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今週の、いちばん。第24回/「わかる」と「かわる」は、全然違う。

「普段どんな本を作ってるんですか?」
編集者だと自己紹介をしたあとに、しばしばされる質問だ。
僕の場合、一番スタンダードな回答は「ビジネス書」だろう。
でも、相手によっては、「自己啓発書」とか、「話し方や時間の使い方といった、仕事のスキルアップの本」とか、多少表現を変えて答えている。

ただ、僕の中で、一番しっくりくる答えは「人が『変わる』ための本」かもしれない。
読者対象は主にビジネスパーソンだけど、別に学生でも、仕事をリタイヤした人でも構わない。
最近作った『外資系エリートが実践する 「すぐ成長する」仕事術』なんかは、いくつになっても「成長」意欲がある人にはぜひ読んでほしい一冊だ(と珍しくnoteのほうでも宣伝)。
とはいえ、そんな本を作っているにもかかわらず、僕自身はなかなか変われない、だらしのない人間だったりする。

先日、縁あって「iGUANEYE(イグアナアイ)」というフットウェアのお店のレセプションにお邪魔した。
そこには同じ業界の女友達も来ていて、お店を見たあと、近くの飲食店でワイン片手に話をした。
話といっても、仕事の話はほとんど出ず、もっぱらプライベートのことだ。

そこで気づいたのだけど、ジックリ話すのは久しぶりなのに、僕らは、まったく変わっていなかった。
前に話し込んだとき同様、議題は「自分たちにはなぜパートナーができないのか」ということ。
ああでもない、こうでもないとその理由を探すのだけど、その過程も、結論も以前とまったく変わっていない。
ある意味、僕らは、自分たちのことを、よ~く「わかっている」。
でも、変われない。というか、普通の人なら、僕らが変わろうとしないだけだと思うだろう。

人が「かわる」ためには、理想を言えば「わかる」という前段階があったほうがいい。
自分がなぜ変わらなければいけないのか、今なぜ望ましくない状態にあるのか、変わるためには何が必要なのか、それらがわかっていれば、変化の過程は幾分スムーズだろう。
けれど、人は、わかったからといって、すぐに変われるわけではない。
やるか・やらないか、あるいは、やりたいか・やりたくないかのシーソーにどう乗るのかが大事である。
僕らがそのシーソーの反対側に移動できないのはなぜなのか? 
それが今度の議題かもしれない。

今週の、いちばん変わらない自分を意識した瞬間。それは、9月18日、表参道のレストランで女友達と話していた瞬間です。


*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です(下の「このマガジンに含まれています」のリンクから全部の記事が読めます)

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