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54・アフターマシ息子・車編①~R・Stones Doom and Gloom

さて、息子は 車の免許が取れたら、あっという間にバイクをやめて 
車に切り替えた。「オレは屋根のある快適な方がいいからさ」

夫は自分の車をタタオに使わせ、自分は仕事用の軽自動車にした。
「オレの車だったら、タタオは改造しないだろ」
親心だったのね。

しかし、タタオはとうとう自分の車を手に入れた。
最初に買った車はキャデラック。(もちろん中古)

この車に乗ってるころ、タタオの祖父(私の父)危篤の知らせで、タタオが家族を乗せて田舎に駆けつけた。(私は一足先に行っていた)
タタオ「おやじったら、
『お前の車だったら 追い越しても 誰も文句は言わねえ、とばせー!』
ってあおるんだよ」


バギーという なんだか耕運機のような4輪のオープンカーにのっていたこともある。サッカー仲間で買い揃え、みんなサッカーに行くときは、これに乗って行ってた。
事実、バイクと間違われるらしく、警官に停められては
「ヘルメットをかぶっていない」と注意される。
タタオはいばって
「これは四輪で ヘルメット着用の義務はないんですよ。ナンバー見て下さい」とほざいてたらしい。
タタオ「小さいけど四輪だから、渋滞にしっかりはまるんだよ」
バイクのように車の脇を通り抜けることはできないのだ。

近所の人も珍しいのでタタオにいろいろ聞いている。
そのたびにタタオが「これは耕運機と同じ扱いでナンバー取ってるんで、公道も走れるんですよ」などと答えてる。
近所の人は、タタオがバイク乗ってるときも、「ちゃんと、この辺くると、エンジン切ってるからだいじょうぶですよ。バイクは楽しいから」などと好意的に見てくれてすごくありがたかった。(実は、タタオがバイク乗ってるとき、大通りに出たとたんすんごい音が聞こえて、私は生きた心地がしなかった)


あるとき タタオが道を歩いていたら、たまたま先輩が車を洗ってた。
かっこいいオープンカーで 思わず「いい車ですね」と言ったら
先輩「これ、売るつもりなんだよ。仕事には使いずらいから」
タタオ「オレも車売ろうと思ってるんですよ」というと、なんとタタオがそのころ乗ってた普通車と交換でもいいと言ってくれたのだ。
なんだか、わらしべ長者のようである。
そして、寒い11月の夜、オープンカーに乗ってご帰宅。
いっしょに乗ってた彼女(今は奥さん)
「この寒いのに、タタオくんたら『きょうは、開けたい気分』とか言って
二人してダウン着てふるえながら乗ってるんですよ。ありえないんだけど。」


タタオは出来るだけ切り詰めてはいるものの、とにかく車関係の出費が大きい。そして、昼も夜も働くタタオくんだったが、なんとかアパート借りて独立した。そうなるとガソリン代その他で生活していけないから、とうとう
軽自動車にした。

「ああ、やっと、タタオも分相応という言葉がわかるようになったのね」と、安心してたのも束の間、
タタオがベンツ買ったらしいというウワサが・・・・。










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