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今週の、いちばん。第27回/「自分の人生」を賭けるのか?「他人の人生」に賭けるのか?

「知らないコンビが、ずいぶん出てるなぁ」
先日、THE MANZAI2014の決勝者を決める、本選サーキットなるものを見に行ったとき、そう思った。
阿佐ヶ谷姉妹、三四郎、磁石、ジャングルポケットあたりは、あまりテレビを見ない僕でもわかる。
けれど、S×L、霜降り明星、湘南デストラーデ、田畑藤本、モグライダーという字面を見ても、顔がまったく浮かんでこない。

今回、1900組近くの漫才師がTHE MANZAIの予選にエントリーしたそうだ。
その中から、最も面白い漫才師が決まる。
優勝すれば、とたんに知名度が上がり、仕事も増えるだろうけど、その栄冠を授かるのは1組だけ。
そもそも、50組の認定漫才師に選ばれるのだって、至難の業だ。

この日、ゆにばーすというコンビが「夢は信じればかなうの?」というネタをやっていた。
彼ら漫才師にとって、夢の1つは、この手のコンテストの優勝や決勝進出だろう。
けれど、先述したように、その夢をかなえられるのは、一握りの者だけ。
多くは、自分を信じ、夢を信じ、それでもなかなか芽が出ないで、ある者は夢をあきらめ、またある者はあきらめきれず、いつもの日常を続けていく。

僕の好きなラップの詞に「賭けるものがないんです、人生でいいですか?」というフレーズがある。
(→ZONE THE DARKNESS/奮エテ眠レ
それになぞらえて言えば、多くの漫才師はとても困難なゲームに「自分の人生」を賭けているように見える。
そして、彼らを見て笑う者たちは、ある意味(無意識のうちに)「他人の人生」に賭けているのかもしれない。
自分の人生を丸ごと投げ出すことはできないけれど、夢を追う他人にいくばくかのお金や声援をベットして、成り行きを見守ることで。

今回の本戦サーキットでは、結局「馬鹿よ貴方は」という、まだ知名度が高くないコンビが1位になった。
もしかしたら、決勝に行っても、大番狂わせを起こすかもしれない。
「自分の人生」を賭けるのは、非常に怖いことだけど、やっぱりリターンは大きい。
舞台上の彼らを見て、僕が賭けるのはどちらだろう、と思った。

今週の、いちばん「賭けるもの」を意識した瞬間。それは、10月12日、ルミネざよしもとでTHE MANZAI 2014本戦サーキットを見た瞬間です。


*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です(下の「このマガジンに含まれています」のリンクから全部の記事が読めます)

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