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23・母との時間


テレビで小林旭が、「ついて来るかい」を歌ってる。
夫がふざけて 私の母の手を取り 真面目な顔をして「ついて来るかい♪」
母と私は爆笑。
しかし、うちへ来て夫の冗談に慣れた母は、切り返すようになった。
「このままからかわれっぱなしじゃ96才女がすたる」と思ってるのか

「ついて来るかい♪」
「死ぬまでついていきます」

うまい! 座布団1枚!
ここに来たからには、最後までここで暮らすしかないもんなあ。
死ぬまでお世話になりますと言いたいのをうまく掛けたよ。
冗談を切り返せるアタマの働きに感心する。
35年も小学校の教員をして真面目一筋にきたのに、うちへ来て 
冗談ばっかり言ってる夫に感化されて変身できる柔軟性があるとは、思いもしなかった。

私は、18才で上京し、60になって母と同居したのだが、母のいろんな面を知ることとなる。母のことはあまり知らなかったんだなあ。

例えば、私はカンで料理をするが、母はいちいち材料を計って料理する。
餃子も、餃子の皮の袋にプリントされてる通りに、キャベツからニラもはかりで計る。調味料も計量スプーンで計って加える。

気温も 温度計を必ず見て 寒い暑いを判断する。
私もマネして温度計を買い、今朝は寒いなあとか判断するようになった。
歳を取ると自分の感覚も当てにならないので、機器に頼るのはいいかもしれない。

今になって母との時間を持てて、いろいろ教えてもらってる気がする。
年を取ることも身をもって教えてくれてるのだ


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