(チーム全員が倒され確定キルになった場合※を含む)

 ※印の状況では次のような形で一斉に流れます。

【図7】自然死の表記としては画面中央「とどめを刺しました」

 キルログ上3行が同じタイミングで表示されます(消えるタイミングも同時)。一番上の行が最後に倒した相手で,その下の2行はそのタイミングで既に気絶していたプレイヤーに確定キルが入った(チームが全滅した)ことを意味しています。当然,最後の一人が第3チームやブルーゾーンに倒される場合もありますが同じように流れます。
 加えて,気絶をとった敵を別チームに確定キルをいれられるとアシストが入りますのでそれも注意してください(競技的にはキルパク,公式ではキルスティールと言って,確定キルをいれたチームにポイントが入ります)。
(追記)ダウンログは距離が近くないと見えません。確定キルログは遠くにいても見ることができます。

 蛇足ですが,キルログの面から言えば,気絶している相手に確定キルをいれるかどうかの判断において,気絶してる相手が一斉に死ぬとチームを制圧したこと=ファイトが終了したことがわかりやすい=残しておくのも一考の余地がある反面,今まさに打ち合ってる最中に「先に気絶をとったプレイヤー」に確定キルが入るとキルログを誤読してしまう可能性がある(目の前の相手を倒したと読んでしまう)こともあるため,なんとも言えません。したがって,それ以外の要素(情報をとらせたくない・リバイブさせたくない・安全が確保できている=確定キルをいれるタイミングやその直後のリロードでカバーが入らない)で確キルの判断を決定し,キルログに関しては正確に読めるように別途鍛えましょう。

③銃声とチーム(キルログ)の一致 
 「ここにいるチームが今キルログを流しているチームだ」という情報です。
 漁夫の判断であったり,攻めるところの判断に使える情報になりますし,敵のチームがどのくらい広がってるか・スプリットをしているかの推測にも使えます。あとは安置外で撃ち合った際にとどめを差し切れなかったがブルーゾーンで倒れたなどの情報にもなるでしょうか。活用方法は様々です。
 場合によっては銃声を頼りに武器の種類から一致させることも必要です。

 このゲームでは残りの部隊数(チーム数)は表示されません。したがってキルログが非常に重要な意味をもちます。そのうえで,基本的に終盤はどのチームも欠けてる場合が多いため,「生存人数÷チームメイトの上限人数(スクアッドなら4)で求められる値」は,あまり参考になりません。「残り人数が8人だから4人×2チーム生存」とはならないし,「残り人数が10人だから4・4・2だろう」というのも安直です。しっかりログを追って各チームの配置状況および人数把握に努めたいところです(ノーマルマッチですと,現在は復帰システムが実装されてますのでランクよりは幾分かマシですが…)。

Ⅲ.自分のことを伝える

 いま自分がどこにいて,どこを見てるのか,場合によってはその理由も含めて共有する必要があります。
 また持っている投擲武器や回復アイテムなども可能な限り共有しておきたいです。個人+個人の合計数というよりは,チーム全体としての分配という意識でしょうか。
 アタッチメントに関しても,欲しいものや余ったものを伝えるようにしたいですが,全部伝えるのも煩わしいので,どうしても欲しいもの,余ったものはTierの高いものを意識して伝えましょう。「なんでもいいからグリップと先端ほしい(ハーフやフラハイ持ってるならバーティカルやコンペンは要求しない)」,「6倍以上のスコープやARコンペンは余った」など。ただこれも状況にもよります。初動ファイトが発生しそうな場合やまともに漁れていない場合は等倍~4倍でもありがたがられる。

最後に

 その場・その瞬間で意味を理解=情報を処理できなくても,一時的に脳みそに音だけ保存しておいて,余裕ができたタイミングでそれを(口頭で)再生しなおして(場合によってはもう一度伝えなおしてもらって)意味を咀嚼=情報を処理するという能力も必要な気がします。
 相手の意図をくみ取ることにおいて,最大限自分の改善を行う方向で努力したいですが,どうしても「こう伝えてほしい」みたいなのは思い切って相談してみましょう。それがチームのためになるのではないでしょうか。それでギクシャクするようならそこまでだと思います(?)あとは伝え方。同じ内容でも伝え方次第で受け取り方の印象は大きく変わりますので。

おまけ

 キルログのチーム番号を国旗にする方法です(23チーム目まで)。30秒でできます。

 上の動画の概要欄からファイルをダウンロードし,解凍(展開)したObserverファイルを,AppData>local>TslGame>Savedに配置するだけです。動画を見て仕組みを理解すれば国旗以外も可能ですし24チーム目以降の変更も可能だと思います。
 数字のチーム番号より覚えやすく,キルログ管理では有利に働きますが,チーム番号が見えなくなりますから一緒にプレイしてる人も変更していないと情報伝達の面においては障害になります(一応画像ファイルの順番さえ覚えればチーム番号=国旗の変換ができますが,本末転倒)。なお,ノーマルマッチのEscキー>マッチログ以外からは通常通りチーム番号に見えます。


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