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映像技術の教科書 |08|カラースペース・ホワイトポイント

はじめに

こんにちは。
虎徹のタキです。
映像技術の教科書、第8回です。
今回はカラースペースについて解説します。

光と色

まず色とはなにか、について理解を深めましょう。
色は、光が物体に当たり、反射した光が目に入ることで感じられる視覚的な感覚です。色は物理的な現象と心理的な感覚が組み合わさって生まれるものです。ここでは物理的な現象について説明します。

色は、光の波長によって決まります。太陽光や電灯の光はさまざまな波長の光の集合体で、これが「白色光」として見えます。物体に白色光が当たると、その物体は一部の波長を吸収し、他の波長を反射します。この反射した波長が目に届き、それが「色」として認識されます。
その中で人間の目が感知できる光の範囲を可視光(Visible Light)といいます。可視光の波長は以下の通りです。

  • 赤色: 長い波長(約620〜780ナノメートル)

  • 青色: 短い波長(約450〜500ナノメートル)

  • 緑色: 中間の波長(約495〜570ナノメートル)

すこし難しく感じるかもしれませんが、
○ 色は物体に当たった光と反射した光の波長によって変わる
○ 人間が知覚できる色の範囲は限られている
くらいに理解しておけば大丈夫です。

可視光はある一定の波長の範囲である、とご説明しましたが、我々が写真や映像の撮影を行い、モニターなどのデバイスでそれらを表示する時、その可視光全域をすべて表現できているわけではありません。
次項でご説明します。

CIE色度図と色域

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