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夏休み最終日

「俺はテレビが見たいんだ!!!」
夜、テレビや動画などから切り離された状況に気づくと、不安感が押し寄せてくる。
暗闇が怖く、静けさに落ち着かないざわついた心境が忍び寄ってくる気がするのだ。
古民家には、テレビやパソコンがないので、夜に画面と向き合う習慣ある人にとっては落ち着かないかもしれない。
焚き火を見たり太鼓をたたくことも可能ではあるが、いづれにせよ心に余裕がなければ次の動作に移れない。

精神的な行き詰ま理を感じた少年は、家族の声を聞く為に携帯電話に手を伸ばすのである。
ホームシック、もしくは寂しさを紛らわせる為に電話をするのであれば、5分程度、 長くとも10分程度が良い。それも、必要最低限の連絡で済ませるのが良いだろう。
何故なら、たとえ長く電話しても、状況が変化することはあまりないからである。
両親は応援と信頼の気持ちを伝えればそれで十分であり、子どもが自らの不安な心と見つめ合う時間をなるべく確保するのが良いだろう。
普段の生活の中では気づけなかった当たり前に自覚しからこそ起こるホームシックも、場合によっては大切な非日常体験であり、自らの日常を認識する為にも重要な経験である。

とは言ったものの、テレビがついていないと、動画を見ていないと、スマホをいじっていないと落ち着かないというのは、現代に浸透した一つの病だと思う。
そこには一見、便利で快適な生活がちらついているが、副反応さながら本人予想もしていなかったダメージがあり、精神的には大きな負担にもなるからである。
ホームシックで叫びながら電話をしていた少年も、次の日にはけろっとして活動している事が多い。ある程度都市を重ねた人は何度か体験した事があるかもしれ無いが、たとえ夜に眠れなくても陽の光を感じる頃には落ち着き、次の日には元気になるのだ。
昨晩の悲劇は嘘のように過去に流れて行き、少年はチャッカマンを手に火起こしに励んでいた。

ホームシックにも色々なパターンがあるが、最近ではスマホやYouTubeなどのデジタルデバイスを中毒的に使用している人にその兆候が多い。
スマホ依存という言葉をよく耳にするように、その対象物がない場合に精神的に不安になるという物は何であれ依存の対象になりうるのだ。
ここではスマホ、動画、ゲームなどを総称してデバイスといっている訳だが、デバイスも大いに依存症を引き起こす原因になり、その依存は精神的な発達の途上にある子ども達に様々な影響を与えてしまう。

少年期、青年期の子どもたちがデバイスを用いて自らの課題を解消したり、自己表現するのは後回しで良い。
それよりも精神的、肉体的な感覚器官発達を優先するべきである。


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