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仮柱を立てる

車の窓から外をなんとなく見ていたら、ふと「仮柱」という文字が目に入った。かりばしら?かちゅう?読み方はわからないけど、これは仮の電柱なのだろう。見た目は、ごく普通の電柱だけど。

ネットで調べてみたら、老朽化した電柱を入れ替える時に近くに仮柱を立てるらしい。それで電線とかを一時的に移設して、新しい柱が新設されたら戻して、仮柱を撤去する。詳しくは書いてなかったけど、多分そういうことなのだろうと思う。

え、仮柱、めちゃくちゃ大事じゃん。だって仮柱というものがないと、本柱がボロボロになっても入れ替えられないということでしょう。本柱ヤベェってなった時に、あらかじめ用意しておいた仮柱があると安心だよね。って、これって仕事の話だよね。

私のメインの電柱は漫画だ。だけどそれだけじゃ心もとないので、エッセイなども書いている。文章の仕事は要望に合わせていろんな形をとれるので、けっこう幅広く依頼を受けている。始めた時は細々だったけど、今やわりと立派な仮柱。本業の漫画の連載の切り替わり時期などは、エッセイの仕事で少しばかり収入の埋め合わせをすることができる。

育児エッセイの『はるまき日記』は、産んだばかりで絵を描いている時間がない(けど赤ちゃんのことは記録しまくりたい)時期に書いたものだ。

書かなければ片っ端から忘れてしまうような小さいことをたくさん詰め込んで、本にもなって、読者さんにも楽しんでもらえた。本柱が使えない時の拠り所として、仮柱が立派に機能した最初の経験。

最近は、もう一本くらい仮柱あってもいいんじゃない?と思っていて、占星術の勉強をしている。数年後には占い師としてデビューしているかもしれない。していないかもしれない。でもこういう仕事をしている以上、何かの役には立つだろう。本柱(漫画)と絡めてもいい、仮柱(文章)と絡めてもいい、独立して立ててもいい。しかも勉強すること自体がとても楽しい。

他にも、あれも仮柱になるかな〜と思うことはいくつかあるので、タイミングが来たら選ぶかもしれない。

すごくやりたいことじゃなくても、すごく得意なことじゃなくても、少しずつ続けていれば本柱を助けるくらいのものにはなる。だから悩まないでどんどんいろんなことをやればいいと思う。人生は短い、けれども本柱だけじゃ心もとない程度には長いのだから。

いただいたサポートは、お花を買ったり珈琲を飲んだりマッサージに行ったりなど、これからも書く自分でいられるようなことに使いたいと思います。