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大学でテキストが指定されている場合はそれだけで十分か

滝川沙希です。
今回も、知識のインプット教材としてのテキストについて、選び方、考え方を紹介します。
大学の講義でテキストの指定がなかった場合、また、テキストの指定があったとしても、行政書士試験には高度な場合どうすればよいのでしょうか。

テキストをよく読む。テキスト「を」調べる

常識的に考えて、テキストが指定されているのですから、そのテキストが教える側の問題意識、学生側に要求するレベルを体現しているはずです。
テキストの指定がない場合よりも、安心できそうです。

ただ、安心する前に、そのテキストを調べてみて下さい。全国的に知られた出版社からなのか、版を重ねているものなのか。
それとも、過去のレジュメを大学生協がまとめたものなのか等。

教科書によっては、内容が個性的な場合、記述が薄い場合もありますので、注意を要します。
こうした場合は、行政書士試験のために前回紹介した道垣内本などで補強する必要があります。

補強の要否はコアカリキュラムに対応しているかどうかで判断します。
たとえば民法には、「○権利濫用の法理について、具体例を挙げて説明することができる。」とありますが、テキストを見ても該当する記述が存在しない場合、そのテキストでは国家試験には記述が不足しているということになります。
http://www.lskyokai.jp/info_101019/

難解なテキストの場合

また、版を重ねており、著名な出版社から出版された本がテキストとして指定された場合であっても、別の問題があります。名指しで恐縮なのですが、たとえば、四宮和夫=能見善久『民法総則〈第 9 版〉』(弘文堂、2018 年)を指定している大学があるとします。

この本は理論的に高度で、表現も分かりやすいのですが、大学の講義とこの本だけの世界にいると、行政書士試験がみえなくなってしまいます。

この本に書いてあるような理論的なことは、行政書士試験には出題されません。「難しいことを勉強しているのだから、行政書士試験なんて秒殺やろ」と考えないでください。返り討ちにあうかもしれません。

このような場合は、大学でテキストを指定してもらっているのですが、何らかの形で、別途テキストが必要となります。

別途テキスト購入を要するかもしれない、仕方ない場合

講義を受講した後に行政書士試験の過去問を、受講した範囲でよいから解いてみて下さい。解けるようであれば、そのままそれを日課にすればよいでしょう。

解けない場合は、講義と行政書士試験との間をつなぐテキストが必要かもしれません。前回の道垣内本でもよいですし、シケタイでも構いません。購入するか図書館で済ませるかは、財力、能力に依存します。

しかし、行政書士試験対策のためだけのテキストは、あまりお勧めしません。理由はこれまで触れたとおり、知識の習得は過去問演習の中で十分可能だからということ、大学の講義との連続性が不十分であることです。

まとめ

テキストが指定されており、講義が高度な場合、行政書士試験が足かせとなると感じるかもしれません。
しかし、行政書士試験は基礎固めととらえてください。

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