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日経ビジネスのインタビュー バックナンバー Vol.077 2013.5.13~2013.5.27



日経ビジネスのインタビュー バックナンバー Vol.077 2013.5.13~2013.5.27



✪ 2013.5.13 (No.1)<318>
民業圧迫あり得ない
能見 公一(のうみ・きみかず)氏
[産業革新機構社長]

およそ買収とか投資というものは、7年、10年かかってやっと黒字になるというケースが多いんです。それだけ粘り強くやれるかどうかが成否を分けるのに、日本では経営者がその間にクビを飛ばされてします。オーナー企業でもない限り、じっくりと腰を据えて投資するのは難しい。そうした中長期のリスクマネーを供給することが我々の役割の1つです。

我々が有利なのは、期限が来たからエグジットを急いでくれといったプレッシャーを受けにくいことです。その分、ベンチャーの育成とか、アーリーステージ(企業が設立して間もない段階)であっても、意味のあるものには投資を行いやすい。

投資というのは、まず過去データなどを分析する金融工学が土台になります。その上で、それを使いこなすだけの組織やリーダーシップ、意思決定プロセスが乗っかります。ただ、それでも不確定な部分は残る。つまり運です。この運を確率よく手に入れるには、この土台をしっかり作る必要があります。


✪ 2013.5.20 (No.2)<319>
高い家が売れる理由
阿部 俊則(あべ・としのり)氏
[積水ハウス社長兼COO(最高執行責任者)]

我々は昨年の秋口くらいから受注の手応えを感じていました。最も大きな要因は低金利だと思います。そのうえで、例えば賃貸住宅に関して言えば、相続税の「小規模宅地の特例」の厳格化によって、大きく需要を伸ばしています。

半期で約1万棟だった損益分岐点を、約6000棟を切るレベルまで落としました。さらに生産ラインの省力化、つまりロボット化も推進している。

高くても、「安心、安全」にはお金をかけてもいいという消費者行動に変わってきています。分かりやすく言うと、現在の積水ハウスの1棟単価は3344万円。2年前が3100万円ちょっとでした。単価が上がってきているのです。


✪ 2013.5.27 (No.3)<320>
同質化競争から抜け出す
鈴木 弘治(すずき・こうじ)氏
[高島屋社長]

株式などを保有する一部のゆとりある消費者は買い物をする気になったのでしょうが、一般のサラリーマンの給料やボーナスはあまり増えていませんし、消費全般ではまだ活性化していないと思います。

営業面ではこれだけインターネットが社会に普及しています。ネット経由での購入にも対応しなければ、支持してもらえないのではないかと危機感を持っています。

どんなに偉そうなことを言ったって、消化仕入れを全部やめると言える百貨店はない。ただ、それだけで十分ですかという話です。その上にあまりにも安住していいのかという話だと思うんです。



🔷 編集後記


この元記事をアメブロに投稿したのは、10年前のことです(2014-02-10 19:55:42)。そして、オリジナル記事は11年前のものです。

読み直してみますと、「こんなことも書いていたのだな」「この個所に関心があったのだな」ということが思い出され、当時の自分の心境に思いを馳せています。

それだけ歳をとったのだと実感しています。

編集長インタビューの記事を読み返してみると、当時の経営者の心意気・信念・余裕・揺るぎない自信といったものが伝わってきます。

月日が経ち、自分だけでなく身の回りにも、環境にも変化があります。
しかし、経営に限らず、物事の本質は変わらないものです。

今回のインタビューの中から興味深い言葉を拾い出してみます。

鈴木 弘治(すずき・こうじ)氏
[高島屋社長]


の言葉から。

株式などを保有する一部のゆとりある消費者は買い物をする気になったのでしょうが、一般のサラリーマンの給料やボーナスはあまり増えていませんし、消費全般ではまだ活性化していないと思います。

🔴「一般のサラリーマンの給料やボーナスはあまり増えていませんし、消費全般ではまだ活性化していないと思います」

この部分だけを取り上げると、11年前と現在(2024年)とでほとんど変わっていません。確かに、最近、大幅な昇給があったかもしれませんが、昇給率が物価の上昇率に追いつていないため、給与が増えたという実感を抱く人はあまりいないのではないか、と推察します。

次の2つの図表をご覧ください。

総務省が公開している「消費者物価指数」の推移と、厚生労働省が公開している「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」から抜粋しました。

「消費者物価指数」は右肩上がりに上昇していますね。特に、2021年から急上昇しています。

一方、「一般労働者の賃金」は、平成6~7年(1994~1995)からずっと横ばいになっていることがわかります。1994~2024年は30年間になります。

株式市場における「失われた30年」は1989~2019年のことですが、5年スライドさせると、一般労働者の賃金推移も同じく30年になりますね。

https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf


https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/dl/01.pdf

いかがでしたか?



1回の投稿ごとに1カ月分にまとめたインタビューの概要を掲載します。
2007年1月8日号からスタートし、2013年7月までの6年7カ月分のバックナンバーだけで79件あります。

途中、数件記事が抜けている個所があります。

データを消失してしまったため現時点では再現できませんが、日経ビジネス電子版では「2011年10月から最新号まで」のバックナンバーが閲覧できるようですので、抜けている個所に該当する部分が見つかれば、追記します。

⭐ 『日経ビジネス』の電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で2022年9月12日号 No.2157 から定期購読をスタートしました。


「日経ビジネス 電子版使い方ガイド」(全24ページ)を見ると
「雑誌『日経ビジネス』のバックナンバーの閲覧について」で、
閲覧できるのは2011年10月から最新号と書かれています。
そのため、2008年8月18日、25日分の記事は確認できません。
しかも紙の雑誌は、はるか昔に処分しています。


『日経ビジネス』の記事を再投稿することにした経緯

再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。
自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。

当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。

記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。

さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです

「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
プロフィールから)


(3,077文字)


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