お金の素人が FP2 級に合格したプロセス

40 年間、投資運用どころか、貯蓄や税金にすら興味がなく、ほぼ無関心で生きてた私が、結婚を気に FP の資格を取るまでに至ったお話です。個人的な所感ですが、これから受けてみようかなーと思っている人の参考になればと思います。

動機

FP を取ってみようと思うきっかけになったのは、将来旦那さんが起業したり独立したりした時に「なんか私も資格とかあったらいいなぁ」というふわっとした気持ちが始まりでした。
あったらいい資格はたくさんあるのですが、
・現実的に役に立ちそう
・素人でも受験可能
・取得可能性が高い資格
という条件で絞ると、ファイナンシャル・プランニング技能士がもっともマッチした資格でした。

他にも、簿記、行政書士などを考えましたが、興味の度合いと難易度を鑑みて、FP に落ち着きました。

特に FP2級の難易度はそれほど高くなく、真面目に勉強したら一発合格も可能であり、合格率も 50~60% と国家資格の中ではとても高いものだということが決め手でした。

受験資格

※ 試験要項などの正式な詳細は、FP 協会(または、金財)さんのホームページを確認してください。

FP2級の試験を受けるためには、以下のいずれかを満たす必要があります。
・FP3 級合格
・AFP 認定研修修了
・実務経験 2 年以上

もちろん、どれも持ち合わせていなかった私は、AFP 認定研修を受けることにしました。その理由としては、「3級受けてからでは、2級を受けるまでに期間がかかる」と「どうせ学校行こうと思ってたから認定研修まとめてるところだったら一石二鳥」ということでした。

学校やオンライン教材を使う予定がなく、特に急いでもいないという方は、3 級 → 2 級が最もコストパフォーマンスは良いと思います。試験自体も、年に 3 回(1 月、5 月、9 月)行われている上、3 級に関しては比較的簡単に合格できると言われているので、1 回余分に受けたところで、大したロスにはならなかったかなと思いました。

使用した学習ツール

使用した主なツールはこの 5 つです。
・書籍「ゼロからスタート! 岩田美貴のFP2級1冊目の教科書」
・書籍「みんなが欲しかった! FPの教科書 2級」
・Webサイト「FP2級ドットコム」
・スクール「LEC  2 級 FP・AFP 速修講座」
・YouTube「おーちゃん【1級FP技能士】TV」
・YouTube「ほんださん【東大卒1級FP】」

書籍「ゼロからスタート! 岩田美貴のFP2級1冊目の教科書」

これは、本当に FP とか初めてでどんな分野なのか、どういう科目構成なのかもわからない、本当にゼロスタートな人向けの一冊です。
重要ポイントが分かりやすく簡潔に書かれているので、「いきなり難しいこと言われても何がなんだかわからない」という人が全体とを漠然と理解するのには、書き方も本の厚さも最適だと思います。

ただ、これだけで合格はちょっと難しいかなと思います。圧倒的に足りてないので、あくまでも全体把握のためのジャブだと思った方が良さそうです。

書籍「みんなが欲しかった! FPの教科書 2級」

これは圧倒的に有名な書籍です。教科書と別に問題集もありますが、私は教科書のみ使用しました。(これは、問題を解くのは後述するドットコムさんを使っていたのが理由です。)

非常に分かりやすいです。分厚いですが、2冊に分冊できるように作られているので、持ち運びにも苦労はないです。カラーとポップなフォントを混ぜて構成されているので、とても見やすく馴染みやすいデザインになっていました。さらに、過去に出題された主要な部分に関してはしっかりと網羅されています。教科書としては不自由ないテキストでした。

Webサイト「FP2級ドットコム」

https://fp2-siken.com/

「過去問道場」として、一問一答式で過去問を解いていくことが出来る Web サイトです。
他にも模擬試験形式で PDF 出力も可能なので、本番試験を意識した練習をすることも可能です。
スマホがあれば、電車の中やちょっとした待ち時間でも数問挑戦することができるので、まとめて時間が取れない場合でも勉強から離れることなく続けれられるのが最大のメリットだと思います。

スクール「LEC  2 級 FP・AFP 速修講座」

これは、ちょっと賛否あります。私の中で。
その理由は 2 つあります。

1 つは、2021年9月の試験において、過去問とは大幅に出題傾向が変わり、過去問を解けるようにしただけでは合格は厳しかったというところにあります。これは、他のテキストにも言えることですし、過去問に関してはそれ以上でもないのですが、スクールという性質上、合格させることが目的なので、これまでの過去問の傾向は当然のことながら、合格率などを踏まえて出題傾向や難化についてもある程度想定しかるべきかなと思ってしまいました。正直な感想としては、AFP の認定研修のためだけに行ったようなものという印象です。そして、AFP 認定研修のためだけであれば、他の通信教育を使って半分以下の金額で履修することができます。速修講座という性質上、授業も駆け足で、授業を受けているだけでは絶対に合格は無理です。そして、ある程度自分で勉強した人は、速修講座で得られる新しい知識は多くありません。それよりも、後述する YouTube などの 1級FP さんたちのチャンネルを見る方がよほど深くカバーできると思いました。学校に行くメリットの方が多い資格もあると思いますが、FP2級に関しては私としては不要だったという結論です。

YouTube「おーちゃん【1級FP技能士】TV」

おーちゃんさんの YouTube チャンネルです。2級、3級の資格取得のためのコンテンツも多くあり、記憶に残りやすいような工夫をして説明してくれているので、苦手な分野のところを記憶に叩き込むのにはとても良いと思います。ただ、少し癖が強いので、得手不得手もあるとは思いますが。。。

YouTube「ほんださん【東大卒1級FP】」

ほんださんの YouTube チャンネルです。おーちゃんさんと同様に、2級、3級の資格取得のためのコンテンツが用意されていて、さらに、ロジカルな説明が多いので、きちんと理解したい人向けです。「なぜそうなっているのか?」という観点を中心に説明してくれているので、ただ覚えるではなく、仕組みを理解して覚えることができます。

ツールまとめ

2021年9月の試験を実際に受けて、出題傾向が変わったことを踏まえると、「みんなが欲しかった! FPの教科書 2級」で基本を把握し、過去問道場で過去問を完璧にした上で、YouTube の 1級FP さんたちのチャンネルで各制度や仕組みをきちんと理解するというのが、コスパが良さそうに思いました。(2級の受験資格がない場合は、3級を先に受けるか、通信教育などのコストの低いツールで AFP 認定研修を受けるのが良いと思います。)

試験

2021年9月の試験を受けました。

試験までに、過去 10 期分の過去問で 9 割を取れる程度には仕上げて臨みました。傾向からして、本番でも 8 割は取れるだろうという感触を持っていました。そのくらい、過去問では似た傾向の出題がされていて、緊張はあれど、不安はありませんでした。

ですが、学科試験が始まって数分、見たことのない問題文の連続で、見事にてんぱりました。それまで、合格率が高くなっている傾向があったため、多少の難化はあるだろうという話はありましたが、過去の問題で必ず出ていた問題がことごとく出ず、見たことのない問題や少し捻った問題が多く出題されていました。これに関しては、「過去問を解けるようにする」ではなく、「過去問に出された内容を正しく理解する」とうい勉強をしていれば対応可能な範囲だったのだと思います。私は、前者だったため、とても苦戦しました。似たような対応をして望んだ人は、「めちゃくちゃ難化されてた!」と感じたと思います。

午後の実技に関しては、過去問から大きく外れる問題は少なく、落ち着いて対応すれば問題なく解ける内容でした。

試験直後に開示された解答速報で自己採点した際は、学科が 36/60 で、6 割以上で合格なので、何か一つミスっていたらアウトという結果でした。あんなに勉強したのに・・・とショックを受け、実技の自己採点はしませんでした・・・

結果

恐怖の 10/25 、結果発表の日。
いやいや結果を確認したところ、無事に「完全合格」の文字が表示されました。かなり諦めていたので、めちゃくちゃ嬉しかったです。
後日、詳細が送られてきて、結果を確認したところ、学科 39/60、実技 80/100 でした。
自己採点より 3 点多い謎はいまだに不明です。

金融 4 点、相続 5 点だったので、各科目毎の合格点が決められてなかったことが合格の一因になっていたので、そういう面でも FP は合格につながりやすい試験だったなと改めて思いました。

まとめ

今回試験を受けて強く感じたことは 3 つです。無事に合格したから言えることだというのもありますが、これを機に、知識を得ることにもっと貪欲になっていきたいと思いました。

「問題が解けること」と「理解していること」は違う。

これは反省点の筆頭なんですが、問題が解けていてもきちんと理解していないと、少し捻りを加えられただけで答えられなくなってしまいます。このことをしっかりと理解して、ちゃんと理解して問題を解くことを身につけないと、試験にも実務にも適用出来ないと思いました。


未経験でも真面目に取り組んだらなんとかなる。

お金のことについて考えたくないという消極的な理由で、投資・運用・税金・保険という分野から極力逃げて過ごしてきました。そんな人間でも、真面目に取り組んで勉強したら、ギリギリでも合格できるくらいには知識が頭にはいるということが分かったのは、少なからず自分自身への自信になりました。自分に自信がない時に、簡単なものでも試験を受けて合格するということは、次に進むステップとしてはとてもポジティブなものになるので、良い手段だと思いました。

YouTube すごい。

これは、FP に関するコンテンツが多いというのもありますが、本当に必要十分以上のコンテンツが溢れています。何万円という授業料を払っても得られなかった知識が無料 + α で得られる時代になっていることを思い知らされます。その中でも、より良いと思ったコンテンツには課金するという仕組みが用意されているので、提供者も収益を得ることができます。なによりも、無料で配信することにより、多数の視聴者の目にとまり、知名度をあげることができるので、本業の方への集客に繋がるのだと思います。これにより、より良いものを提供することで、認められて、収益に繋がる、だからより良いものを提供する努力をするし、ユーザーは対価を支払うという至極真っ当な理屈で構築されている気がしました。



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