今週の、いちばん。第4回/カワイイは、そう簡単にはつくれない。
「カワイイは、つくれる」というキャッチコピーは、すごいなと思う。なぜなら(少なくとも僕にとって)、そのコピーが何の商品を形容したものかはとうの昔に忘れ去っても、言葉自体が今でも独り歩きして、一定の説得力を持っているから。それこそ、女性のメイク動画のビフォアアフターを見たりすると、カワイサというものは、「人工物」なんだなと思ってた。
けれど、今週、女性歌手やガールズバンドだけが集まる「NAONのYAON」というイベントで、生まれて初めてナマの森高千里を見たとき、その思いは一気に覆された。
森高千里、御歳、45歳。こんなにカワイくて、こんなにミニスカが似合う45歳は、他にいないんじゃないかと思った。そんな彼女が、「私がオバさんになっても」を歌うのは、むしろ嫌味に感じたくらいだ。
(女性を敵に回すようで怖いし、申し訳ないのだけど)メイクだったり、それ以外の美容的な手段でつくるカワイサは、やはり人工的な、そして一過性のものなんじゃないかと思った。
森高のカワイサは、もちろん彼女のルックスにもよるものだけど、それ以外の、あまり的を射ていない物言いかもしれないけど、彼女の生き方・考え方・立ち居振る舞い・その他もろもろの下支えがなければ、あのレベルで成立していないんじゃないか。
短期的なそれと違い、長期的なカワイイは、そう簡単にはつくれないと思う。そして、だからこそ、長期的なカワイサを有する人は、ステージの上で光を放つのだと思う。
とにかく森高カワイイという話に終始してしまったのだけど、今週の、いちばんカワイイ!と叫びたかった瞬間。それは、4月29日、日比谷の野音で、ナマの森高千里に出会った瞬間です。
*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です(下の「このマガジンに含まれています」のリンクから全部の記事が読めます)
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