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エロくない絵でも、見てもらえる

はじめに:この記事を書いた動機

ちょうど昨日、ウマ娘の二次創作ガイドラインの話などもありました。

そこで
「世の中には健全絵を見てくれる人が沢山いるぞ!
 ギリギリライン探って攻めてる場合じゃねぇ!」
という事をもっと世に伝えたいと思い、初めてNOTEに記事を書き始めました。

少々長い記事になりますが極力シンプルに書きますので、お時間をいただければと思います。

ちなみに、私Reihou19は
毎週1枚くらいのペースで狂ったようにスーパークリークさんの絵を描き続ける狂人です。

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1:エロ絵を描かないと見てもらえない?

「より多くの人に見てもらいたい」
身も蓋もない言い方をすれば「絵をバズらせたい」

絵を描く人なら、誰でも少なからず思っているのではないでしょうか。

そんなとき定説なのが「エロは伸びる」みたいな話です。

twitterに目を向ければR-18に限らず、下着姿とか、半脱ぎとか、際どい水着とか、セクシーなポーズや視線、表情などで、女の子が可愛く描かれている絵を見かけます。

そしてそれが、1万超えのいいねをされているのを目にしたりします。

良し悪しは別にして、ウマ娘のファンアートでも同様で、R-18とはいかずとも、かなりギリギリの線を攻めているイラストも多数見られます

ギリギリのラインを攻めるのが悪いという訳ではなく、私も以前そういう思考になりかけていた事がありました。

たとえば、お風呂に入っているシーン、水着でパイポジを直してるシーン、浴衣で添い寝に誘う姿、ブラチラ等です。

そういうのを描いていたのは「そういう絵がウケる」という思い違いの為です。
おっぱいを描かなければ、誰も見てくれず絵は無駄になる。
そんな妙な不安感がありました。

今は180度の方向転換をして健全絵で多くの方に絵を見ていただけるようになりました。

好きでえっちな絵を描いてる人は別に良いのですが
「そうじゃないと受けない!」と思って、えっちな絵を描いている人に知っていただければな・・・と思ってこの記事を書いております。

そんな考え方について、実体験をもとに紹介していきたいと思います。

2:「関係性描かないの?」という指摘

それは、ある日妻に言われた非常にシンプルな一言でした。

「いつも推しをピンで描いてるけど、関係性みたいの描かないの?」

妻は絵の仕事をしつつプライベートでは刀やら魔法使いやらのファンアートを描きます。そして私よりはるかに上手です。

上げる絵はことごとく数千~数万いいねがついていました。
主にキャラ同士の掛け合いや日常を描いたマンガやイラストです。

彼女の目には私の絵が奇異に映ったようです。

その頃の絵たちがこちらです。見事にピンの絵ばかりで、やたらとおっぱいを強調しています。危ない道に進む手前でした。
この路線の先には、過激化していく道しかありません。

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彼女はこうも言いました。
「関係性に萌えるんであって、綺麗に描いてもピンの絵はただの肖像画
 モナリザ見て語り合えって言われても難しいけど、
 最後の晩餐なら妄想して語り合えるでしょ?
 この人とこの人デキてるよね~とか」

とはいえ、当時私は
「セクシーな絵やネタ絵が世の中にウケるのだ!
 綺麗に可愛く描ければ多くの人が見てくれるのだ!」

という歪んだマインドセットになっていたので話半分でした。

ただ、ちょうどネタ切れだったので
関係性というものを描いてみることにしました。

3:エッチな絵じゃなくてH5系な絵を描いた

そうして生まれたのが、こちらの絵です。

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クリーク、オグリ、タマが3人で旅行に行くようなシーンです。
出勤前に投稿して、仕事終わりに見たら13000いいねで、たまげました。

この絵は、最終的に2万いいねを越えました。

そして、リプ欄はまさに「関係性を妄想して語る人」で溢れていました

彼女たち3人の関係性について言及してくれた人。
オグリのフランスパンや、クリークの弁当の持ち方にツッコミを入れる人。
子供のようにはしゃぐタマちゃんに言及する人。
E5系じゃなくてH5系をチョイスしたところが素敵!という人。
北海道に思いを馳せる人。

その他諸々、非常に沢山の感想や妄想をいただきました。

今まで、ピンの絵を描いていた頃には無かったタイプの感想でした。

だからこそ、エッチな絵やセクシーな絵を描かないと、見てもらえないのではないか!?と不安を抱く絵描きさんに伝えたいのです。

世の中には関係性の妄想を楽しめる素敵な人が沢山いる。
という事を声を大にして言いたいです。

関係性を描きたくなってきましたか?

4:複数キャラだからフックを増やせる

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さて、モナリザはもちろん名画で素晴らしいです。
でも関係性を語ることはできません。1人ですから。

最後の晩餐ならしばらく語り合えます。

新幹線の絵で痛感しました。同じことなんです。

おっぱいでお弁当を支えるジェスチャや、オグリの背中に担いだパンといった表現が目に付きますが、これらはピンの絵では不可能な表現です。

同じポーズをピンで描いたとすると、必然性が消えてしまいます。
意味不明な絵になります。

お弁当をおっぱいで支えて小走りに急ぐクリーク。
それを待つタマ。
「全員分かな?いや自分の分か!フランスパン!?」となるオグリ。

「なんちゅう持ち方や!」
「どんだけ食うねん!」
と、タマに叱られる妄想がはかどりますね。

関係性を描くことで、多数のフックが生まれていたのです。
絵を見た人が、ツッコミや感想を入れたくなる箇所が沢山あるのです。

この絵は以下のことが絵から伝わります。
・どこから来たのか
・どこへ行くのか
・このシーンの前に何をしていたか
・このシーンの後に何をするのか
・何を考えているのか、思っているのか

これらが妄想が捗る要因になっています。

この絵に反響があったことで、私は関係性を描くことに目覚めました。
絵の中に物語を作ることが楽しくて仕方なくなりました。

それから複数キャラのイラスト作成に邁進しました。(序盤はまだまだおっぱいから脱却できていないのですが・・・)

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ウマ娘は実際のロケ地がありますので、そうした現実の風景も描きました。

これは、土地に馴染みのある人や地元民からの反響もいただけました。

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この絵では、ラーメン二郎府中店様にまでご紹介いただきびっくりしました。

5:それバズってないじゃんという指摘

ということで、改心した私は妻に感謝を述べました。

「セクシーに描かれたピンの絵がバズってるのを見て、
 ああいう路線しか無いと思いこんでいた・・・ありがとう」と私は言いました。

すると、口の悪い妻は「いや、それバズってないじゃん」というのです。

ピンの絵で数万いいねを得ているツイートを取り上げてこう言うのです。

「この神絵師さんはフォロワー20万人。
 それで2万いいねはアンタの200いいねと同じ。
 このフォロワー規模になったら、バズってるのか単にフォロワーがいいねしただけか判断できないでしょ?」

言われてみれば・・・と、確認してみると、
可愛いあの絵も、
セクシーなあの絵も、
ちょっとエッチなこの絵も!
神絵師は数万~十数万フォロワーではないですか!

逆にフォロワー数が数百人~数千人の人でバズらせてる人はというと・・・
関係性を描いた絵やマンガが多いのです。

この世界見えていませんでした。

もっと早く気づいていたら良かったです。

ピンの絵を上げている神絵師さまたちは、
継続的な同人活動や、お仕事の作品などでファンを増やしてきた方です。

息抜きに趣味で描いたピンの絵なのです。
それをメインウェポンにして人気になってきたとは限らないのです。

でも見る側のワタシたちは、上手に描かれたピンの絵で伸びる!
と誤解してしまいがちなのです。

6:だからエッチな絵を描かなくても良いのです

ということで、ここまで個人的な実体験を元に書いてきましたが、結局言いたいのは・・・。

無理してギリギリのラインの際どい水着とかセクシー系の路線とか、水濡れとか、攻めなくても良いじゃん!という事です。

あなたの描くキャラ達の関係性を見たい・・・
見て語りたい、妄想したい!
そういう人は世界にたくさんいるので、恐れずにエロくない絵を描いてみませんか?

私も最初は怖かったですが、思いのほか世界は優しい人だらけでした。

twitter上にはピンのセクシーな絵が溢れています。
そして、沢山いいねRTがついているのが目に入ってきます。
ゲームを見ればソシャゲの中のキャラも、水着か下着かわからん格好で世界をウロついています。

それを見てきた私達絵描きも、麻痺してしまっているのかもしれません。
そういうものしか人気が出ない・・・と

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キャラの関係性、物語を絵で描くことで推しの事をもっと好きになります。

そして、推しを好きになってくれる人ももっと増えます。

関係性を描いたイラストをアップすれば、
ウマ娘のファンにはアグネスデジタルのごとくに尊死を連発してくれる人が沢山います。

とかくtwitterという場は、自分の絵に対する評価のような数字が可視化されてしまいます。

そのため、いいねが増えない絵を描いたら自分の絵描きとしての存在意義が失われるような恐怖感を感じたりします。

そうして、えっちな絵の方向に進んでいくのです。

えっちな絵でしかインプレッションを集められない・・・なんていうふうに、自分に不安をいだいている絵描きさんが、少しでも不安を解消してくれれば幸いです。

偉そうなことを色々書いてしまいましたが・・・最後までお読みいただき誠にありがとうございます。

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