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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(14)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(14)


 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。

 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


自分にない何かをパートナーが持っていて、保管し合えることが望ましい。専門分野ばかりでなく、性格的にもお互い補い合える人を選ぶべきだろう

 
 私は二〇〇〇年にドリームインキュベータという会社を創業したとき、二十年間一緒に仕事をしてきた二人の仲間とともに、二十歳年下の人にパートナーをお願いした。彼はわれわれ三人に不足していた技術者の視点を持っていたからだ。
 ソニーの二人は技術と営業、本田技研の二人は技術と営業・財務である。この例を見てもわかるように、自分にない何かをパートナーが持っていて、保管し合えることが望ましい。専門分野ばかりでなく、性格的にもお互い補い合える人を選ぶべきだろう

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <40>          



友情だけではビジネスパートナーとして完全でない。重要なことはやはり、補完と相互尊敬である

 
 経営の場では、確固たる友情でないととてももたない。過去に窮地で助けられたという思い出があるか、二人で死線を突破したというような体験を共有する「戦友」でなければ、それに耐える本物の友情とはならないだろう。
 しかし友情だけではビジネスパートナーとして完全でない。重要なことはやはり、補完と相互尊敬である。 

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <41>         



組織経営は規模の大小によって、その内容をかなり異にする。十億円企業の経営者に求められるものと、一千億円企業の経営者に求められる資質、能力、人間の大きさとの違いはきわめて大きいのである

 
 十億円企業と百億円企業の差は、経営能力や技術の差では必ずしもない。私がさまざまな経営者と接してきて感じるのは、前者の経営者が成功に満足し、奢りを抱きがちなのに対し、後者の経営者は謙虚で、人の話をよく聞き、そこから多くのものを得ようとしていることだ。
 そして、一部上場企業の規模に達する一千億円企業にまで伸びていくためには、本来、この本で語っているような真のリーダーシップを持つ必要がある。経営者としての才能や謙虚さを持ち、その上に人を見抜く力を備えることが求められる。
(中略)
 組織経営は規模の大小によって、その内容をかなり異にする。十億円企業の経営者に求められるものと、一千億円企業の経営者に求められる資質、能力、人間の大きさとの違いはきわめて大きいのである

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <42>         


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社



✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。

一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 「十億円企業の経営者に求められるものと、一千億円企業の経営者に求められる資質、能力、人間の大きさとの違いはきわめて大きいのである

よく言われることがあります。売上高100億円の壁、1000億円の壁です。

100億円の壁を突き破ることができない企業が多くあります。100億円の手前で伸び悩み、ズルズルと売上を下げてしまうのです。

あるいは100億円の壁を突破した後、達成感に酔ってしまい、その後の成長ができなくなる企業もあります。

その一方で、100億円の壁をあっさり超える企業もあります。次の目標を1000億円と定め、事業に邁進し、数年で超える企業もあります。

その差は何なのか。

堀さんは10億円企業と1000億円企業の経営者で対比していますが、100億円企業と1000億円企業の経営者との差と変わりません。

資質、能力、人間の大きさ」ということになるのでしょう。
「志の高さ」と言い換えても良いでしょう。


話は変わりますが、「一部上場企業」という記述がありますが、2022年4月から、4市場(東証1部、2部、ジャスダック、マザーズ)から3市場(プライム、スタンダード、グロース)に再編されました。



✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。

1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。

BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。

『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。

(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。

近況は下記をご覧ください。

「セカンドライフ」を謳歌しているようです。



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