トマト煮とマフィン
今、電車に乗ってわたしは、一人暮らしの家に帰っている。
昨日姉に実家に帰ると言ったら、一緒にごはん食べに行こうかなって言ってくれた。
わたしは実家で母にご飯を作る予定だったけど、姉と一緒ならと思って3人で外食する案も出てきた。
母に相談して、結局土曜は家で母と2人でわたしの作ったご飯を食べた。
この前一人で作ってまあまあ美味しかった、白菜と鶏肉のトマト煮と小さい頃に母から作り方を教わったポテトサラダにした。
母が、祖父母のことで忙しくてご飯が食べられないと言っていたから心配してたけど、食欲がないわけじゃなくて単純に食べる時間がないのだと聞いてちょっと安心した。
子が親を心配する年齢になったんだなぁとも思った。
ご飯を作る前にマフィンも焼いていた。
レモンヨーグルトマフィンと、オレオチョコチップマフィン。
料理は適当に作るのが楽しいけど、お菓子はきちんと作るのが楽しい。わたしは基本大雑把だから、もっとちゃんとやればもっと美味しくできるんだろうなとも思う。
まあ、普通に美味しかったし母も食べていたので良い。楽しくやれるくらいで良いのだ。
もちろん犬の散歩もした。
いつもは夕方に行っているはずなのに、わたしが昼頃に帰るとすぐに散歩をねだられた。
せっかく帰ってきたし、いい天気だったから望みを聞くことにした。
11歳のマルプー。歳を取っても散歩が好きなのは変わらないみたいだ。陽だまりの中で歩いているフワフワからはいつも音符が踊っているように見える。散歩から帰ると気が済んだのかクッションの上で眠った。
今日は、母といっしょに祖母の家に行った。
祖母は母の顔を見るといつも具合の悪い素振りをする。心配をかけたいというか、寂しがりなんだろうなって思う。わたしだけの時はもうちょっと元気なんだけどな。
祖母のことは大好きだけど、母が疲れてしまうのもわかる。これまでも出来るだけ手伝おうとしていたけど、祖父が亡くなって、わたしが一人暮らしを始めた今はもっともっと家族のことを気にかけないとなと思った。
母に対して、何も食べられないと弱音を吐く祖母の家にラッピングして持ってきていたマフィンをひとつ置いて帰った。
それから姉と合流して、母と3人でデパートの7階でお昼ご飯を食べた。
母は、昨日わたしに話したのと同じ愚痴を姉にしゃべっていた。こんだけ話せば少しは元気になっただろうか。
姉にもマフィンをあげた。
これまでも作ったお菓子を姉にあげたことがあったけど、姉だけじゃなくて姉の旦那さんも食べているらしい。
身内になら食べさせてもいいかと思うレベルのものなので、人様に食べられていると思うと恥ずかしくなった。姉の旦那さんはまだ身内感がない。
そのあとデパ地下で少し買い物をした。
母がお土産に千疋屋のいちごミルクプリンとバナナオムレットを買ってくれた。
どっちも大好物だけど、家でひとりで食べるのかと思うとちょっと寂しかった。
母と姉は駐車場に向かい、わたしはその途中で通る駅の改札で別れた。
またすぐ帰るし、実家に帰ってわたしも元気をもらったはずなのに涙が出そうになった。
帰ってからスーパーに行くのがめんどくさいなとか、明日から仕事行きたくないなとか、いろんなこと思ったけど、たぶん寂しいだけだと思う。
星野源のギャグのイントロで目頭熱くなるくらいには寂しかった。
家に帰ったらコーヒーを淹れて、買ってもらったデザートを食べよう。いや、スーパーに先に行ったほうがいいかな。
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