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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(7)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(7)


 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。

 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


リーダーにはそれぞれタイプがある。まずリーダーシップの発揮の仕方によって、「怖いリーダー」と「優しいリーダー」の2つのタイプに分けることができる

 
 リーダーにはそれぞれタイプがある。まずリーダーシップの発揮の仕方によって、「怖いリーダー」と「優しいリーダー」の2つのタイプに分けることができる
 私たちが怖いと感じるのは、怒声や場合によっては暴力を振るうことによって威嚇するリーダーよりは、同じ怒るときでも、その指摘・注意がこちらのもっとも痛い部分、つまり正確に的を射ているリーダーであろう。的外れのことで怒られても、冷静に見ていられるので怖くないものだが、鋭く正しい指摘で叱責されるほど怖いものはない。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <19>



いくら耳に痛くても、言うべきを言い、時にはしっかりと叱責しなければ、組織には緩み、たるみが出てくるものである。そこでびしっと厳しさを示すのが怖いリーダーというわけだ

 
 いくら耳に痛くても、言うべきを言い、時にはしっかりと叱責しなければ、組織には緩み、たるみが出てくるものである。そこでびしっと厳しさを示すのが怖いリーダーというわけだ
 その反対に、たとえば誰かが困っているときにゆっくり話を聞いてあげ、一緒に悩みを分かち合ってあげる。あるいは力を貸し、転んだ人に手を差し伸べる。そうしたやり方は人の心をつかむ。力も大きい。
 もちろんそれが行き過ぎると組織は緩んでしまう。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <20>



リーダーに従って仕事をする組織の成員による受け止め方から見る場合、「頼れるリーダー」と「憧れのリーダー」という2つのタイプもある

 
 リーダーに従って仕事をする組織の成員による受け止め方から見る場合、「頼れるリーダー」と「憧れのリーダー」という2つのタイプもある。社員にとって頼りがいのある社長は望ましい存在であろう。並みの人間にはない能力を持ち、並みの人間にはできないことをする社長は、「ああいう人になりたい」という憧れの的になることもあるだろう。名リーダーにふさわしいのは、そのどちらだろうか。
 ここに挙げた4つのリーダーのタイプ比較は、リーダーが部下に支持され、真のリーダーシップを発揮する上で実は見過ごせない側面である。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <21>



✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。

一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 堀氏はリーダーを4つのタイプに分類しています。

「怖いリーダー」「優しいリーダー」「頼れるリーダー」「憧れのリーダー」の4つです。

前2者はリーダーから見たリーダーであり、後2者は部下から見たリーダーです。

すべてにバランスよく当てはまるリーダーはあまりいないでしょう。4つのうち2~3つが当てはまるリーダーはいるでしょう。

サラリーマン時代を振り返ってみますと、怖いというよりも厳しいリーダーがいました。その上司は自分に対しても厳しい人でした。責任を果たすことに全精力を傾けていました。そのため部下に対しても、同様に、仕事に対して全力で取り組むことを要求しました。

組織を引っ張っていくタイプのリーダーでした。

その一方で、対照的なリーダーがいました。「ヒラメ」という表現がふさわしい人でした。上を見ているだけの人でした。

役員から高評価を得たいがために手柄を独り占めしたり、自己保身のために部下に責任転嫁する上司でした。

あなたはどのタイプのリーダーですか? あなたの上司や社長はどのタイプでしょうか?



✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』

2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社



✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。

1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。

BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。

『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。

(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。

近況は下記をご覧ください。

「セカンドライフ」を謳歌しているようです。



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