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「続ける」だけでも、すごいこと。/今週の、いちばん。62

編集者という仕事をしていると、どうしても人(やら組織)を値踏みする瞬間がある。
たとえば、ビジネス書を出したいという経営者と会っているとき。
彼の会社の売上や社員数、創業年数を聞いて、「本業」の規模や歴史をおさえ、これではビジネス書の著者として信頼感が…、などと言ってみたり。
そういう職業だから仕方がないのだけど、よく考えると、まあ上から目線の仕事である。

実際には、できたばかりの会社が売上を上げるのも、社員を増やすのも、簡単ではない。
続いている会社は、(それがベストの方法か別として)とにかく目の前の問題をクリアし続けて、今がある。
それが数十年であれ、十数年であれ、数年であれ、会社を続けるのは大変であり、すごいことだ。

昨日、ココナラという会社の創業3周年記念パーティに行ってきた。
途中、CEOの南さんが創業からの歩みをプレゼンされていたけど、たった3年でも、企業が立ち上がり、生き残る間には、いろいろなドラマがある。
たぶん、昔の僕は、その苦労をそれほどリアルに感じられなかっただろう。
創業何十年もたった、ある意味完成された会社の一員だった僕には、「続ける」ことの難しさよりも、表面的な数字のほうしか目がいかなかっただろうから。

ただし、今は違う。
今年の春に創業3年目の会社に転職し、個人事業主としてまだ1年目の僕には、「続ける」すごさが嫌というほどわかる。
自分はまだ「始めた」だけだ。
始める自由は誰にでもある。
でも、皆が必ずしも続けられるわけではない。

続けるためにはどこを目指し、何が必要か。
華やかなお祝いの場で、僕は、そっと気合いを入れ直した。

今週のいちばん、「続ける」難しさを感じた瞬間。それは7月3日、渋谷のオフィスでココナラの節目を祝った瞬間です。


*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です

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