行政書士試験でやってしまう 非効率な判例の学習方法
滝川沙希です。
今回は、誤った判例学習の方法について、紹介します。
そもそもなぜ判例を学習するのか
判例学習の重要性は、強調しすぎることはありません。
日本では、当事者間で法律などの解釈に争いがある場合、裁判所の判断が判例となって、のちに発生する類似の事件に事実上の拘束力を有することになっています。
・・・・・。
そんなお堅いことではありません。判例学習が重要なのは、出題されるからです。それ以上に深く考える必要はないでしょう。
このことをおさえたうえで、判例にどのようにアクセスしていくのかを考えていきましょう。
最高裁のウェブにアクセス?
「判例というからには、最高裁だろ?」
「だったら、最高裁のウェブにアクセスすればよいんじゃね?」
そのとおりですが、止めておきましょう。複数の理由がありますが、最高裁のウェブに掲載されているものは、素材そのものです。分量が多く、試験に無関係なところが多いので、少なくとも初学者には、とてもではないが、お付き合いできないからです。
後々ゼミなどで必要になるかもしれないので、法情報学みたいな講義をとって、アクセス方法は知っておかねばならないですが、行政書士試験には、不要だと割り切りましょう。
「判例百選が間違いない」のは過去の話になりつつある
法学部の学生間では、判例といえば、有斐閣の判例百選が定番ですね。「ひゃくせん」と呼ばれます。判例を執筆する学者も百人に絞られることになりますので学者百選ともいわれるのだとか。
行政法だと2分冊、民法だと3分冊(家族法まで含む)となり結構なボリュームです。
しかも1冊の判例掲載数は100以上という「何が百選なの?」と、ポケットに入らない『ポケット六法』と同じように、全国で話題になります。(笑)
一体、行政書士試験に合格するために、こんなに莫大な量の判例すべてを暗記する必要があるのでしょうか。答えは、もちろん、「そうじゃない」です。
合格するには過去問を当たって、濃淡をつけた学習をする必要がありますが、百選はその要請に応えられません。
予備校のテキスト
予備校のテキストにもいろいろありますが、判例が紹介されてあるものあるようです。
出題履歴も記載されているものは、モチベーションも上がりますし、すでにお持ちの方は大いに利用なさってください。
気になるのは、テキストというより、行政書士試験向けに判例をまとめた判例集です。行政書士試験判例集といった名称で販売されています。
こういった本は、行政書士試験の出題に即した構成になっているはずで、使いようによっては強い味方になるのでしょうが、私は判例六法でおさえていましたので、あえて購入することはありませんでした。
大学の定期試験の勉強や受講中に使いづらく、日ごろの勉強との連続性を考えると、あまりお勧めはしません。しかし、これもいつもと同じように、相性というものもあります。
非効率なのでお薦めはしませんが、使いたいのならば、どうぞ。
勉強しないことよりは、良いと思います。
過去問集が、必須
行政書士試験判例集を使うくらいなら、各社から出版されている過去問集のなかで、判例をおさえてみましょう。
過去問を解いて判例の知識を吸収した後、頭の中でバラバラになっている判例を体系的に組み立てられれば、かなり勉強が進んでいると思っていただいてよいです。
そのためには、判例付き六法が有用なのは、別の機会に述べています。
まとめ
行政書士試験合格のためには、判例の勉強方法として、過去問をおさえつつ、判例付き六法で学習するという方法で、必要十分だと思います。
できればサポートお願いします。法律学の勉強の苦痛から少しでも皆様が解放されるように活動しています! 新規六法の購入費用に充てていきます(笑)