『わたしの一番最悪な友だち』
27歳になっても、面接が苦手なままだった。今日だってキャベツを15分煮込んだりむね肉を削ぎ切りしたりしたけれど、こんなこと転職活動のさなかではとてもできたことじゃなかったと思う。それくらいに面接のある日々というのは憂鬱だし、正直もう、会社員になれたのだから二度と面接をしなくていいとずっと思っていた。思うというか安堵していた、ここ3年ほどは。にもかかわらず欲をかいて、やれキャリアアップだと志してしまったばかりに「いちばん」苦手な行為であるそれとわたしは再び対峙していた。