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鴫野考 下水処理場上のサンクチュアリ

鴫野の近くに放出下水処理場上部利用施設という何ともなぁのネーミングの施設がある。半分は貸し菜園、残り半分は駐車場と公園になっている。
鴫野の近くには立派なフェンスに囲まれたグラウンドやそれなりの大きさの公園があり、緑が少ないと揶揄される大阪市のイメージを覆すような公園の多いまちだが、その中でもここは異彩を放つ。
市街地の中にこれだけ空が開けていて、生駒山系を望み、野菜も作れるなんて場所はない。さらには、電線もなく、自転車が入ってくることもなく、野良猫もカラスもいない。下水処理場の処理水を使ったせせらぎにはアメンボとメダカと小さなカメがいて、夏にはセミが大量発生して、子どもたちが思う存分、虫捕りを楽しめる(ビギナー向けだ)。
先週末に、なぜか季節外れの凧揚げがしたいと子どもたちにせがまれて行った。テントを張ったファミリーがピクニックをしていて、小さな女の子がシャボン玉を追いかけていて、男の子がお父さんと自転車に乗る練習をしていた。その中で、二人の子どもが凧を揚げて、糸の分だけ高く高く飛ばした。
サンクチュアリだ。
とても美しい。
まだまだこのまちにはイイトコがある。たくさんある。そう思うと、なんだか嬉しくなった。

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