山頂

2023年12月10日(日)
こんばんは。
日曜日は9:40に劇場入り。千秋楽。疲れ度合いは100。100%の疲れで劇場に入った。気合いだけが僕を立たせていた。ラスト一日。この日が終われば好きなだけ寝ていい日が来る。しかし僕の中のほとんどはこの日が終わるのを寂しがっていた。寂しかったと思う。それくらいこの2ヶ月半が楽しかった。どれだけ疲れていようがこれから疲れることがわかっていようがこの空間にいることは僕にとってストレスではなかった。一人別の楽屋に入り、体操と発声を済ませた。キュッと集中できた。頭や身体が起きることはなかった。カフェラテを飲んだが、結局これはもうほぼ効いていなかった。もう一週間近くカフェインで奮い立たせていて、一昨日あたりから副作用みたいなのが出てきていた。飲まなくても僕は大丈夫なはずなのだけど、いつもと違うことしたくなかったので本番の3日間はほぼ同じものを口にした。結果すべてのステージでいつも通りの芝居ができた(と感じている)が、それはルーティンを守ったからとかではなく、これまでずっと稽古してきたからだと気付いた。本当にこの日に気付いた。稽古は裏切らないというわけだ。2ヶ月半、ほぼ毎日稽古を繰り返し繰り返し繰り返し繰り返してきたけど、それが成功だったのだ。はじめ稽古日程を見せられた時は目ん玉が飛び出た。しかしこの稽古量のおかげで4ステージすべてで同じことができた(と思っている)。この稽古期間を肯定するためにそう思うようにしたいのかもしれないけど、でも実際他の公演では回によって若干感覚が違ってることがある(ないようにすべきだけど)。今回はそれが全くなかった。考えてる余裕がなかった。たぶん寝ながらでも通しができると思う。でも毎回同じことをしていたわけでもないのが不思議なところで、エチュードから作っていく台本だったし毎回同じこと言わないように努力していたから一本通して全く同じものはないんだけど、それでも毎回同じことができたと思えている。何を言ってるかわからないと思うが、真ん中にみっちり稽古によって安定している太い軸みたいなのがあって、その構成要素は毎回変わるし(他の役者に)変えられるのだけど軸が安定してるからどんな方向へ飛んでも絶対に元の場所に帰ってくることができた。硬い土台の上で自由に踊っていたんだと思う。この土台を作る2ヶ月半だったんだとこの日気付いた。気付けて良かった。気付いたせいで、これから僕が主宰する時稽古が増えるかもしれない。まあそれはよくて、これから別の現場で芝居する時に稽古の少なさについていけなくなるかもしれなくてそれが心配。あとこんな作り方してるのここだけだと思うから他の場所で毎回違うことしてたら止められると思う。役者はこれお願いしますと言われたことは絶対毎回同じことやった方がいいから。すごい楽しかった。毎回違うことしてていいし、みんな毎回違うことしてるからどんだけ稽古を繰り返してもいつも新鮮だった。飽きずに楽しめた。きっと、毎回同じことしてる人はこの劇団に次呼んでもらえないんだろうなと思ったりもした。もちろん、作品を成立させるために毎回同じことをする必要もある。毎回同じことしてはいけないし、毎回同じことしないといけない。そういう人になろうと、ちゃんと頑張れたのが良かった。サボろうと思えばいくらでもサボれた。だから他の現場よりだいぶタフだと思う。まず稽古量についていく必要があるし、その中でエチュードをしまくって常に新しいことを見つけていかないといけない。ただ稽古に来るだけも可能だっただろうが、それだと多分次呼ばれないし何より自分が成長しない。今回相当自由にやらせてもらった。絶対成長できた。絶対大きくなった。絶対に次に活かす。今回の作品に関わることができて本当に嬉しかった。自分自身が成長できたこともそうだけど、作品自体がすごい挑戦的で、僕はずっとこれが面白いのかどうかわからなかった。観に来てくださったお客さんは口を揃えて面白かったと言ってくれたし、追っかけな人もこの劇団で一番か二番目に面白かったと言っていたし、何より脚本家(演出家)がこの作品のことを本当に面白いと言っていた。僕はこの劇団の作品は過去に何本か観ていたが、面白いのもあればそうでもないのもあって、今回自分が面白い側の作品を一緒に作れたのが嬉しかった。稽古に参加してすぐにこの劇団の作品が面白いかどうかは役者のエチュードにかかってると気付いた。もちろんすべてではないが、笑いを取れるかどうかは結構かかっていたと思う。だから結構プレッシャーだったし、その分お客さんが笑ってくれたのは嬉しかった。正直言うともっとウケたかった。このメンバーでもっといろんな芝居に挑戦したい。もっと別の話を作りたい。稽古をしたい。もう麻痺してしまった。ロスなのだ。本当に楽しかった。引退試合みたいだった。部活だった。こんだけずっと一緒に居たら別れるの寂しい。千秋楽が終わってすぐに舞台がバラされた。余韻なんてなかった。楽屋には次々と装置が運び込まれてきて、僕も解体したりした。バラシは早いのである。休む間もなく、打ち上げへ。前日も少し打ち上がってて、ぶっちゃけ一杯目のビールは昨日の方が美味しかったけど、安心感というか肩の荷がおりた飲み会で、もうベロベロに酔ってしまった。てか疲れすぎててお酒が終わってた。2軒目も行ったがほぼ寝ていた。水しか飲んでないのに1600円払った。ほぼ無理やり3軒目に行ってミックスジュースだけ飲んだ。歩くのに必死で寝るか吐くかどっちかで危なかったけどなんとか帰った。タクシーも1600円だった。帰ってすぐ寝た。少し回復してからまた改めてこの打ち上げをしたい。話し足りないや。何より誰もがケガすることなく無事に走りきったのが良かった。関わった全ての方々に感謝。
たきざきでした。また来ます。

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