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2024スマホの旅

新快速を降りた瞬間、ズボンのポケットにスマホがないことに気づいた。電車の中でギリギリまでスマホで連絡したり、iPadで仕事をしたりして、三ノ宮に着いて慌てて飛び出したのだ。忘れたのだと思って座席に戻ってみたが見当たらない。とりあえず約束もあるので電車を降りた。
ホームでリュックの中を漁ったが、やはりスマホは見つからなかった。急いでiPadをリュックにしまった際に一緒に放り込んだ可能性があったのだが、底には何もなかった。
仕方なく駅員さんに説明すると、加古川駅で車内捜索してくれるとのこと。お昼ごはんを近くのカフェで食べながら朗報を待つ。約束の時間が過ぎたころ、電話がある。おそるおそる出ると、見つからなかったとのこと。あとは出てくるのを待つか、拾得物チャットで問い合わせてくれと。オーマイガー。不安な気持ちのまま打合せに向かう。
打合せ後、三宮の都市再生事例を案内しているときに、AndroidもiPhoneを探すみたいな機能あったらいいのに、と自分で言って、あれ、あるんちゃうと思い立ち、iPadで探してみる。するとまさにそのデバイスを探すというシステムがあり、現在わがスマホは米原にいることが分かった。新快速に乗ってずっとひとり旅をしていたのだ。
離ればなれになってから5時間。三ノ宮駅の駅員さんにその旨を伝えると、1時間後になったら、いまスマホが乗っている電車が三ノ宮駅に到着するから、そこで乗り込んで探してくださいと。
夕ごはんを近くの牛丼屋で食べ、カフェで仕事しながら待つ。ちょこちょこ見ると、スマホは新大阪まで来ている。よしよし、いい感じ。
そして、約束の時間。ホームで待ちながら、デバイスを探すを更新すると、まだ尼崎にいる。おかしいな、もうすぐ新快速は三ノ宮に着くはず。ところが何度更新しても尼崎。もしかして、と思い、逆方向の電車に乗り、尼崎に向かった。
尼崎駅に到着し、駅員さんに話す。すると、そういやさっき届けがあったなぁ、と、君のスマホ何色?カードは何?とクイズを出され、答えると、これかな?と最後の問題。
それです!ありがとうございます!!と言うと、その場にいた駅員さんもちょっと興奮。なんせこの子は7時間も新快速に乗り続けたのだ。姫路まで行って、米原まで行って、たぶんそれを繰り返して、そして帰ってきたのだ。
すこしばかりの感動の再会をして、ほっと安堵し、帰宅。ちょうど尼崎駅で東西線に乗り換えるつもりだったので、非常にスムーズ。まるでそのことを分かっていたみたいに。
そして、尼崎の人はやっぱり良い人だなと、感心した。駅員さんと話してたら、トイレつまってるでーと言いに来た(ちょっと汚いめの)おっちゃんもいて、尼崎で見つかった所以を感じたのだった。

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