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夜を照らせよシティライツ

真っ暗な夜の街が苦手だ。マンションが建ち並ぶ街で生まれ育ったせいだろう。田舎の本当に真っ暗な夜に放り出されると純粋に恐怖を覚える。
街について関わるとき、人だとかコミュニティだとか賑わいだとかを語るが、実はこの本来暗い夜の街に暮らすための何かを必死でつくっているような気もする。例えば、暗い道の向こうにある暗い家には早くに寝床につくあの人が住んでいるとか。例えば、この灯りの連続はその奥で執り行われる家族ゲームの連なりだとか。そういった細々とした積上げが、暗い夜の街の恐怖を和らげるのだ。
ただただ灯りを並べるのでもいい。
暗さの意味を語るのでもいい。
夜を照らせよ、街を照らせ、シティライツ。

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