見出し画像

〔23〕音楽の解放戦線「ハバナムーン」

ストーンズのキューバでのライブ「ハバナムーン」をBSでやるので、観ようと起きていた。
このごろ、基本 夜の9時半から10時には寝るので、10時30分から番組が始まるのはつらいが、なぜかBSだけビデオが撮れないので仕方ない。
まだ田舎にいるころ 深夜に外国のロックの短い番組があって、ビデオもないそのころは起きていて観たものだ。確か、ジュンとロペの提供だった。
そのころの若者向けの服屋で、JUNはメンズ、ROPEはレディスだった。
私はそのころから朝型で平日は8時ころ寝ていたが、土曜日にやっていたのかもしれない。
そんなロックに目覚めた高校生時代を思い出しつつ、ストーンズのライブ鑑賞。

ストーンズは アメリカとキューバが国交回復して自由にキューバに行けるようになったらすぐさま キューバでコンサートを行った。
“ハバナ・ムーン”ツァー 名前もステキだ。
ハバナの熱狂はいかばかりか。
長年見ることのできなかったストーンズが、コンサートをやるのだ。
日本で長年 ストーンズのコンサートを待ちわびていた私には、その気持ちがよくわかる。
ライブは、無料だったらしいが、男の子が柵ごしに音楽に合わせて踊ってる映像が泣ける。

ストーンズは 東西冷戦が収束するやいなや 東欧 ロシア 中国などにも積極的に出かけて行き ライブを行ってる。中東にも行ったようだし、ほぼ世界中でライブを行ってる。
 オバマ大統領が国交回復してキューバを訪問したとき、
「ストーンズも来るよ」と言ったらしい。
キースが、「アメリカ大統領が、オレたちの前座だよ」
「音楽の解放戦線だ」の言葉に、さすがストーンズとうなる。
ミックの「やっと来たぞ」の挨拶に、熱狂する聴衆。

ストーンズはもはや平和使節団と言ってもいいだろう。
世界中の人の心をつなぐのだ。
なんといっても、ずっと現役で 常に新曲を作りライブを続けてきたストーンズは強い。求める観客がいれば、いち早くどこへでも行ける。
ライブを続けていなかったら、こうフットワーク軽くスピード感を持って動けないだろう。
本人たちは、好きだからやってるだけだろうが(ストーンズが使命感などもってやるとは思えない)尊敬するよ
 
 
ハバナでのコンサートは、観客がいい。特に子供とばーちゃん。
私くらいの年だと思われるおばちゃん、いやばーちゃんが、ノリノリで踊ってたり、熱狂したり、曲に合わせて何とも言えない物悲しいような表情で体を揺らしてたりする。私も、激しく共感する。
 
2曲目が、イッツオンリーロックンロール(たかがロックだけど、それが好きなのさ)、泣けるねえ。
それにしても、ストーンズのメンバーが、若い時からスタイルが変わらないのがすごい! 金もあるし、休みだってあるのに、なぜ太らない?
 

Out of controlは圧巻のパフォーマンスである。
この曲ってこんなによかったっけ?
アルバムbridges to babylonの中の曲だが、それほど印象に残った曲ではない。
なのに、ライブでのこの演奏!
いや~、rolling stonesは奥が深いねえ。
こうして、新しい発見があるんだもの。


静まり返った会場に、キースのギターが流れ、すすりなくような女性ボーカルの声が加わる。心に沁みいるギミー・シェルターのイントロだ。
高校生のとき、擦り切れるくらい聴いたアルバム「レット・イット・ブリード」のなかの名曲。ライブで聴くと、またいい。


キースが「オレたちは進化を続けてる」の言葉どおり、ハバナムーンのライブはすばらしかった。
ふつうなら、演奏も声も衰えてるはずなのに、まったくそれを感じない。今までで一番いい出来なんじゃないの?と思えるほど。
この歳になっても進化してるとは!


ストーンズのライブを見てたら、いろんなしがらみから解き放たれて
「私の人生は私だけのもの」という思いがあふれてきた。
私にとっても音楽の解放戦線だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?