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行政書士試験の先とかアカデミックな話

滝川沙希です。
行政書士試験は、法学系の試験の中でも基礎的な科目が多く導入的なものです。だからこそ、私は、皆さんに受験をお勧めしているのですが、今回は、背景の話をします。漫談です。

行政書士試験には、全く無関係ですので、忙しい方は、読まないでくださいね。

法学部の成り立ちとか歴史とか

もともと日本が近代国家になろうとしていて、欧米に倣い大学を作ったときは、医学部と工学部と法学部とを作ったらしいです。いずれも実学ですね。社会に直接、役に立つ学部です。

そして大学は帝国大学1つしかありませんでした。「東京」帝国大学という必要もありませんでした。1大学しか存在しないからです。その法学部では、国家に有用な人材の育成が図られ、いわゆる高級官僚が育成されることになります。

「東京」帝国大学の法学部を卒業すると、そのまま官僚になれたようです。私学は、専門学校でしたが、私学や京都帝国大学からも官僚になれる道を拓いたのが、高等文官試験だったと聞きます。いまでいう国家公務員総合職試験です。

したがって、教える内容は、国家のための法学、エリートのための法学。代々学者が留学の結果を踏まえて、伝統のように受け継がれていったわけです。いまでも、東大法学部の講義は、代々通説が受け継がれているわけです。

もちろん官僚にならなくとも、社会の様々な場所で、法学部の学生が活躍していることは、改めて指摘しなくてもよいでしょう。法律学の知識は、社会的に有用だったからです(→法哲学で勉強する、「法の機能」論)。

法学部と他学部

そんなわけで多くの大学では、法学部の人気は高く、いわゆる文系学部では、NO.1でした。例外といってよいのは昭和時代の、早稲田大学(政治経済学部が人気)、慶応(商学部がフラッグシップ)でしたが、最近では東京大学でも文1から法学部にいかずに定員割れになったニュースも耳に新しいですね。

米国では、法学の人気も高いですが、も経済系も根強い人気があるようです。収入につながるからです。学部ではリベラルアーツですので、大学院ですけども。

純ドメな法学

性質上仕方のないことですが、法学は、国際系を除き、純粋にドメスティックに勉強が簡潔してしまいがちです。
大学の先生ですら、あの人はイタリアの労働法、あの方はドイツの民事訴訟法というような感じで、ある特定の外国の状況に詳しくとも、日本の状況を外国に輸出するということは、あまりありません。

もちろん、日本の政府が海外に破産法を輸出したということもありますが、それは例外的な話なのです。

国際公法(国際関係法(公法系))は、例外的に、世界標準に議論をしますので、ドメスティックな感じが嫌な方は、良いかもしれません。
留意点は、ユーザーが国家であるということで、市場が狭くなりがちです(小田滋という方の書籍を読んでください)。

国際私法(国際関係法(私法系))は、国内法と外国の国内法が異なる制度を持つときに調整するルールのことですが、こちらのユーザーは私人です(会社も含みます)。Conflict of Laws.といいますが、その通りです。
そういえば、私はアメリカ人から国際私法を学びました。

まとめ

公法系、刑事系は、海外からの視点での「批判」が届きにくく、制度だけでなく、運用者まで純ドメになっている気もします。






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