2021年3月23日 -大崎高校の話-
こんちには、中嶋です。今日もまだ少し肌寒いですね〜!! 暖かくして過ごしてくださいね。
さて、今日は大崎高校野球部の記事について少し話ししたいと思います。何故ならば監督のしみっちょ(清水監督)は同級生で同じクラスで一緒に小学校の時サッカー大会にも出た関係なんです!! 実家は僕の散歩コースの近くにあり、昔どっちが山の方に住んでるか? みたいな話をしてたけど、その山を横切るバイパスが出来て分かるのは、明らかに俺のほうが山の上じゃないか? 笑
昨日は、残念ながら負けちゃいました。田舎の高校が甲子園に出るということで賑わっている中で、こんな記事が出てTwitterも朝から色んな意見がわんさかです。
さて、書きたいことを少しずつ綴ります。
部活が広告塔になっている事
甲子園に出ること
それは、高校野球をする人達にとっては目標の一つなのかもしれません。高校時代、いや、小さい頃からの野球人生の大きな目標の一つは高校時代に甲子園に出るということなのでしょう。
県予選を勝ち上がり、甲子園での全国大会。NHKが放送し、色んなメディアも取り上げる、選手の輝かしい場所になることは間違いないのです。
だから、甲子園に行く、出たいと言う選手のモチベーションと、学校部活の活動や地域の想いが一致していくと、色んな事が起きるんでしょう。
サッカーで言うと選手権なのでしょうか?
私立の高校ではスポーツに優れた選手を特待生などの優遇で早めに獲得する所が多くありますし、部活の活躍が高校や地域の広告的存在になり、学校や地域の発展に繋げようとしている部分は多く感じます。
僕は実はその制度は反対でして...スポーツで飯を食っている僕が言うのも辺ですが、スポーツで食べれることなんてとても難しいことですし、プロとしてやっていけても長い期間は難しいだろうし、そもそも一生涯食べてけるぐらいの貯蓄が出来るプロの選手になれるのはとても僅かです。だからこそ、セカンドキャリアや、次に繋げる意味でも学業の必要性と言うのは大事にしておくべきだと思っています。
端的に費用が抑えられ、高校卒業が出来ると言う軽い安心感の中でプレーすること、学校生活を過ごすことはとても危険だと思っています。
昔、知り合いの子で、特待生で学校に入り、疲労骨折したままプレーし、体が壊れ、精神的にも追い詰められ、練習を休みたいと言うと、プレー出来なかったら辞めろと言われ、学校も辞め、生活が荒れた子が居ました。
残念ながらそういう話は少なからず耳にします。
そもそも、疲労骨折って? って話ですよね... ここと、記事の骨折の所と繋がってはきます。
そもそも、何のためにやっているのか?
しみっちょが前任校で、大変だったのは分かります。色んな記事にも出たし、無期限の活動制限を受けることってとてもきつかったでしょう。
甲子園に出ないといけないと言うプレッシャーもあるのかもしれません。
でも、いつのまにか数字を取らないと評価されないような活動に部活がなってきているのであれば、そもそも部活動の趣旨ってなんなんだ? って話にもなってきますね。スポーツって勝ち負けだけど、部活の趣旨ってなんなんだ?と....
本来であれば淘汰されるはずの指導方法なのかもしれないけど、甲子園と言う選手と親の目標と、地域、学校の目標が合致した時に、その目的ややり方が残るんじゃないかな? と思っています。
未だに、そういう指導法の方が残るのも、それが良いと思う人達が居るからなのだと....
罰走?
罰走
ここ数年、試合現場でも沢山観てきました。試合後にダウンかな? と思いきや何十分も走る子どもたち、ダッシュを繰り返す子どもたち、そんなのを見て、まだこんなかぁ.... と、残念な気持ちになったことがあります。
でも、ある人から観れば、試合に対してそれぐらいの気持ちで向き合わないと! って言う大人も居るし、ある人から観れば試合が終わって落ち着いて談笑している子供が許せない大人も居るのも確かです。
負けて悔しさを走ることで見せようとしているチーム
負けた悔しさを過ぎ、次に向き合うチーム
そういう大人の見た目でいうと、走ってるチームの方が見た目は良いのかもしれないですが、精一杯プレーした後にその余力があるということ自体僕は問題だと思うのですが、中々その感じ方には繋がらないように感じたことがあります。
だから、試合後に次の試合に向かって休んでいると、何ダラダラしてんの? って見る人も居るということです。
でも、それはそういう大人の感情をただ子供に押し付けているだけなんですけどね....
そういう大人の美の部分が中々変わらないと、本来であれば指摘されないといけないことが美として扱われる事がまだあるのが現状です。
そんな中、そういう大人の目標と子供の目標が同じであればその極限まで向かっていくのでしょう。だって、数年我慢すればその目標とやらに辿り着けるはずと思っているのですから....
それはトレーニングなのか?
今、指導している大人のカテゴリーに長崎でも強豪の高校出身の選手が居ます。その選手にこういう話をしました。
例えば、10km走るって事があった時に
何故10kmなのか? 何故11kmじゃないのか? 9kmじゃないのか?
何故今なのか? それはトレーニングなのか?
強度管理されているのか? ペースはどうか?
そんな事を伝えて走ることってあった?
って、聞いたことあります。でも、そこに個別性はあまり無かったようでした。
トレーニングであれば、データをとって個別的な負荷を与えないといけない。
100kgのバーベル上げれる人に10kgがどう感じるのか?
10kgしか上げれない人に100kgはどう感じるのか?
トレーニングであれば、そういう個別な対応が必要なはずなのに、劣る選手は駄目な選手と言う観方をされてしまうことの劣等感や恐怖が活動の中にあれば、それはとてもネガティブなものになってしまうのではないのだろうか? 僕で言うとこの心理的安全性が無い状態になってしまいます....
恐怖が支配してしまいだすと、実際何のためにやっているのか? 見えなくなりますよね... 怒られるかから頑張るみたいにモチベーションが続くと、叩かないと映らない昭和のテレビみたいになってしまいます。正しく修理すれば直るのに、叩いているうちに違う所も壊れだす。
そして、もういいやってなるんです。
ある意味3年間。それが我慢できるギリギリの期間なのかもしれません。
部活が休みになる開放感。
それを開放感と感じているということは、そういう活動になっているかもしれないのです....
高校卒業して部活引退して、あんなに好きだったはずなのに...いつの間にかそこに魅力を感じれなくなって辞めてく選手が多く居るのもそういうのが原因かもしれないですね...
20年ぐらい前に
20年前ぐらいに行ったブラジルの話。
その時、そのチームがちょうどプレシーズンでフィジカル(長距離、有酸素)的なトレーニングをしていたのですが、トレーニングの負荷を決めるために、バイクで最大酸素摂取量などのデータをとり、実際走って数値を図り、トレーニングの際には心理的な負担にならないように、3つのグループに分け、そのグループで小さな競争が出来るようにしていく。そして、その成果をまた数値化して図り、トレーニング強度を変えていく。
勿論、今ではハートレートモニターやGPSがあるのでより精度高くデータはとれると思うのですが、少なからずその時代にブラジルではそういう取り入れ方をしていました。
トレーニングなのです。
疲労骨折の話をしたら、普通に笑われます。
自分のチームの選手の状態を悪くするコーチってどんなやつなんだ? と...
そう言う、トレーニングに必要なものが日本の育成年代の現場に中々浸透してない、それは、色んな理由があるのだとは思います。
美の観点
部活、ジュニア、育成年代の活動の美の部分。
この観方がとても大事なんだと思います。何を美しいと思うのか?
結果なのか? 過程なのか? 取り組み方なのか? 続けることなのか?
子どもたちの笑顔なのか? 成長なのか ? 成功なのか?
大人が何を持ってスポーツの価値を捉えるのか?
僕はここに今の子どもたちが触れるスポーツ大きな課題があるような気がします。
今回の記事についても、色んな観方があると思います。
指導法がどうだ? とか
親子納得しているからいいんじゃないか? とか
甲子園に行ったことでありがとうって言う人 とか
色んな観方がある中で、何を持って美と感じるのか?
美だけでなく、価値だったり、想いだったり、色々と見つめなおす機会に繋がればいいなぁと思います。
しみっちょ的にフォローすると、彼は厳しくしていいか? 選手に尋ねています。ある意味強制ではなく選手にもその部分は伝え、了解を得てやっていること。そして、人数も30名程度。指導できる範囲内での選手獲得をしているのでしょう。
勿論、彼にも色んな葛藤がある中での活動だと思います。勝てなければ勝てないと言われるし、ある意味趣旨や目的が変われば結果が大事な立場になってしまうのかもしれません。予算だったり、地域の目だったり、自分の仕事の事だったり、彼のインタビューの中に出てくる恩返しの部分の多くは、結果を出すことで地域貢献していきたいと言う思い、選手の目標達成に繋げていこうとしているのだろうなぁと...
高校野球だけでなく、色んな課題が現場にある中で、スポーツがどういう捉え方されていくのか?
このオリンピックが開催されようとしている今、色んな観方をしながら考えていきたいですね。
あー、長々となってしまいました...
では、仕事に戻ります。
また、続きは書きますね!!!
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