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ライトドローパフォーマンスの成り立ち

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私は2008年頃より絵画の発表をはじめました。イベントや個展などで発表を重ねていくなかで、画家・ダンサー・ミュージシャンらと、ライブペイントで表現を共にする機会をいくつかいただきました。

絵画とは違うライブペイントという刺激的な体験。ひとりではなく、誰かと。ダイレクトに瞬間を共有するという喜びを体験していく一方で、自分の表現したいことができていないような、違和感のようなものも感じていくようになりました。そうして自覚したことが、私が表現したいのは、『その瞬間に在りたい色だ』ということです。

いまこの色を味わいたい。そんな思いのもと、ミュージシャンとのコラボレーションイベントで、プロジェクターでリアルタイムに手元の色を投影することが実現しました。ろくに相談や打ち合わせもできない、機材も持ち合わせていないなかで、たくさんの協力と理解を得ることができたことには、感謝しかありません。

パフォーマンスの前も最中も、震えるような緊張がありました。けれど、その瞬間に、忠実に、表現したいことを表現できるという喜び。イベントを終えたときの高揚感と、納得は大きなものでした。やりたいことができたと感じ、それからは度々プロジェクターを用いたライブペイントを重ねるようになります。

光で描くこと、そして、色はそもそも光であること。ライトドローと呼ぶことにしました。私にとって光というのは、絵画であってもライトドローであっても、表現の根本にあるように思います。それを追いかけたり、見つけたりするように、描いているように思います。ドローしている時の心境も、細い光の糸を掴むような感覚があります。

ライトドローパフォーマンスは、ご覧いただく方と、場所と、ご一緒するアーティストと、その瞬間や、表現を共有することのできる、大切なコミュニケーションとなりました。ミュージシャン・ダンサーらとの即興パフォーマンスでは、まさに音と身体と色とでコミュニケーションをしている喜びを感じます。

また、未来でも過去でもなく、その瞬間を見つめること。その結果を味わうこと。それは、私自身にとても必要な行為で、癒しともなっています。




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