瀧本の映画感想 第七回「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」

や、や、や、やあ、どうも瀧本だ。つい先ほど「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」を観てきたところだ。いや、観てしまったというべきか。そもそもこれを”アベンジャーズ”と言っていいのか困惑している。面白かった?と聞かれればそりゃ面白かったけどさ・・・と後がつまってしまう作品だった。私はこの一週間ほどインフィニティ・ウォー(以下、IWと略)のために過去のMCU作品を観てきたわけだが、そのどれもかれも特に”アベンジャーズ”と銘打ってあるものはヒーローたちの勇姿により平和をとり戻す王道中の王道であった。しかし、今作はそんな結末を期待させ過去作によって高ぶらせた気持ちを爆発させ、その爆発した思いはどこにも着地せず、ふわふわと空中に浮いたまま終わってしまったのだ。この行き場の無い困惑さは過去のMCU作品を観てきたから生じたわけで、もし観ていなかったらこの困惑さはつまらなさに変わっていたかもしれない。だからと言って、この困惑さが不愉快というわけでもないのだ。それこそこの感覚を味わえて良かったとすら感じている。とりあえず困惑さと興奮を抑えるためにストーリーを振り返って整理していこう。

※以下、ネタバレを含みます

序盤は思った通り、「マイティ・ソーバトルロイヤル」の最後のシーンからだった。アスガルドの民、ソー、ロキ、ハルクを連れた船はサノスによって壊滅状態にされており、ソーとハルクは懸命に闘うがサノスの負けてしまう。ロキに至っては真の意味で殺されてしまった。その時点でサノスはパワーストーンを持っており、ザンダー星が壊滅してしまったのが想像できるだろう。そして、ロキから奪った四次元キューブからスペースストーンを手にいれる。サノスはパワーストーンの力によって船をバラバラにさせたがその直前、ハルクことバナーはヘイムダルによって地球へ送りだされる。地球に戻ったバナーはDr.ストレンジに会いことの顛末を説明する。そして、Dr.ストレンジは自身が持つタイムストーンを守るため、なによりも銀河を救うためスタークと接触する。接触後すぐにサノスの部下(ブラック・オーダー)が地球に襲来し、Dr.ストレンジとスタークと交戦する。その現場の近くに居合わせたスパイダーマンも加勢に入るが、Dr.ストレンジが エボニー・マウに誘拐されてしまい、アイアンマンとスパイダーマンは彼の船に侵入し地球を離れることになる。

場面は変わり、ガーディアンオブギャラクシーがソーたちの船が放った救難信号を受け取り、壊滅状態となった船の残骸からソーを助け出す。ソーはサノスを倒す武器を作るためロケット、グルートと共にニダベリアに向かう。他のガーディアンオブギャラクシーは「マイティ・ソー ダークワールド」の最後に出てきたリアリティストーンを持っているコレクターがいるノーウェアへと向かう。ノーウェアについた一行はちょうどサノスがコレクターにリアリティストーンを聞いているところだった。なんとか奇襲に成功しサノスを倒すガモーラだったが、それらすべてはサノスがリアリティストーンで作った幻覚だった。ガモーラはなんとソウルストーンのありかを知っているためサノスに連行されてしまう。ガモーラは妹のネビュラのためにしかたなくソウルストーンのありかをいい、サノスと共にヴォーミアに向かう。ヴォーミアでは四次元キューブによって飛ばされたレッドスカルがおり、ソウルストーンを手にするには愛する者と引き換えにしなければいけなかった。以外にもサノスはガモーラに愛を注いでいたのだ。そして彼女と引き換えにソウルストーンを手に入れる。

一方、アイアンマンとスパイダーマンはDr.ストレンジの救出に成功し、このままサノスに奇襲をかけようとするため彼の故郷であるタイタンに到着する。到着後すぐにガーディアンオブギャラクシー(ロケット、グルート)以外と交戦するが互いの目的が一致するといなや協力関係となる。Dr.ストレンジがタイムストーンにより自分たちが勝つ未来が千何通り中一つだけだと知る。そして、タイタンに戻ったサノスと交戦するがスタークの命と引き換えにDr.ストレンジはタイムストーンを手放してしまう。また、ニダベリアはすでに壊滅しており、ソーの友人であるエイトリだけが生き残っていた。実はこの惑星でサノスのガントレットを作られていたのだ。ソーたちはなんとか武器であるストームブレイカーを完成させ地球へと向かう。

ちょっと話が巻き戻るが、マインドストーンを持つヴィジョンはスカーレットと共に行動しており、NYがサノスの部下によって襲撃されたことを知るやいなや別のサノスの部下に襲われてしまう。ストーンを奪われるすんでのところでキャプテンアメリカたちが助けてくれる。そして、マインドストーンだけをヴィジョンと切り離し、ストーンを壊すためにワカンダへと向かう。しかし、サノスの部下とその軍隊?(エイリアン的な生物)が押し寄せて来てヴィジョンとマインドストーンを死守するため交戦する。そこにソーたちが加勢に入るのだが、5つのインフィニティストーンを手に入れたサノスが襲来する。ヴィジョンとマインドストーンを切り離す時間がないため、スカーレットにヴィジョンもろともマインドストーンを破壊することをお願いする。苦し紛れにも破壊することに成功するが、タイムストーンの力によって時間を巻き戻し6つすべてのインフィニティストーンをそろえてしまう。

6つすべてのインフィニティストーンをそろえたサノスにソーはストームブレイカ—をなげこみ、なんとか一矢報いることができるのだが、不敵に笑ったサノスが「頭を狙うべきだったな」といい指をならす。これにより、地球ではバッキーをはじめとする多くの人々が消えてしまう。そして、タイタンで戦っていた彼らもスターク以外消えてしまう。サノスは緑あふれる場所に消え、シールドのフューリーは消える前にどこかに信号を送り消えてしまう。そして、信号の送信が完了した通信機械には新たなマークが表示されて物語が終わる。

とまあ、ながながとストーリーを思い返したところで感想を書いていこうか(いやいや、本当に長くなってしまって申し訳ない)。今までの”アベンジャーズ”は平和を取り戻し、そこにはチームの誰一人としてかけることはなかった(殺されてしまったという意味です(クイックシルバーはまあおいといて))。今作もサノスの企てをすんでのところで止め、ヒーローたちが汗と血にまみれて勝利を謳歌するものだと思っていた。しかし、その期待は裏切られサノスの企ては成就してしまい。多くのヒーローが文字通り消えてしまった。こんなラストはいままでのMCU作品にはなく逆に10年もあるMCU作品を観てきたからこそこの困惑に動揺を隠せれない。私をはじめとする多くのMARVELファンもきっと困惑し動揺していることだろう。

しかし、残虐非道だと思っていたサノスにも愛や理想はあり、それを間違いだとは決して言いきれないのが敵として興味深く。そして、何人がかりでも倒すことのできない圧倒的強さ、インフィニティストーンの使い方、全てにおいて強敵と言わざるとおえませんね(6つそろったときは「やべ、ちびったかも」と思いました)。なかなか目を離すことのできない敵と、Dr.ストレンジやスパイダーマンなどの新しいメンバーの成長、協力して戦うシーンなどは10年かけたクロスオーバー作品ならではの醍醐味でした。

そして、スタークたち(正確に数えてないけど多分アベンジャーズ創設メンバーは全員)は生き残ったのですが、Dr.ストレンジが千何通りの未来を観て勝つ方法は一つだけと言っていたし、何よりもあれだけ大切に守っていたタイムストーンをスタークの命と引き換えに差し出したのには何か意味があるかもしれんせんね。彼は残る半分の人類にスタークが必要だと考えそれが観てきた未来で一番最良だったのかもしれませんね。あと、スタークとスティーブは一度も会話シーンが無いことが驚きでした(これほんまにアベンジャーズか?)。

本当にながながと書いてしまった(特にストーリーをだけど・・・)が、本当に全宇宙の生命が半分になってしまった・・・(ほんまにこれだけで困惑だが)。次のMARVEL作品に期待はするが、それよりも我々が目を輝かせながら観てきたヒーローたちがいなくなった消失感をまだ正直に受け止めきれない気持ちでいっぱいだ・・・

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